大阪大学の交換留学はいつ応募する?協定校の条件と単位・奨学金
大阪大学の学生が使える留学制度を、交換留学・短期研修・休学留学の3つに分けて比べました。協定校135校の選び方、TOEFL・GPAの基準と学内選考の時期、単位の認定と卒業への影響、JASSOやトビタテの奨学金も大学の公式情報をもとに分かります。

「大阪大学で交換留学をしてみたいけれど、何から始めればいいのだろう」。協定校はどれだけあり、成績や英語のスコアはどれくらい必要なのか、4年で卒業できるのか、不安が先に立つのは当然です。大学の案内に並ぶ制度の名前が多く、全体像をつかみにくいという迷いも重なります。
そこで本記事では、大阪大学の交換留学・短期研修・休学留学の違いと、交換留学の応募条件や募集の時期を、大学のガイドブックと学則をもとに整理しました。協定校の選び方から学内選考の流れまで順を追って分かるので、いつ何を準備すればよいかを決められるはずです。
あわせて、単位の認定と卒業の時期、費用と奨学金、選考に通らなかったときの道も同じ流れで紹介します。
大阪大学の留学は交換・短期・休学の3つから選ぶ
大阪大学の学生が在学中に海外で学ぶ方法は、協定校への交換留学、夏休みや春休みの短期研修、休学しての私費留学の3つです。授業料をどこに払うか、在学年数に数えるかが違うため、卒業の時期と予算に合わせて選びます。
留学の形 | 期間 | 学内の選考 | 授業料の払い先 | 在学年数 |
|---|---|---|---|---|
交換留学 | 1学期〜1年 | あり | 大阪大学だけ | 数える |
短期研修 | 2〜5週間 | 定員あり | 研修費を別に払う | 在学のまま |
休学留学 | 3か月以上・通算4年まで | なし | 留学先だけ | 数えない |
大阪大学の「阪大生のための海外留学ガイドブック 2026-2027」(2026年3月時点の情報)と学部学則をもとにまとめました。この記事は大阪大学から海外へ行く人向けで、海外から大阪大学に来る留学生向けの制度は扱いません。
交換留学は留学先の授業料がかからない
交換留学は、大阪大学と協定を結ぶ海外の大学で、1学期以上1年以内学ぶ制度です。大阪大学に授業料を納めれば留学先の授業料はかからず、留学した期間も在学年数に数えられます。
留学先で取った単位のうち、所属学部が認めたものは卒業に必要な単位に入れられます。一方で、協定校で学位は取れず、医学部やロースクールのような専門職を育てる課程は対象外のことが多い点に注意しましょう。大学間の交換留学では、語学コースへの留学も原則として認められていません。
短期研修は夏と春の2〜5週間が中心
短期研修は、夏休みと春休みに大学が用意する2〜5週間ほどのプログラム(10日ほどのものもあります)で、休学せずに参加できます。代表例は、イギリスのマンチェスター大学の夏季語学研修(3週間)や、ハワイ大学マノア校の春季語学研修(5週間)、オンラインの英語研修です。
定員はおおむね8〜15人で、夏の研修は4月上旬、春の研修は10月上旬ごろに募集が始まります。2026年10月時点では春の研修を募集中で、締切は11月中旬の予定です。人間科学部も、夏の3週間のプログラムに参加してから1年の交換留学に挑戦できると案内していて、交換留学の前の足がかりにもなるでしょう。
休学留学は協定校以外も選べるが卒業が延びる
協定校以外の大学や語学学校で学びたいなら、休学して私費で留学するのが選択肢です。休学中は大阪大学の授業料が月割で免除されますが、学期の途中から休学すると免除されない場合があります。また、休学した期間は在学年数に数えられないため、そのぶん卒業が延びます。
留学先で取った単位は原則として認められず、学部によって承認する場合があるだけです。休学できる期間は通算4年まで(医学部医学科・歯学部・薬学部は6年)で、休学の手続きは所属学部の教務係で行います。休学して行くワーキングホリデーも含めた考え方は、ワーホリで休学するときの手続きでまとめています。制度の最新の内容は、所属学部の教務係でご確認ください。
大阪大学の交換留学は協定校135校から選ぶ
大阪大学の交換留学は、大学間の学生交流協定校135校(2026年1月現在)と、学部ごとの部局間協定校から選びます。英語で学ぶならTOEFL iBT 79かIELTS 6.0以上が大阪大学の基準で、成績はGPA3.0以上が目安です。
大学間協定は全学部から応募できる
大学間協定は大阪大学として結んだ協定で、正規の学生なら学部や研究科を問わず応募できます。大学の案内によると、学生交流協定校は2026年1月現在で135校あり、アジアが63校、ヨーロッパが46校、北米・中南米が19校、オセアニアが5校、アフリカ・中近東が2校です。
大学のサイトには「大学間交流協定160件」という数字もありますが、これは研究の交流なども含む協定の件数で、交換留学に応募できる大学の数とは別です。協定校ごとの募集人数や語学の条件は、ガイドブックの一覧で確かめられます。
部局間協定は自分の学部の協定校だけが対象
部局間協定は、学部や研究科が独自に結んだ協定で、その学部・研究科の学生だけが応募できます。募集の時期と方法は大学間協定と違うため、所属学部の教務係で確かめましょう。
たとえば文学部は13校と部局間協定を結んでいて、2027年に派遣する本募集を2026年8月に行い、次の追加募集を2026年12月に予定しています。経済学部は学部サイトの表記で14校、人間科学部はスウェーデンのリンネ大学など数校と、協定校の数も行き先も学部ごとにさまざまです。
英語の授業ならTOEFL iBT 79が基準
留学先で英語の授業を受けるなら、協定校の基準に加えて、TOEFL iBT 79かIELTS(アカデミック・モジュール)6.0という大阪大学の基準も満たす必要があります。協定校の基準がこれより高ければ、応募の時点でそのスコアが求められます。
大学などの団体受験で使われるTOEFL ITPは、原則として応募に使えません。英語以外の言語で学ぶ場合は、協定校が定めるスコアか、定めがなければ語学の教員の証明書で応募できます。語学の条件は募集ごとに変わることがあるため、最新は大学の募集要項でご確認ください。
GPA3.0以上で選べる協定校が増える
成績は、協定校が定めるGPAの基準を満たす必要があり、ガイドブックは「GPA3.0以上」を勧めています。3.0以上あれば応募できる協定校が増え、成績の基準がある大学では、大阪大学への申請時と協定校への申請時の両方で満たさなければなりません。
大学は、留学向けの奨学金を受けるにも入学時から応募直前までのGPAが3.0以上あることが望ましいとしています。1年生のうちの成績も選考に関わるため、留学を考え始めた時点から成績を意識して学ぶことが大切です。
募集枠が最も大きいのはカリフォルニア大学
2025年9月の募集では、カリフォルニア大学の30人が最も大きな枠で、次いでエジプトのアレキサンドリア大学が11人、韓国の釜山大学校とオーストラリアのモナシュ大学が各10人、オランダのデルフト工科大学が8人でした。多くの大学は1〜5人で、募集がない年の大学もあります。
ガイドブックによると、英語圏では語学と成績の条件が比較的やさしい北欧と北米の大学が特に人気です。第1希望以外に決まることも十分あるため、第2・第3希望も同じ観点で慎重に選びましょう。募集枠は毎年変わるので、最新は大学の募集要項でご確認ください。
交換留学は出発の約1年前に学内選考がある
大学間の交換留学は、出発のおよそ1年前に学内選考へ応募し、内定したら半年前ごろに協定校へ出願する流れです。募集は本募集と追加募集の年2回で、締切は学部ごとに違うため、所属の教務係で確かめます。
大学間は本募集と追加募集の年2回
大学間の交換留学の募集は、翌年度7月から1年間に出発する人向けの本募集と、翌年1〜6月に出発する人向けの追加募集の年2回です。大学の案内では、選考から出発までは次の順に進みます。
- 留学開始の約1年前に学内選考へ応募
- 書類審査と、必要に応じて面接
- 内定後、約半年前に協定校へ出願
- 約2か月前までに留学が正式に決まる
面接は、募集人数を上回る応募があった協定校で必要に応じて行われます。応募したあとに留学期間や希望の大学を変えることは原則できないため、出す前に半年か1年かを決めておきましょう。
次の大学間の募集は2027年3月頃の見込み
2027年7月から2028年6月に出発する大学間の本募集は、2026年6月に告知され、9月に締め切られました。学内選考の結果は2026年12月下旬に知らされる予定です。
次の大学間の募集は、2028年1〜6月に出発する人向けの追加募集で、前年の実績では3月下旬から4月上旬に始まっていて、2027年も3月下旬〜4月上旬頃の見込みですが、日程はまだ発表されていません。説明会は、新入生向けの海外留学オリエンテーションが毎年4月頃、大学間交換留学のオリエンテーションが6〜7月頃に開かれます。最新の日程は大学の国際教育交流センターのお知らせでご確認ください。
3年生の秋から1年行く人が最も多い
交換留学で最も多いのは、2年生で応募し、3年生の秋から1年間留学する形です。ガイドブックは、この場合は就職活動と重なる可能性が高いとしたうえで、2年生での留学も制度上はできるとしています。
ただし学部によって始められる時期が決まっていて、外国語学部の交換留学は3年次の春〜夏学期以降です。短期研修は1〜2年生の参加が多いため、1年生のうちに短期研修や語学の準備を始めておけば、2年生で交換留学に応募するときに慌てずに済みます。
交換留学しても4年で卒業できるかは学部しだい
交換留学した期間は在学年数に数えられるため、制度の上では4年で卒業できますが、大学自身が「交換留学をして1年間留年する人は多い」とも説明しています。単位の認定は60単位が上限で学部が審査するので、応募する前に教務係と卒業の計画をすり合わせましょう。
留学した期間は在学年数に数えられる
大阪大学の学部学則では、学部長の許可を受けて外国の大学に留学した期間は、卒業に必要な在学年数に数えられます。交換留学では休学できず、身分は「留学」になるため、留年せずに卒業することも制度上はできます。
一方でガイドブックは、交換留学で1年留年する人は多いとも書いていて、学期の途中から日本の授業を受けることは原則できません。就職活動や大学院の入試を含めて何を優先するかを決め、指導教員と教務係に早めに相談しておくと安心です。
単位の認定は60単位が上限で学部が審査する
留学先で取った単位は、国内の他大学や入学前に取った単位と合わせて60単位を上限に、卒業に必要な単位へ入れられます。大学設置基準と大阪大学の学部学則に定められた上限で、どの科目を何単位認めるかの判断は所属学部の審査です。
人間科学部は、留学しても4年で卒業することは問題ないとし、留学先で取った単位を卒業単位として認めてもらうよう申請できると案内しています。経済学部も、卒業が遅れないよう配慮していると書いています。協定校で受ける授業を選ぶときは、日本で必要な単位とのつながりを教務係に確かめておきましょう。
外国語学部は3年次以降で卒業は3月か9月
外国語学部は独自の決まりが多く、交換留学に行けるのは3年次の春〜夏学期以降で、期間は1年以内です。卒業できる月は3月と9月だけで、卒業には3〜4年次に「在学」か「留学」の状態を合わせて2年以上持つ必要があります。
私費留学の場合、1〜2年次に始めるなら休学になり、3〜4年次に協定校へ行くなら「留学」か「休学」を選ぶ形です。ただし「留学」を選ぶと、留学先の授業料と大阪大学の授業料を二重に払う可能性があります。準協定校で取った単位も認定の対象になるため、詳しくは専攻の教員と学部の教務係でご確認ください。
大阪大学の交換留学の費用と使える奨学金
交換留学では留学先の授業料はかかりませんが、大阪大学の授業料は払い続け、渡航費や住まい・生活費は自分で用意します。JASSOの奨学金(月8万〜12万円)や大阪大学の交換留学奨学金(月6万円)などが、その一部を補う手段です。
授業料は大阪大学に年53万5,800円を納める
交換留学中も、大阪大学の学部の授業料(年53万5,800円、前期と後期に26万7,900円ずつ)を納めます。そのかわり、授業料の高い国の大学でも、留学先に授業料を払う必要はありません。授業料は改定されることがあるため、最新は大学の公式サイトでご確認ください。
ほかに、ビザの申請費、保険料、渡航費、引っ越しの費用がかかり、生活費は物価と寮の有無で大きく変わります。交換留学では、治療・救援費用1億円以上で、賠償責任の補償が付いた海外旅行傷害保険に入ってから出発するよう求められる点にも注意が必要です。
JASSOの奨学金は月8万〜12万円
大阪大学では、3か月以上1年以内の交換留学に内定した学生のうち、日本国籍か永住許可を持つ人がJASSOの海外留学支援制度(協定派遣)に申請でき、2026年度は派遣先の地域によって月8万・9万・11万・12万円が支給されます。経済的な理由で自費だけでの参加が難しいと大学が認めることが条件で、家計の基準を満たせば渡航支援金16万円の対象です。
大阪大学交換留学奨学金は月6万円(年72万円まで)で国籍を問わず、どちらを割り当てるかは大学が決めます。2026年1〜3月に留学を始める人向けの大学の募集要項には、参考として2024年度にJASSOが48人、大阪大学の奨学金が4人採用されたと書かれています。民間の財団の奨学金も学内の掲示板KOANの「海外留学」で案内されるので、最新は大学の留学助成制度のページでご確認ください。
短期研修は3週間で約14万〜70万円
大学の短期研修は、行き先と形式で費用が大きく違います。大学の案内にある前回実施時の目安は次のとおりです。
- オンライン英語研修(3週間)約14万円
- フィリピンでの研修(2〜3週間)約22万円
- ブルネイ・フィリピンの英語研修 約30万円
- マンチェスター大学(3週間)約70万円
- ハワイ大学マノア校(5週間)約110万円
費用は原則として参加者が払い、プログラムによっては一部の助成を受けられる場合があります。費用は実施のたびに変わるため、最新は募集要項でご確認ください。
トビタテ第19期は2026年10月に募集開始
国の「トビタテ!留学JAPAN」で大学生などを対象とする第19期は、2026年10月1日に募集が始まりました。大学から機構への申請は2027年2月25日までで、学内の締切はそれより前になるため、KOANで確かめておきましょう。
対象は2027年8月1日から2028年3月31日に始まる28日以上1年以内の留学で、募集は250人です。月12万円か16万円(留学先による。家計基準を超える場合は月6万円)の奨学金と、留学準備金、授業料30万円が支給されます。制度の詳細と最新の条件は、文部科学省とトビタテの公式サイトでご確認ください。
よくある質問
大阪大学の留学について、よく出る4つの質問への答えです。
交換留学中にアルバイトはできますか?
原則としてできません。ガイドブックは、交換留学中のアルバイトとインターンシップを原則不可としています。留学中のお金は出発前に用意し、足りない分は奨学金で補う計画を立てましょう。
海外へ行く前に大学への届け出は必要ですか?
必要です。大阪大学では、交換留学・研修・休学留学・旅行など、公私を問わず海外へ行く学生は海外渡航届システムに登録します。交換留学では危機管理サービスOSSMAへの加入も必須で、3か月以上滞在するなら現地の日本大使館・総領事館への在留届(オンラインで出せます)、3か月未満ならたびレジへの登録も行います。
語学学校への交換留学はできますか?
大学間の交換留学では、語学コースへの留学は原則として認められていません。語学を集中して学びたいなら、大学の短期研修に参加するか、休学して私費で語学学校に通う方法があります。語学学校を国や費用から比べるなら、語学学校の一覧が便利です。
学内選考に通らなかったら留学できませんか?
いいえ。大学間の募集は年2回あり、所属学部の部局間協定や、夏・春の短期研修もあります。次の募集に応募できるかと条件は、所属学部の教務係で確かめましょう。休学すれば、協定校以外の大学や語学学校に私費で留学したり、ワーキングホリデーに行ったりすることもできます。ワーホリは2026年4月時点で32か国・地域と協定があり、申請できるのは原則18〜30歳(国によっては原則25歳まで)です。最新は外務省の公式サイトでご確認ください。
まとめ
大阪大学の留学は、交換留学・短期研修・休学留学の3つから選べます。交換留学は協定校135校などから選び、英語で学ぶならTOEFL iBT 79かIELTS 6.0、成績はGPA3.0以上が目安で、出発の約1年前に学内選考があります。留学先の授業料はかからず、JASSOなどの奨学金も使える制度です。
まずは所属学部の教務係で単位と卒業の扱いを確かめ、語学スコアの準備から始めましょう。ほかの大学の制度と比べたいときは、留学できる大学の選び方が参考になります。