2026年6月18日

エストニアワーホリ完全ガイド|条件・必要書類・保険・費用の全部

エストニアのワーキングホリデーを、申請できる条件から必要書類・保険・1年の費用まで一枚にまとめました。申請時点で18〜30歳、年間の発給枠はなく、ワーホリビザの申請料は無料です。資金証明の公式基準、アポスティーユが必要な書類、準備の逆算タイムライン、経験者94人の生活費データまで。2026年8月時点の情報です。

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エストニアワーホリ完全ガイド|条件・必要書類・保険・費用の全部

エストニアのワーキングホリデーは、申請の時点で18〜30歳であれば、年間の発給枠を気にせずいつでも申し込める制度です。この記事では、申請条件・資金証明の公式基準・必要書類・保険・1年の生活費までを、在日エストニア共和国大使館とエストニア外務省の公表内容にあたって整理しました。制度や金額は改定されるため、2026年8月時点の内容として読み、申請の前に公式サイトでご確認ください。

エストニアワーホリの条件を30秒で確認する

申請できるのは、申請の時点で18〜30歳・過去にこのビザを取っていない人で、年間の発給枠はなく申請料も無料です。エストニアのワーキングホリデーは、長期滞在のDビザとして申請します。条件を出典つきで一覧にしました。

項目

内容(2026年8月時点)

出典

対象年齢

申請の時点で18歳から30歳まで(両端を含む)

在日エストニア共和国大使館

滞在できる期間

入国予定日から12か月

在日エストニア共和国大使館

参加回数

過去にこのビザの発給を受けていないこと(1回限り)

大使館・JAWHM

年間の発給枠

制限なし

当サイト調べ

ビザの種類

長期滞在のDビザ

在日エストニア共和国大使館

申請料

無料

大使館・JAWHM

申請の方法

在日エストニア共和国大使館へ本人が出向いて提出(郵送は不可)

在日エストニア共和国大使館

審査にかかる日数

15暦日

在日エストニア共和国大使館

申請の締切

渡航予定日の少なくとも15〜20日前まで

在日エストニア共和国大使館

資金の基準

1日70ユーロ(月2,100ユーロ)

エストニア外務省

保険

滞在期間を通じて有効な医療保険・入院保険(補償額の下限は示されていない)

大使館・外務省・JAWHM

出典は在日エストニア共和国大使館のワーキングホリデービザ案内エストニア外務省の長期Dビザ申請ページJAWHM(日本ワーキング・ホリデー協会)の3つです。通貨・時差・飛行時間・主要都市といった国の基本データは、エストニアの基本データに分けてまとめてあります。

年齢は「申請の時点で18〜30歳」

大使館の案内には「申請の時点で18歳から30歳まで(両端を含む)」と書かれています。入国の時点ではなく申請の時点が基準になるため、31歳の誕生日が近い人は日程を逆算しておきましょう。

誕生日まで日数が少ない場合は、書類をそろえるより先に大使館へ予約の連絡を入れておくほうが安全です。予約は本人が出向く面談の枠を押さえるものなので、ここが遅れると全体が後ろにずれます。

滞在は入国予定日から12か月

滞在できる期間は、入国予定日から12か月です。ビザを取ってから入国を先延ばしにすると、そのぶん現地で過ごせる時間が短くなります。航空券の日程は、申請の前に固めておきましょう。

参加は1回限りで、大使館の案内では「過去にこのビザの発給を受けていないこと」が条件に挙げられています。カナダや韓国のように2回目の参加が認められている国とは扱いが違うため、どのタイミングで使うかは慎重に決めたいところです。この12か月は延長できません。

申請料は無料(通常のDビザは120ユーロ)

ワーキングホリデービザの申請料は無料です。エストニア外務省のページによると、通常の長期Dビザには120ユーロの手数料がかかります。2026年8月3日時点のレートで換算すると約2万2千円で、この記事の円換算は1ユーロ180円に統一しました。

同じDビザでもワーキングホリデーの区分だけは手数料がかからないという点は、費用を積み上げるときに覚えておくと役に立ちます。ただし手数料の扱いは変わることがあるため、申請の直前に大使館の案内でご確認ください。

必要なお金はいくらか

エストニアが公表している資金の基準は1日70ユーロ、月に直すと2,100ユーロです。ワーキングホリデー専用の行は用意されておらず、「その他すべての申請者」の区分がこれにあたります。円換算は2026年8月3日時点のレート(1ユーロ180円)で計算しているため、為替が動けば必要な円の金額も変わる点にご注意ください。

資金証明の公式基準

エストニア外務省は、長期Dビザの申請者に求める資金を、滞在の目的ごとに公表しています。2026年8月時点の内容は次のとおりです。

滞在の目的

申請者に求められる資金

学業

月880ユーロ

博士課程

月880ユーロ

短期就労

一時金1,320ユーロ

スタートアップ企業での短期就労

一時金880ユーロ

季節労働

一時金880ユーロ

スタートアップ事業

月880ユーロ

テレワーク(デジタルノマドビザ)

1日132ユーロ(月3,960ユーロ)

その他すべての申請者

1日70ユーロ(月2,100ユーロ)

この表にワーキングホリデーという行はありません。該当するのは「その他すべての申請者」で、1日70ユーロ、月に直すと2,100ユーロ(約37万8千円)になります。

単純に3か月分なら6,300ユーロ(約113万4千円)という計算です。ただし何か月分を示すべきかまでは公表されていないため、申請の前に大使館へ確認しておくと安心です。

資金の基準は改定されることがあります。最新の金額は、上に挙げたエストニア外務省の長期Dビザ申請ページでご確認ください。

求められるのは残高ではなく「直前3か月の収入」

外務省のページは、資金の証明として「申請の直前3か月の収入について、金額・規則性・収入源がわかる資料」を挙げています。つまり、通帳の残高を一度見せれば済むという性質のものではありません。給与明細や振込の履歴のように、収入が続いていることがわかる資料を用意する形になります。

アルバイトや業務委託で収入が月ごとに動く人は、3か月分を並べたときに説明できるよう、内訳を整理しておくとよいでしょう。貯金だけで渡航資金をまかなう予定なら、どの資料で代えられるかを大使館に問い合わせておくと確実です。ここは公表されている情報だけでは判断しきれない部分なので、早めに聞いてしまうほうが結果的に速く進みます。

申請の進め方と必要書類

エストニアのワーキングホリデービザは、在日エストニア共和国大使館へ本人が出向いて申請します。予約はメールで申し込み、当日は指紋10本の採取を受けましょう。審査にかかる日数は15暦日、申請の締切は渡航予定日の少なくとも15〜20日前までです。

申請の流れ

手続きは次の順で進みます。オンラインの申請書だけで完結せず、面談の予約と本人の来館が要るところが、ほかの国と違う点です。

  1. オンラインで申請書を記入し、印刷して用意する
  2. 大使館の領事部へメールで面談の予約を申し込む
  3. 予約した日時に本人が出向き、書類の提出と指紋10本の採取を受ける
  4. 15暦日の審査を待ち、ビザの発給を受ける
  5. 入国予定日に合わせて渡航し、現地での生活を立ち上げる

郵送での申請はできません。地方に住んでいる人にとっては、来館そのものが日程の制約になります。面談の予約が取れた時点で、移動と宿泊の手配まで決めてしまいましょう。

必要書類チェックリスト

大使館が挙げている書類は10点あります。見落としやすい要件を右の列に添えました。

#

書類

押さえておきたい点

1

パスポート

過去10年以内に発行・査証欄が2ページ以上・ビザ失効後3か月以上有効

2

申請書(オンラインで記入)

記入後に印刷し、署名して持参する

3

証明写真

35×45mm・6か月以内に撮影・申請書に糊付け(ホチキス留めは不可)

4

医療保険・入院保険の証明

滞在を申請する期間の全体をカバーしていること

5

資金の証明

申請の直前3か月の収入がわかる資料

6

近親者に関する情報

大使館の指定様式で提出する

7

経歴に関する情報

大使館の指定様式で提出する

8

追加様式1

大使館の指定様式で提出する

9

渡航計画書・志望動機書

エストニアで何をして過ごすかを自分の言葉で書く

10

航空券と宿泊の予約

入国予定日が滞在期間の起点になる

書類の名称や様式は変わることがあります。提出する直前に、大使館のワーキングホリデービザ案内で最新の一覧をご確認ください。

アポスティーユと翻訳が要る書類に注意

エストニア外務省は、長期Dビザの申請に出す外国の公文書について「認証またはアポスティーユを受け、エストニア語か英語に翻訳したもの」を求めています。対象になるのは、日本の役所が発行する公文書です。

アポスティーユとは、その公文書が本物であることを国が証明する手続きのことです。日本では外務省が扱っており、書類を発行してもらう、アポスティーユを取る、さらに翻訳するという3つの工程を通ります。ここが準備の日数をいちばん読みにくくする部分なので、逆算の起点にすると、全体の計画が立てやすくなります。

大使館が公表している必要書類の一覧は上の10点で、犯罪経歴証明書のような公文書はそこに含まれていません。ただし個別の事情で、公文書の提出を求められる可能性はあります。面談の予約をメールで申し込むときに、自分の場合は追加の書類が要るかどうかも聞いておきましょう。

逆算タイムライン

渡航予定日から逆算して、いつ何を始めるかを表にしました。大使館が公表している「審査15暦日」と「渡航の15〜20日前までに申請」の2つが、動かしにくい締切になります。

渡航予定日からの逆算

やること

そこに置く理由

4〜3か月前

公文書の提出を求められるかを大使館に確認し、要るなら取得を始める

発行・アポスティーユ・翻訳の3工程で日数が読みにくい。要ると分かってから動くと間に合わない

3か月前

大使館へメールで面談の予約を申し込む

本人が出向く必要があり、枠がすぐに埋まることもある

3〜2か月前

保険を決めて加入する

公的医療保険の扱い(後述)を踏まえて期間を決める

2か月前

資金の証明をそろえる

「直前3か月」が対象なので、早く取りすぎると使えない

1.5か月前

渡航計画書・航空券・宿泊の予約を用意する

入国予定日が決まらないと他の書類も固まらない

遅くとも15〜20日前

大使館で申請する(指紋10本の採取あり)

公表されている申請の締切

申請から15暦日

審査を待つ

公表されている審査期間

この表は、そのまま準備の進行管理に使えます。予約の空き状況や書類の取得にかかる日数は人によって違うので、余裕を見て前倒しに動くと安心です。

保険はどこまで必要か

保険への加入は、申請の条件のひとつです。一方で「いくらの補償が要るのか」という金額の下限は、2026年8月時点で公式に示されていません。3つの公式な案内を確認した結果を並べます。

確認した公式ページ

保険についての記述

補償額の下限

在日エストニア共和国大使館(ワーキングホリデービザ案内)

滞在期間を通じて有効な医療保険・総合入院保険

記載なし

エストニア外務省(長期Dビザ申請ページ)

病気やけがの治療にかかる費用を支払える旅行医療保険。ビザの期間全体で有効なもの

記載なし

JAWHM(日本ワーキング・ホリデー協会)

有効な医療保険および入院保険に加入

記載なし

金額が示されていない以上、特定の補償額を満たせば通ると考えて選ぶのは、根拠のない前提に乗ることになります。実務としては、次の3点を満たす保険を選び、判断に迷う点は大使館へ問い合わせるのが確かな進め方です。

  • 滞在を申請する期間の全体をカバーしていること
  • 病気やけがの治療費と入院費が補償の対象に入っていること
  • 英文の付保証明書を発行してもらえること

1つ目の「期間」は、ビザで申請する滞在期間の全体をカバーしているかという点です。3か月や6か月までしか設定できない商品もあるため、契約の前に上限を確かめておきましょう。

2つ目の「補償の範囲」は、治療費と入院費が対象に入っているかどうかを指します。大使館の案内が「医療保険および総合入院保険」と書いている以上、通院だけを想定した商品では条件を満たしにくいと考えられます。

3つ目の「英文の付保証明書」は、申請の場で提出を求められたときに困らないための備えです。加入の手続きをするときに、英文の証明書を出してもらえるかを保険会社に確かめておきましょう。

保険の要件も改定されることがあります。申し込む前に、最新の条件を在日エストニア共和国大使館の案内でご確認ください。

公的医療保険Tervisekassaに入れたら

到着後にエストニアの公的医療保険(Tervisekassa)の対象になる人は、旅行医療保険の期間を短くできます。カバーが要るのは、その公的保険が有効になるまでの期間だけです。エストニア外務省のページに、そう書かれています。

就労してこの公的医療保険の対象になった場合が、これにあたります。ただし、いつ有効になるかは働き方や就職の時期によって変わるはずです。申請の時点では滞在期間の全体をカバーする前提で見積もり、現地で公的保険に入れた段階で保険会社に相談するという順番が現実的です。

保険料は、契約する期間の長さで変わります。期間を後から短くできる可能性があると知っているだけでも、契約の内容を選ぶときの見え方は違ってきます。

1年でいくらかかるか

当サイトのデータでは、エストニアの生活費の目安は月120,000円です。そのうち家賃が70,000円を占めます。12か月なら約144万円という計算で、就労収入を見込まずに手持ちでまかなう前提の金額です。

項目

金額

出典・計算

月の生活費の目安

120,000円

当サイトデータ

うち家賃

70,000円

当サイトデータ

家賃以外(食費・光熱費・通信・交通など)

50,000円

上の2つの差

1年の生活費

約144万円

月120,000円×12か月

ここに往復の航空券と1年ぶんの医療保険が加わります。ただし、この2つは渡航の時期・補償の内容・保険会社で金額が大きく動き、公的な目安も示されていません。当サイトでは幅を示さず、次の3つを足して自分の数字を出すことをおすすめします。

  • 生活費は、上の表の年額(約144万円)を出発点にする
  • 航空券は、渡航したい月の往復運賃を実際に検索して1つ取る
  • 保険は、滞在期間をカバーする商品で見積もりを1つ取る

現地で働けば、この一部は収入でまかなえます。ただしエストニアの最低賃金は月給886ユーロ(時給に直すと約5.31ユーロ)です。

2026年8月3日時点のレート(1ユーロ180円)で換算すると、月約16万円、時給は約960円という水準になります。賃金の額は年ごとに改定されるため、渡航前に最新額を公式情報でご確認ください。

物価と家賃の目安

生活費のうちいちばん大きいのが家賃で、月12万円のうち7万円を占めます。総額を左右するのは、家賃をどこまで抑えられるかです。品目ごとの単価は当サイトでは持っていないため、金額の断定は避けます。

都市による差もはっきりしています。首都タリンは求人と英語環境が集中する一方で家賃が高く、第2の都市タルトゥはタリンより物価が安いというのが当サイトの整理です。滞在先は、仕事の見つけやすさと家賃のどちらを優先するかで選ぶことになります。

渡航の前に現地の賃貸情報を実際に見ておくと、感覚がつかめます。家賃の相場を自分の目で確かめておけば、上の目安が自分の場合はどちらに振れるかも読めるようになるはずです。

日本からのワーホリ経験者と比べると

日本からワーホリに行った人全体と比べると、エストニアの生活費は低い水準にあります。当サイトの経験者94人の実態調査では、月の生活費の中央値が18.0万円でした。生活費は金額の回答があった88人、満足度などの評価は94人全員を集計対象にしています。

月の生活費の中央値

フィリピン

10.5万円

ドイツ

11.5万円

韓国

12.3万円

カナダ

15.5万円

イギリス

16.8万円

ニュージーランド

17.0万円

アイルランド

17.6万円

オーストラリア

18.2万円

アメリカ

26.9万円

全体の中央値(n=88)

18.0万円

エストニアの月12万円は、全体の中央値18.0万円のおよそ3分の2にあたります。実データのあるヨーロッパの国では、ドイツ(11.5万円)とほぼ同じ水準です。「物価が手ごろ」という印象を、数字で確かめられました。

同じ調査では、総合満足度の平均が★4.4、「また行きたい」と答えた人が96%となっています(n=94)。一方で、大変だったこととして「お金・費用のやりくり」を挙げた人も43%いました。目安の金額をそのまま信じきらず、余裕を見て準備するほうが安全です。

費用の全体像をほかの国と見比べたいときは、ワーホリ1年費用の内訳もあわせてご覧ください。

結局いくら持っていけばよいか

公式の資金基準と生活費の実額は、役割が違います。前者は「入国後すぐに困らないことを書類で示すための基準」で、後者は「1年を過ごすのに実際に出ていくお金」です。

渡航時に手元に置いておきたいのは、次の3つを足した金額になります。

  • 申請で示す資金(3か月分なら約113万4千円。最初の生活費にあたる)
  • 住居の初期費用(敷金や仲介手数料にあたるもの)
  • 帰国用の航空券代

現地の収入をあてにしすぎないことが大事です。最初の数か月を働かなくても回せる状態にしておけば、仕事選びで妥協せずに済みます。

暮らしと仕事

エストニアで暮らす利点は、行政手続きがオンラインで完結することと、英語が比較的よく通じることの2つです。一方で仕事は首都タリンに集中し、冬は日照時間が短くなります。ここからは、実際に1年を過ごすときの環境を見ていきましょう。

電子国家エストニアで暮らす

エストニアは人口の少ない小国でありながら、行政手続きの多くがオンラインで完結する国として知られています。税の申告や本人確認をはじめ、暮らしに関わる手続きの多くがデジタルで動いています。それを生活者として体験できるのは、他のワーホリ先にない特徴です。

よく混同されるのがe-Residency(電子居住者)制度です。これは非居住者に発行されるデジタルIDで、主に法人設立や契約などのビジネス目的に使われます。

エストニアに滞在して働けるワーキングホリデービザとは、まったく別の制度です。渡航の準備としてe-Residencyを取っても、入国や就労の資格にはなりません。

渡航後にやる手続き

行政手続きの多くがオンラインで完結する国でも、渡航後に自分で進める部分は残ります。代表的なのが居住地の登録と銀行口座の開設です。居住地の登録は地方自治体の窓口が入口で、登録がデジタルIDと結び付くと、その後の手続きをオンラインで進めやすくなります。

生活と就労には銀行口座もあると便利です。現地の銀行で開く場合はパスポート・住所の証明・在留資格の証明などを求められることが多く、必要書類は金融機関によって変わります。どちらの手続きも要件が改定されることがあるため、到着後に自治体や銀行の最新の案内でご確認ください。

3つの都市の違い

滞在先としてよく挙がる3都市を比べます。求人と英語環境は、タリンに集中しているのが実情です。

都市

特徴

向いている人

タリン(首都)

世界遺産の旧市街とIT企業の集積が同居する。求人と英語環境が集中している

働きながら暮らしたい人

タルトゥ

1632年創設のタルトゥ大学がある学術都市。タリンより家賃が安く落ち着いている

じっくり学びたい人

パルヌ

バルト海に面した保養地。夏は観光でにぎわい、冬は静かになる

夏の数か月を過ごしたい人

同じバルト3国のリトアニア・ラトビアとも迷っているなら、2本のガイドが参考になります。リトアニア完全ガイドラトビア完全ガイドを読み比べると、国選びの軸が定まるはずです。

エストニアはEU・シェンゲン圏に属しているため、域内の移動は基本的にパスポートチェックなしで行えます。リトアニアやラトビアへはバスや鉄道で、フィンランドのヘルシンキへはフェリーでたどり着けます。週末に近隣を回れるのは、この位置ならではの過ごし方です。

英語で生活できるか

公用語はエストニア語で、フィンランド語と同じウラル語族に属する言語です。習得の難度は高い一方、若い世代やIT・ビジネスの現場では英語が広く使われており、タリンなら日常の多くの場面を英語でこなせます。役所の一部の手続きや地方都市では、エストニア語やロシア語が必要になる場面も残るでしょう。

とはいえ、語学の壁を甘く見ないほうがよいという材料もあります。当サイトの実態調査では、ワーホリで大変だったことの1位が「英語・語学の壁」で、94人中70%が挙げていました。

出発前に英語の基礎を固めておくと、住まい探しや仕事探しの初速が変わります。具体的な進め方は語学学校なしで英語を伸ばす方法にまとめました。

気候と季節

夏と冬の差が大きい気候です。当サイトのデータでもベストシーズンは夏(6〜8月)とされており、この時期は日が長く、白夜に近い明るい夜が続きます。冬は寒さが厳しく日照時間も短くなるため、防寒の装備と過ごし方の準備をしておきましょう。

渡航の時期を選べるなら、生活の立ち上げが夏に重なるように計画すると負担が軽くなります。年間の発給枠がないので、時期を自分の都合で決められるのはエストニアの利点です。

仕事の探し方

求人の多くは首都タリンに集まります。英語が使えるIT・テクノロジー関連の職場、観光・飲食・ホスピタリティ系の仕事が主な選択肢になりやすいところです。地方都市では求人の数が限られるため、就労を重視するならタリンを拠点にするほうが現実的でしょう。

賃金の水準は前述のとおり最低賃金で月給886ユーロです。就労収入だけで生活費を全部まかなうのは、難しい場合があります。当面の生活費を手持ちで確保したうえで現地の仕事を探す計画にしておくと、選択肢を焦らずに選べます。

向いている人・向いていない人

分かれ目は「稼ぐことを主目的にするかどうか」と「冬の暗さに耐えられるかどうか」の2つです。ここまでの内容をもとに、当てはまる側を確かめてみてください。

向いているのは、次のような人です。

  • 電子国家の仕組みを生活者として体験してみたい人
  • IT・スタートアップの環境に関心がある人
  • 費用を抑えてEU圏に1年滞在したい人
  • 「稼ぐ」より「学ぶ・暮らす・旅する」を主目的にできる人
  • 発給枠を気にせず自分の都合で時期を決めたい人

慎重に検討したほうがよいのは、次のような人です。

  • 働いて高い収入を得ることを主目的にしたい人
  • 冬の寒さと日照時間の短さが苦手な人
  • 求人の選択肢の多さを重視する人
  • 現地語だけで生活したい人(エストニア語は難度が高い)
  • 首都以外での就労機会が必要な人

両方に当てはまる人もいるでしょう。その場合は、1年の目的を「収入」に置くか「経験」に置くかで分けて考えると整理できます。収入を軸にするなら賃金の水準が高い国から検討し、経験を軸にするならエストニアは有力な候補に入るでしょう。

冬の暗さが不安な場合は、生活の立ち上げが夏に重なる日程を選んでみてください。それだけでも負担はかなり和らぎます。

よくある質問

申請できる年齢は何歳までですか?

申請の時点で18歳から30歳まで(両端を含む)です。入国の時点ではなく申請の時点が基準になります。参加は1回限りで、過去にこのビザの発給を受けていないことが前提です(2026年8月時点・在日エストニア共和国大使館)。

資金はいくら必要ですか?

エストニア外務省が公表している基準は1日70ユーロ、月に直すと2,100ユーロです。ワーキングホリデー専用の区分はなく、「その他すべての申請者」が該当します。何か月分を示すべきかは公表されていないため、申請の前に大使館へご確認ください。

保険の補償額に決まりはありますか?

2026年8月時点では、補償額の下限は公式に示されていません。在日エストニア共和国大使館・エストニア外務省・JAWHMのいずれの案内にも金額の記載がありません。

求められているのは「滞在期間を通じて有効な医療保険・入院保険」という条件です。滞在期間の全体をカバーし、治療費と入院費が対象で、英文の証明書が出る保険を選んでおきましょう。

物価と生活費はどのくらいですか?

当サイトのデータでは月120,000円が目安で、そのうち家賃が70,000円です。1年なら約144万円という計算です。

日本国内の生活費との比較データは当サイトでは持っていないため、金額での断定は避けています。ただし、日本からワーホリに行った人全体の生活費の中央値が18.0万円(n=88)であることを踏まえると、費用を抑えやすい国だといえます。

ワーホリ後もエストニアに住めますか?

ワーキングホリデービザは更新できません。滞在を続けたい場合は、就労や就学など別の在留資格へ切り替えることになります。条件は変わりうるので、切り替えを考え始めた時点でエストニア外務省や現地の窓口の最新情報をご確認ください。

まとめ

エストニアのワーキングホリデーは、申請の時点で18〜30歳・発給枠なし・申請料無料・審査15暦日という、動き出しやすい条件がそろった制度です。準備でつまずきやすいのは、アポスティーユと翻訳が要る公文書と、直前3か月の収入を示す資金証明の2つです。この記事の逆算タイムラインを使って、渡航予定日から3〜4か月前に手を付け始めると無理がありません。

お金の面では、外務省が公表している基準は1日70ユーロ(月2,100ユーロ)です。1年の生活費は、就労収入を見込まない前提で約144万円という試算になりました。ここに航空券と保険の見積もりを足せば、自分の総額が出せます。

準備で見落とされやすいのは、次の3点です。どれも日本語の情報としてはあまり出回っていません。この記事では原典にあたって整理したので、手を動かす前の確認に使っていただけるはずです。

  • 資金の基準は1日70ユーロ(月2,100ユーロ)。ワーホリ専用の区分はない
  • 外国の公文書はアポスティーユ+エストニア語か英語への翻訳が要る
  • 保険は金額でなく「期間・補償の範囲・英文証明書」の3点で選ぶ

ここに書いた制度・金額はすべて2026年8月時点の内容で、改定されることがあります。申請の前には、在日エストニア共和国大使館とエストニア外務省の公式ページで最新の情報をご確認ください。迷ったときは、自分の状況を大使館に一度たずねてしまうのが、いちばん速い解決になります。

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