セカンドビザ・サードビザ完全ガイド|88日ルール・ファーム選び・詐欺対策まで
オーストラリアのセカンドビザ(88日)・サードビザ(179日)の取得条件を2026年最新データで解説。対象の仕事と地域、ファームジョブの時給・シーズン、悪質ファームの見分け方、カナダ・NZの延長制度まで網羅。
このページのポイント
- 1セカンドビザは指定地方エリアで88日以上、サードビザは179日以上の指定労働が条件
- 2ビザ申請料はセカンド・サードともにAU$670(約7.4万円)。2025年7月改定
- 3カジュアルファームワーカーの最低時給はAU$30.35。歩合制でも最低時給の85%以上が保証される
- 4偽造書類でビザを申請するとビザ取り消し+3年間の申請禁止。移民局は銀行入金記録と照合して検出する
- 5カナダは2025年4月から生涯2回のワーホリ参加が可能に。NZも3ヶ月の延長制度あり
オーストラリアのワーホリは、条件を満たせば最大3年間滞在できます。鍵になるのが「セカンドビザ」と「サードビザ」の制度です。ファームジョブなど指定された仕事を一定期間こなすことで、2年目・3年目のビザを申請できます。ただし、悪質なファームや偽造書類の詐欺も後を絶ちません。この記事では取得条件、対象の仕事とシーズン、信頼できるファームの探し方、そしてオーストラリア以外の延長制度まで、セカンド・サードビザに関するすべてを整理します。
セカンドビザ・サードビザで最大3年間滞在できる仕組み
ファースト→セカンド→サードの3段階延長制度
オーストラリアのワーキングホリデービザ(サブクラス417)は、1回の発給で1年間の滞在が認められます。セカンドビザを取得すればもう1年、さらにサードビザを取得すればさらに1年、合計3年間の滞在が可能です。
ビザの種類 | 滞在期間 | 条件となる指定労働 |
|---|---|---|
ファーストビザ | 1年間 | なし(通常のワーホリ申請のみ) |
セカンドビザ | さらに1年間(合計2年) | ファーストビザ期間中に88日以上 |
サードビザ | さらに1年間(合計3年) | セカンドビザ期間中に179日以上 |
延長のたびに新たなビザを申請する形になるため、セカンドビザ・サードビザそれぞれにビザ申請料が発生します。年齢制限は申請時に31歳未満であることが条件で、ファーストビザの取得年齢ではなくセカンド・サード申請時の年齢が基準になります。
ビザ申請料はAU$670で初回と同額
セカンドビザもサードビザも、申請料はファーストビザと同じAU$670(約7.4万円)です。2025年7月の改定で前年比約3%値上がりしました。ImmiAccountからオンラインで申請でき、オーストラリア国内からでも国外からでも手続き可能です。国内で申請した場合はブリッジングビザが発行され、審査中も合法的に滞在を続けられます。
2025年の制度変更と最新ルール
ワーホリビザの条件は毎年見直されています。2025年に入ってからの主な変更点を押さえておきましょう。
- 2025年4月5日 — 自然災害(洪水・サイクロン等)の復旧作業について、対象となる郵便番号の範囲が拡大された
- 2025年7月 — ビザ申請料がAU$670に改定(前年のAU$650から約3%増)
- 2024年7月以降 — イギリス国籍者はセカンドビザ取得のための指定労働が免除に。これはイギリス国籍者のみの特例
セカンドビザの取得条件と対象の仕事・地域
指定労働として認められる7つの産業
セカンドビザの申請には、ファーストビザの滞在期間中に「指定された地方エリア」で「指定された種類の仕事」を88日以上行う必要があります。対象となる産業は以下の7カテゴリです。
産業 | 具体的な仕事の例 |
|---|---|
農業・畜産業 | フルーツピッキング、野菜の収穫、畜産の世話、トラクター運転 |
漁業・真珠養殖 | 漁船での作業、真珠養殖の手伝い |
林業 | 植林、伐採作業 |
鉱業 | 炭鉱・鉄鉱石の採掘関連作業 |
建設業 | 指定地方エリアでの建設現場作業 |
観光・ホスピタリティ | 北部オーストラリアまたは指定僻地でのシェフ・ツアーガイド等 |
災害復旧作業 | ブッシュファイア・洪水・サイクロンなどの復旧関連 |
すべての仕事はオーストラリアの労働法に基づいた賃金が支払われている必要があります。無給のボランティアは災害復旧作業を除きカウントされません。
対象となる「指定地方エリア」の確認方法
指定労働は「指定された地方エリア(Regional Area)」で行う必要があります。シドニー、メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、パースなどの大都市圏は対象外です。対象かどうかは、勤務先の郵便番号(Postcode)をオーストラリア移民局の公式サイトで確認できます。
人気の対象エリアはクイーンズランド州北部の農業地帯、ビクトリア州の果樹園エリア、南オーストラリア州のワイナリー地帯、タスマニア州のベリー農園地帯などです。仕事を始める前に必ず郵便番号が対象リストに含まれているか確認してください。対象外の地域で88日間働いても、セカンドビザの申請条件にはカウントされません。
88日間のカウント方法と注意点
「88日」はカレンダー日数で計算されます。フルタイムで月曜から金曜まで働いている場合、その間の土日も雇用期間中の日数としてカウントされるのが大きなポイントです。88日間を1つの雇用主のもとで連続して働く必要はなく、複数のファームや異なる産業の仕事を合算して88日に達すれば条件を満たせます。パートタイムの場合でも雇用期間中のカレンダー日数がカウントされますが、実質的に働いていない期間が長すぎると認められないケースがあるため注意が必要です。
サードビザの取得条件と179日達成の戦略
セカンドビザ期間中に179日の指定労働が必要
サードビザを申請するには、セカンドビザの期間中に179日以上の指定労働が必要です。対象となる産業と地域はセカンドビザの条件と同じですが、日数が88日から179日に倍増するため、達成のハードルは格段に上がります。179日は「1年のうち最も短い6ヶ月分のカレンダー日数」に相当し、実質的にセカンドビザの半分以上をファームジョブなどに費やす計算です。
達成のための現実的なスケジュール
179日を確実にクリアするには、セカンドビザの開始直後から計画的に動く必要があります。たとえば11月にセカンドビザをスタートし、すぐにクイーンズランド州の夏季フルーツ収穫に入れば、11月〜5月末の約180日間で条件を達成できます。繁忙期に合わせて渡航時期を調整するのが成功の鍵です。1つのファームで長期雇用を確保するか、収穫シーズンの異なる複数のファームを渡り歩くか、自分の体力と目的に合ったプランを立てましょう。
人気のファームジョブと時給・シーズン一覧
フルーツピッキングの作物別シーズンと収入
ファームジョブで最もポピュラーなのがフルーツピッキングです。オーストラリアは南半球のため、日本とは季節が逆転します。作物によって収穫時期と勤務地が異なるため、効率よく88日を達成するには収穫カレンダーを把握しておくことが大切です。
作物 | ピークシーズン | 主な産地 |
|---|---|---|
ストロベリー | 9〜11月 | クイーンズランド州、ビクトリア州 |
ブルーベリー | 10〜2月 | NSW州コフスハーバー、QLD州 |
チェリー | 11〜1月 | ビクトリア州、タスマニア州 |
マンゴー | 10〜12月 | ノーザンテリトリー、QLD州 |
バナナ | 通年 | 北クイーンズランド州 |
ぶどう(ワイン用) | 2〜4月 | 南オーストラリア州、ビクトリア州 |
柑橘類 | 5〜10月 | NSW州、南オーストラリア州 |
りんご | 2〜5月 | タスマニア州、ビクトリア州 |
2025年7月時点のカジュアルファームワーカーの最低時給はAU$30.35です。フルタイムで週5日働けば、週の手取りは税引き前で約AU$1,200(約13万円)になります。
ミートファクトリーと建設業は安定型
天候に左右されない安定した仕事を求めるなら、食肉加工工場(ミートファクトリー)や建設業が選択肢に入ります。ミートファクトリーは時給AU$28〜35で、屋内作業のため雨の日も収入が途絶えません。フルタイム雇用が多く、週40時間の安定シフトが組まれるのも魅力です。建設業は時給AU$30〜40以上と最も高時給が期待できますが、ホワイトカードと呼ばれる安全衛生証明の取得が必要になります。
時給制と歩合制の違いを理解する
ファームジョブの給与体系は「時給制」と「歩合制(ピースレート)」の2種類があります。時給制はAU$30.35以上が保証されるため収入が安定します。歩合制はピッキングした量に応じて報酬が決まり、熟練者は時給制を上回る収入を得られますが、初心者は作業スピードが遅く時給換算でAU$15〜20程度しか稼げないケースもあります。オーストラリアの法律では、歩合制であっても最低時給の85%(約AU$26)を下回ってはならないと定められています。初めてのファームジョブなら、収入が安定する時給制の仕事を選ぶのが安心です。
信頼できるファームの見つけ方と詐欺の対策
政府公式サイトと信頼できる求人プラットフォーム
ファーム探しで最も安全な方法は、オーストラリア政府が運営するHarvest Trailを利用することです。政府が管理しているため詐欺求人が掲載されるリスクが低く、農業求人に特化した信頼性の高いプラットフォームです。そのほか、SEEK(オーストラリア最大の求人サイト)やBackpacker Job Boardも定番です。Facebookグループやバックパッカーズの掲示板にも求人がありますが、情報の信頼性は玉石混交のため慎重に判断してください。
悪質ファーム・偽造書類詐欺の手口と見分け方
毎年、ワーホリメーカーを狙った詐欺被害が報告されています。代表的な手口は2つあります。
1つ目は悪質コントラクターによる搾取です。SNSや掲示板で「簡単に稼げる」と日本語で宣伝し、実際には最低賃金以下の報酬で働かせたり、給料を支払わなかったり、セカンドビザに必要な書類を発行しないケースがあります。求人情報に名前と電話番号しか載っていない、住み込みが必須、ABN(オーストラリアの企業番号)が確認できないといった特徴があれば要注意です。
2つ目は偽造書類の売買です。SNS上で約AU$800(約9万円)を支払えば、実際には働いていないファームの給与明細や雇用証明書を偽造してくれるという詐欺が横行しています。これに手を出すと、ビザの即時取り消しと3年間のオーストラリアビザ申請禁止という重い処分を受けます。移民局は給与明細と銀行口座の入金記録を照合して偽造を検出しており、ビザ取得から8ヶ月後に調査が入って発覚したケースも報告されています。
就労記録の正しい保管方法
セカンド・サードビザの申請では、就労の事実を証明する書類が求められます。以下の記録を必ず保管しておきましょう。
- 給与明細(Payslips) — 勤務時間、時給、雇用主のABNが記載されたもの
- 銀行の入出金明細 — 給与が実際に振り込まれた証拠。移民局が偽造書類と区別するために確認する
- 雇用証明書 — 雇用主から発行される就労日数・場所・仕事内容の証明書
- 納税記録 — ATO(オーストラリア税務局)のPAYGサマリー
- 職場の写真 — 実際に働いていた証拠として、職場や作業風景の写真も有効
オーストラリア以外のワーホリ延長・2回目参加制度
カナダは2025年から生涯2回のワーホリが可能に
2025年4月1日から、日本国籍者はカナダのワーキングホリデープログラムに生涯2回まで参加できるようになりました。従来は1回限りでしたが、制度改定により、すでにカナダでワーホリを経験した人も2回目に挑戦できます。1回あたりの滞在期間は最大12ヶ月で、合計24ヶ月のカナダ滞在が可能です。2回目の申請時にも18〜30歳の年齢制限が適用されるため、1回目を早めに経験しておくのが得策です。
ニュージーランドの3ヶ月延長制度
ニュージーランドでは、ワーホリ期間中に園芸業またはぶどう栽培業で3ヶ月以上の季節労働を行うと、3ヶ月間の延長ビザを申請できます。対象となるのは植物の植え付け・管理・収穫・梱包に限定され、食品加工や製造業は対象外です。延長は1回限りですが、通常の1年間と合わせて最大15ヶ月の滞在が可能になります。イギリスのYMSは最初から2年間の滞在が認められるため、延長制度を利用しなくても長期滞在できます。
まとめ
オーストラリアのセカンドビザは88日、サードビザは179日の指定労働が取得条件です。ビザ申請料はいずれもAU$670で、ImmiAccountからオンラインで申請できます。ファームジョブの最低時給はAU$30.35と高水準ですが、悪質コントラクターや偽造書類詐欺には十分な注意が必要です。Harvest Trailなどの公式プラットフォームを活用し、就労記録は給与明細・銀行明細・雇用証明書をすべて保管してください。カナダやニュージーランドにもワーホリの延長・再参加制度があるため、オーストラリア以外の選択肢も合わせて検討しましょう。
チェックリスト
0/6 完了偽造書類(給与明細・雇用証明)を使ったビザ申請は絶対にやめましょう。ビザ取り消し+3年間のオーストラリアビザ申請禁止という重い処分が下されます。
ファーム探しはオーストラリア政府運営のHarvest Trailが最も安全です。ABNの確認と、勤務先の郵便番号が指定地方エリアに含まれているかの事前チェックも忘れずに。
悪質コントラクターは「簡単に稼げる」と日本語で宣伝するケースが多く報告されています。ABNが確認できない、名前と電話番号しかない求人には応募しないでください。
就労記録(給与明細・銀行入出金明細・雇用証明書・職場の写真)はすべて保管しましょう。ビザ申請から数ヶ月後に調査が入ることもあります。