フランス留学は英語でできる?英語の課程の探し方と必要な語学力
フランス留学は英語でもできます。英語で教える課程は1,500以上ありますが8割は修士レベルです。キャンパスフランスでの探し方、Etudes en Franceの手続き、英語力とTCF・DELFの目安、授業料と働ける時間、暮らしに要るフランス語まで分かります。

「フランスに留学したいけれど、フランス語はほとんど話せない。英語だけでなんとかならないだろうか」。そう考えても、英語で受けられる授業がどれだけあるのか、暮らしでフランス語がどこまで要るのか、見通しが立たず不安な方は多いはずです。
そこで本記事では、フランスで英語を使って学べる課程の数と探し方、そして留学の形ごとに必要な英語とフランス語の力の目安を整理します。自分の目的なら英語だけで学べるのか、どの試験を準備すればよいのかも判断できるはずです。
あわせて、英語の課程の授業料や働ける時間、暮らしの中で必要になるフランス語の考え方も同じ流れで解説します。
フランスに英語で留学できるか
フランスには英語で授業を受けられる課程が1,500以上あり、英語だけで学位を取ることもできます。ただし多くは修士課程なので、学部から英語で学びたい人は選べる課程が限られるのが実情です。
留学の形 | 英語だけで学べるか | 向いている人 |
|---|---|---|
修士課程 | 学べる課程が多い | 大学を卒業した人・社会人 |
学部課程 | 課程は少なめ | 高校卒業後に進学したい人 |
2〜4週間の短期 | 英語の専門科目と仏語を学ぶ | 大学生の休暇中の留学 |
交換留学 | 協定先の課程しだい | 大学の交換留学制度を使える人 |
語学学校 | フランス語の授業が中心 | フランス語を伸ばしたい人 |
英語の課程の数と割合は、フランス政府留学局(キャンパスフランス)の2026年9月の案内にもとづく数字です。交換留学で英語の授業を取れるかは、所属する大学の協定先ごとに違うので、大学の国際交流の窓口で確かめましょう。
英語で学べる課程は1,500以上ある
キャンパスフランスによると、フランスの高等教育機関には英語で教える課程が1,500以上あり、そのうち85%は授業がすべて英語です。工学・理学・経営・環境・健康科学の分野に特に多くあります。
キャンパスフランスは、こうした課程ではフランス語は入学の条件ではないと案内しています。英語で専門を学びたい人にとって、フランスは英語圏以外の有力な選択肢です。
日本からの留学先としても、フランスは上位に入ります。文部科学省がユネスコなどの2023年の統計から集計した主に長期の日本人留学者では、フランスは1,081人で10位でした。
英語の課程の8割は修士レベル
英語で教える課程の80%は修士レベルです。日本の大学を卒業してから専門を深めたい人や、社会人が学び直す場合には選択肢が広がります。
一方で、高校を卒業してすぐにフランスの大学へ英語で進学したい人は、選べる課程が少なくなります。学部から目指すなら、英語の課程だけでなく、フランス語の力をつけて一般の課程に入る道も比べておきましょう。
2〜4週間の短期プログラムも英語で学べる
大学生なら、夏休みなどを使って英語で学ぶ短期プログラムもあります。キャンパスフランスの「French +」は、英語で教える専門科目と、週15時間のフランス語の授業を組み合わせた2〜4週間ほどのプログラムです。
分野は持続可能な開発・人工知能・海洋科学などの理系のほか、料理(ガストロノミー)やホスピタリティもあり、英語力はB2程度が求められます。いきなり学位留学に進む前に、フランスの大学の雰囲気を知る入り口として使えます。
英語の課程の探し方と出願の流れ
英語の課程は、キャンパスフランスの専用の検索サイトで探すのが早道です。課程が決まったら、3か月以上の留学ではEtudes en Franceの手続きを経て学生ビザを申請しましょう。
キャンパスフランスの検索サイトで探す
英語で教える課程は、キャンパスフランスの検索サイト「Taught in English」で一覧にまとめられているので便利です。レベル・分野・授業料・英語で教える割合などの条件で絞り込めるので、自分に合う課程を短時間で探せます。
各課程のページには、課程名や期間、学べる分野と取れる学位、学校の場所も載っているので、比べるのに役立つでしょう。授業の一部だけが英語の課程や、夏期の短いコースも同じサイトで探せます。まずは学びたい分野と予算で絞り、候補を3〜5課程に減らしてから、学校の公式サイトで詳しい情報を確かめましょう。
3か月以上ならEtudes en Franceの手続き
フランスに3か月以上留学する人は、学生ビザを申請する前に「Etudes en France」という手続きを済ませる必要があります。キャンパスフランス日本支局は、この手続きを3か月以上の留学に義務付けていると案内しています。
この手続きは、フランスの高等教育機関に出願する場合と、長期の学生ビザを申請するすべての場合に必要です。英語の課程でも同じなので、課程を選ぶ段階から日本支局の案内を確かめておきましょう。2026年10月1日からは、Etudes en Franceのサイトが新しくなりました。
入学条件は課程ごとのページで確かめる
英語の課程の入学条件は、課程ごとに違います。キャンパスフランスの検索サイトでは、学歴の条件、英語とフランス語の力、授業料が課程ごとに示されているので、まずここを見るのが近道です。
同じ英語の課程でも、フランス語の基礎を求めるところと、まったく求めないところがあります。出願の締め切りも学校ごとなので、候補の課程の条件を表にまとめて比べると、準備の順番も見えてくるでしょう。
フランス留学に必要な語学力の目安
必要な語学力は、英語の課程で学ぶか、フランス語の課程で学ぶかで変わります。英語の課程は課程ごとの英語力の条件を、フランス語で学部に入るなら、筆記つきのTCFかDELF B2以上の資格が必要と考えてください。
学び方 | 語学力の目安 | 確かめる先 |
|---|---|---|
英語の修士・学部 | 課程が定める英語力 | 各課程のページ |
French + | 英語B2程度 | キャンパスフランス |
フランス語の学部1年 | 筆記つきTCFかDELF B2以上 | France Éducation international |
B2は、ヨーロッパ共通の語学力の基準(CEFR)で6段階のうち上から3番目のレベルです。2026年10月時点の各機関の案内で、最新は公式サイトでご確認ください。
英語の課程は課程ごとの英語力の条件を満たす
英語の課程では、それぞれの課程が決めた英語力の条件を満たす必要があります。どの試験の何点が要るかは課程ごとに違うため、検索サイトや学校のページで確かめるのが確実です。
目安として、キャンパスフランスの短期プログラム「French +」は英語B2程度を求めています。学位の課程も同じくらいか、それ以上を求められることがあるため、出願の1年ほど前から英語の試験の準備を始めると安心です。
フランス語で学部に入るならTCFかDELF B2
フランス語で教える大学の学部1年に入るには、フランス語の力を示す必要があります。フランスの試験機関France Éducation internationalによると、EU・EEA以外の出身者が受けるのは、原則として筆記試験つきのTCFです。
ただし、DELF B2やDALF C1・C2を持っている人は、このTCFが免除されます。TCFは合否のない試験で、結果はA1〜C2のレベルで示され、どのレベルを求めるかは大学によって違います。日本から出願する人の締め切りは、キャンパスフランス日本支局の案内で早めに確かめておきましょう。
TCFの結果は2年、DELFは期限なし
TCFの結果の証明書は、発行から2年間有効です。一方、DELFとDALFの資格には有効期限がありません。
キャンパスフランスも、TCFは2年、DELF・DALFは期限なしと案内しています。出願の時期がまだ決まっていない人や、何年か先の留学を考えている人は、期限のないDELFを先に取っておくと使い回しがきいて便利です。
英語の課程の授業料と働ける時間
国立大学の授業料は、英語の課程かどうかではなく、学士か修士かで決まります。私立のビジネススクールなどは国立大学よりかなり高いので、学校の種類から予算を考えましょう。
国立大学の授業料は学位の段階で決まる
フランスの国立大学では、EU以外の学生の授業料は2026-2027年度で学士が年2,902ユーロ、修士が年3,950ユーロです。キャンパスフランスは、授業料を学位の段階と国籍、学校の種類で示しており、教える言語で分けていません。
学校によっては、個別の事情に応じて、申請すれば授業料を免除してもらえる場合もあります。免除の規則は2026年5月に改正されたので、条件は各学校で確かめてください。実際の授業料は、検索サイトの課程ごとの表示でも確認しましょう。英語の課程でも、国立大学を選べば授業料を抑えやすいでしょう。
私立の学校は年6,000ユーロ以上が多い
私立の学校、特にビジネススクールの授業料は、国立大学よりかなり高くなります。キャンパスフランスによると、多くの場合で年およそ6,000〜18,000ユーロ以上です。
英語で教える課程は経営の分野に多いため、候補に私立のビジネススクールが入りやすくなります。出願料や入学試験の費用がかかる学校もあるので、授業料と合わせて学校の公式サイトで確かめましょう。
学生ビザで働けるのは年964時間まで
フランスの学生ビザを持つ留学生は、年964時間まで働けます。キャンパスフランスによると、これは法律で決められた年間の労働時間の60%にあたり、平均すると週21時間ほどです。
ただし、アルバイトではフランス語でのやり取りを求められることが多いと考えておきましょう。英語の課程で学ぶ人ほど、働いて生活費を補えるとは限らないので、資金は働かない前提で準備しておくと安心です。
英語で学ぶ人もフランス語は必要か
英語の課程なら授業はフランス語なしで受けられますが、暮らしの中ではフランス語ができると心強い場面が多くあります。英語そのものを伸ばしたいなら、フランスより英語圏の国を選ぶのが近道です。
暮らしの中ではフランス語があると心強い
授業が英語でも、フランス語を少しでも話せると暮らしがぐっと楽になるものです。キャンパスフランスも、フランス語を話せると地域にとけこみやすく、滞在をもっと楽しめると案内しています。
英語の課程で学びながら、フランス語の授業を取れる学校も少なくありません。出発前にあいさつや買い物で使う基本の表現だけでも覚えておくと、到着してすぐの手続きや生活の立ち上げで困りにくくなります。
英語そのものを学ぶなら英語圏が近道
英語を学ぶこと自体が目的なら、フランスより英語が公用語の国を選ぶ方が効率的です。フランスでは授業の外でフランス語を使う場面が多く、英語を使う機会は英語圏ほど多くありません。
ヨーロッパで英語を学ぶなら、イギリス・アイルランド・マルタが候補です。それぞれのビザなしで学べる期間や長く学ぶときの手続きは、ヨーロッパ留学のおすすめ国の記事で比べられます。
ワーホリならフランス語を学びながら働ける
18〜30歳なら、フランスのワーキングホリデーで暮らしながらフランス語を学ぶ方法もあります。外務省によると、2026年4月1日時点で日本とフランスのワーホリの年間の発給枠は1,800人です。
語学学校に通いながら働いて滞在費を補えるので、まずフランス語の基礎を固め、その後に大学の課程を目指す人にも向いています。申請の条件や手順はフランスのワーホリの記事で確かめられます。
よくある質問
フランスに英語で留学するときに、よく出る質問への答えをまとめました。
英語だけでフランスの大学を卒業できますか?
できます。フランスには英語で教える課程が1,500以上あり、その85%は授業がすべて英語です。ただし8割は修士レベルなので、学部から英語だけで学ぶ場合は選べる課程が限られます。
フランス語がゼロでも留学できますか?
英語の課程なら、フランス語が入学の条件になっていないものが多くあります。ただし暮らしではフランス語を使う場面が多いため、出発前に基本の表現を覚えておくと安心です。
フランスで英語とフランス語を両方伸ばせますか?
英語の課程で専門を学びながら、フランス語の授業を取る形なら両方に触れられます。キャンパスフランスの短期プログラム「French +」も、英語の専門科目と週15時間のフランス語を組み合わせた内容です。
TCFとDELFはどちらを受ければよいですか?
何年か先に使うならDELFが向いています。TCFの結果は2年で期限が切れますが、DELFとDALFには期限がありません。フランス語で学部1年に入る場合は、DELF B2以上があればTCFが免除されます。
まとめ
フランスには英語で教える課程が1,500以上あり、英語だけで学位を取ることも可能です。ただし8割は修士レベルで、学部からならフランス語の課程も比べる価値があります。フランス語で学部に入るなら、筆記つきのTCFかDELF B2以上の資格が必要です。
次にやることは、キャンパスフランスの検索サイトで学びたい分野の英語の課程を探し、入学条件の英語力を確かめることです。フランス留学の費用や出願の全体像はフランス留学完全ガイドで確かめられます。
この記事の出典
制度・料金・課程数は2026年10月28日に各公式サイトで確認しました。最新は各公式サイトでご確認ください。
- Campus France「Programs Taught in English」(2026年9月)
- Campus France「Programs Taught in English」
- Campus France「French + programs: registration is open for 2026 sessions」
- Campus France「Learning French」
- Campus France「Tuition fees in France」
- Campus France Australia「Working while studying in France」
- キャンパスフランス日本支局「Etudes en Franceの手続きとは?」
- キャンパスフランス日本支局
- Campus France「Taught in English」検索サイト
- フランス高等教育・研究省「Notice explicative(DAP 2027-2028)」
- France Éducation international「Demande d'admission préalable」
- 文部科学省「「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況」を公表します」(令和8年5月29日)
- 外務省「ワーキング・ホリデー制度」