ワーホリで休職・休学はできる?会社と大学を辞めずに行く方法
ワーホリのために会社を休職・大学を休学できるのかを、手続きの側から整理しました。就業規則のどこを見るか、上司にどう切り出すか、断られたときの選択肢、そして休職中も発生し続ける社会保険料と住民税まで。実際に1年休職して渡航した方の声も紹介します。

ワーホリには行きたいけれど、今の会社や大学を手放す覚悟まではまだできていない。そんな状態で手が止まっている方は少なくありません。世の中にある休職の解説は企業側の実務を説明したものが中心で、働く側が何から動けばいいのかまでは書かれていないからです。
先にお伝えすると、辞めずに行ける可能性はあります。ただし大学の休学と会社の休職では事情がまるで違い、休職は制度があるかどうかを自分で調べるところから始まります。
この記事では、就業規則のどこを見るか、誰にどう切り出すか、そして休職中も払い続けることになるお金までを順番に整理しました。読み終えるころには、上司や大学の窓口に相談しに行ける状態になっているはずです。
ワーホリで会社や大学を辞めずに行けるか
結論からお伝えすると、辞めずに行ける可能性はあります。ただし会社と大学では事情がまるで違うのです。以下は2026年7月時点の一般的な取り扱いです。
大学の休学は制度としてほぼ確実に用意されているのに対し、会社の休職は制度があるかどうかから調べる必要があります。まずはこの違いを押さえてください。
休職が使えるかは会社の制度次第
休職は、法律で企業に義務づけられた制度ではありません。育児休業や介護休業のように法律で定められたものとは違い、自己都合の長期休職を認めるかどうかは各社の判断にゆだねられています。
そのため、まず調べるべきは自分の会社の就業規則です。企業によっては、一定年数の勤務を条件に長期休暇を取得できるサバティカル休暇という仕組みや、留学・語学習得を目的とした休職制度を設けているところもあります。
制度がない場合でも、上司や人事への相談で個別に認められることはあります。ただし前例のない会社ほど交渉のハードルは上がるため、断られた場合にどうするかまで考えてから動くのが安全です。
大学には休学制度が整っている
大学の場合は状況がかなり違います。多くの大学が学則で休学制度を定めており、所定の手続きを踏めば認められるのが一般的です。語学留学やワーキングホリデーを休学の理由として学則に挙げている大学も見受けられます。
ただし「制度がある」ことと「いつでも自由に休める」ことは別です。申請の締切、休学中の在籍料の有無、休学できる期間の上限は大学ごとに決まっています。締切を過ぎると、次の学期まで待たなければなりません。
手続きの詳細は本記事の後半で扱います。まずは自分の大学の学生便覧か履修要項を開いて、休学の項目を探してみてください。
辞める場合と休む場合の違い
辞めて行くのと、休んで行くのとでは、渡航中の身分も手続きも変わります。主な違いを並べます。
比較項目 | 休職・休学して行く | 辞めて行く |
|---|---|---|
戻る場所 | 復職・復学の予定がある | 帰国後に一から探す |
社会保険(会社員の場合) | 会社の健康保険・厚生年金が継続する | 退職後・出国前は国民健康保険と国民年金へ切り替え。海外転出後は国民年金が任意加入の選択に変わる |
期間の自由度 | 復帰時期から逆算する必要がある | 自分で決められる |
失業給付 | 在職中のため対象外 | 扱いが変わるためハローワークに要確認 |
社会保険の行は会社員の場合の話です。学生の休学では会社の保険に入っていないため、保険証は家族の扶養か国民健康保険のままになります。
会社員の方が注目してほしいのは、この社会保険の行です。ここが渡航中のお金に大きく効いてくるので、後の章で詳しく見ていきましょう。
実際に休職して海外へ渡った方もいます。30歳でカナダのバンクーバーに渡った方は、決断のきっかけをこう書いていました。
“30歳の誕生日を目前に「このまま日本で一生を終えるのはもったいない」と感じ、会社を1年休職してカナダ・バンクーバーへ留学しました。
男性 30歳 カナダ・バンクーバー 11ヶ月 ★5.0 体験談を読む →
この方は学生ビザでの語学留学として渡航していますが、会社を1年休職するという選択が現実にあることを示す例です。社会人ワーホリの全体像は社会人のワーホリ完全ガイドにまとめています。
休職を認めてもらうまでの進め方
休職を切り出すとき、いきなり上司に「ワーホリに行きたいので休みたい」と伝えるのは得策ではありません。準備の順番を間違えると、感情論で終わってしまいます。
調べる、相談する、決める。この3段階で進めるのが確実です。
まず就業規則のどこを見るか
最初にやることは、自分の会社の就業規則を読むことです。社内のポータルサイトに掲載されていることが多く、見当たらなければ人事に申し出れば確認できます。理由を細かく説明する必要はありません。
見るのは次の項目です。休職の条文がなくても、長期休暇や自己啓発支援の規定に手がかりが見つかることもあるはずです。
- 休職の事由に、私傷病(仕事以外が原因のけが・病気)以外が含まれているか
- 自己都合の休職・留学休職・サバティカル休暇の規定があるか
- 休職できる期間の上限と、申請の期限
- 休職中の給与の扱い(有給か無給か)
- 社会保険料の本人負担分をどう支払うか
- 復職時のポジションについての定め
ここまで読んでおくと、相談の場で「制度としてはこの条文が使えると思うのですが」と具体的に話せます。制度の有無を尋ねるところから始めるより、話が前に進みやすくなります。
相談する順番と切り出し方
相談の順番は、直属の上司が先です。人事に先に持ち込むと、上司の頭越しに話を進めた形になり、後の交渉がやりにくくなります。
切り出し方で意識したいのは、休みたい理由ではなく戻ってからの貢献を語ることです。会社にとっての判断材料は「この人が1年抜けて、戻ってきたときに何が増えるか」だからです。英語力を業務のどこで使うのか、海外経験が自社の何に活きるのかを、1分で話せるようにしておきましょう。
あわせて、抜ける期間の引き継ぎ案も持っていくと話が早く進みます。いつからいつまで、誰に何を引き継ぐか。ここまで用意しておくと、相談が具体的な調整の話に変わります。
断られたときの選択肢
制度がない会社では、断られる可能性も十分にあります。そのときに慌てないよう、あらかじめ次の3つを考えておいてください。
選択肢 | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
時期をずらして再交渉 | 制度はあるが今は人手が足りない | 繁忙期を外す、後任が育つまで待つといった条件を足す |
有給休暇と欠勤で短期 | 1年より短くてもよい | 欠勤の扱いが査定や賞与に影響する会社もある |
退職して行く | 戻る前提を外してもよい | 社会保険や税の手続きが休職とはまったく別物になる |
退職を選ぶ場合の住民票・年金・健康保険の手続きは、専用のページにまとめています。
休職中も払い続けるお金と手続き
休職の相談をする前に、必ず押さえておきたいのがお金の話です。給与が止まっても、支払いがすべて止まるわけではありません。
ここを知らないまま渡航すると、現地で予定外の請求を受け取ることもあります。なお休職中の保険料の扱いは法令で一律に決まっているものではなく、会社の就業規則と運用によって異なります。以下は2026年7月時点の一般的な取り扱いで、詳細はお住まいの市区町村と勤務先の人事にご確認ください。
社会保険料は休職中も発生する
休職は在職したままの状態です。そのため健康保険と厚生年金の被保険者資格は続き、無給であっても本人負担分の保険料が発生するのが一般的とされています。
問題は、給与が出ないと天引きができないことです。会社がいったん立て替えて、後日まとめて請求する運用をとる企業が多いようです。
金額は標準報酬月額という、給与を等級にあてはめた金額をもとに決まります。つまり休職前の給与水準が基準になるのが一般的です。
おおよその額は自分でも見当をつけられるでしょう。毎月の給与明細の控除欄にある健康保険料と厚生年金保険料を合わせた金額が、休職中もそのままかかると考えると近い数字になります。それに休職する月数を掛ければ、渡航資金から差し引いておくべき額が出ます。
そのうえで、相談の場では次の3点を必ず確認してください。数か月分がまとめて請求されると、それだけで渡航資金が削られます。
- 休職中の給与は無給か、一部支給か
- 本人負担分の保険料をいくら、どうやって払うか
- 支払いが滞った場合にどうなるか
住民税は前年の所得にかかる
住民税は、渡航する年ではなく前年の所得に対してかかる税金です。横浜市青葉区の案内では、毎年1月1日時点で居住していた市区町村に、前年1年間の収入から求めた住民税を納めるしくみだと説明されています。
ここが見落とされやすいところです。同区の案内には「年の途中に海外転出されても転出された年度の住民税は、全額お納めいただくことになります」と明記されています。つまり、出発した年度分は働いていなくても払い切ることになります。
翌年度がどうなるかは、賦課期日である1月1日にどこに住所があるかで決まるのが一般的です。ただし実際の判定や手続きは自治体によって扱いが異なります。
出国後も納付が続く場合には、本人に代わって日本国内で納税の手続きをする納税管理人を届け出るよう求められることもあります。家族に頼むケースが多いようです。
詳しくは横浜市青葉区の案内のような、お住まいの自治体のページで必ずご確認ください。
海外転出届で変わること・変わらないこと
海外転出届で止まるのは、住民票にひもづくものだけです。休職中の健康保険と厚生年金は、転出届を出しても止まりません。
1年以上海外に滞在する場合、市区町村に海外転出届を出して住民票を抜く方法があります。ただし「転出届を出せば全部止まる」というのは誤解なのです。
項目 | 休職+海外転出届を出した場合 |
|---|---|
健康保険・厚生年金 | 会社にひもづくものなので、転出届を出しても止まらない |
国民年金 | 厚生年金に入っている間は国民年金にも入っている扱いになるため、切替や任意加入の手続きは不要 |
国民健康保険 | 会社の健康保険に入っているため、加入の対象にならない |
住民税 | 住民票にひもづくもの。翌年度の扱いは自治体に要確認(前のH3を参照) |
ここまでは休職して行く場合の話です。退職して行く場合の手続きは別物になるので、社会人ワーホリの退職タイミングと手続きをご覧ください。
相談から出発までにやること
会社・大学・役所のどこに何を出すかは、時期によって分かれます。抜けを防ぐために、相談から出発までを時系列で並べました。
時期 | 会社員がやること | 学生がやること |
|---|---|---|
6か月前 | 就業規則を確認し、休職の可否と申請期限を把握する | 学生便覧で休学の申請締切と在籍料の有無を確認する |
4〜5か月前 | 上司に相談する。無給か有給か、保険料の負担額を確認する | ゼミの指導教員に相談し、そのうえで教務課へ。奨学金の扱いも確認する |
3か月前 | 休職を正式に申請し、引き継ぎの計画を立てる | 休学願を提出する。復学後の履修計画を立てておく |
2〜3か月前 | ビザの申請準備を始める。渡航先の条件を確認する | |
1か月前 | 保険料と住民税の支払い方法を確定する。必要なら納税管理人を届け出る | 復学届の提出期限を確認し、家族に代理を頼めるようにする |
出発2週間前 | 海外転出届を出す(1年以上滞在する場合)。海外旅行保険に加入する | |
出発後 | 会社からの保険料請求に対応する | 復学の手続き時期を家族と共有しておく |
出発前の段階では、まず出発した年度の住民税をどう払うかだけ決めておけば十分です。帰国後の確定申告などの手続きはワーホリ帰国後の税金ガイドにまとめているので、戻ってきてから読んでも間に合います。
大学を休学して行く場合
大学生の場合、制度そのものは整っています。迷いどころは、いつ申請するか、いくらかかるか、そして就活にどう影響するかの3点です。
大学によって扱いが大きく変わる部分なので、ここでは何を確認すればよいかを中心に整理します。以下は2026年7月時点の一般的な取り扱いで、最終的な確認先はご自身の大学の窓口です。
申請時期と在籍料を先に調べる
休学の申請には締切があります。多くの大学では学期ごとに期限が設けられており、これを過ぎると次の学期まで休学できない大学もあります。渡航の日程を決める前に、まず締切を確認してください。
学生便覧か教務課の窓口で、次の5点を調べておきましょう。
- 休学の申請締切(学期ごとに設定されていることが多い)
- 在籍料の有無と金額
- 休学できる期間の上限
- 奨学金の休学中の扱い
- 復学届の提出期限
もうひとつ調べておきたいのが在籍料です。JASSO(日本学生支援機構)の海外留学情報サイトは、日本の大学での手続きのページで「在籍校の休学期間の授業料は減額または免除されますが、在籍料の支払いを求められる場合があります」と案内しています。
金額は大学ごとに異なるため、ここでは目安を示しません。学生便覧か教務課の窓口で、自分の大学の額を確認してください。渡航資金に直接響く部分です。
奨学金を受けている場合は、休学中の扱いが別に定められていることが多いので、あわせて確認しておきましょう。
復学と卒業時期への影響
1年休学すれば、卒業は1年後ろにずれます。JASSO も同じページで「休学期間は在籍校の修業年限に算入されないため、最短修業年数で卒業することはできません」と案内しています。
同級生より1年遅れて卒業することになる点は、あらかじめ受け止めておきたいところです。学籍の扱いは大学ごとに異なるため、在籍校にも必ず相談してください。
復学の手続きにも期限があります。休学期間が終わる前に復学届を出すのが一般的で、これを忘れると除籍(学籍が無くなること)などの扱いになる大学もあるので注意してください。渡航中に手続きが必要になることを想定して、家族に代理で動いてもらえる体制を作っておくと安心です。
相談の順番は、ゼミや研究室に所属しているなら指導教員が先です。教務課に先に出してしまうと、指導教員が後から知る形になり、復学後の関係に響くことがあります。休学願に書く理由は、渡航先で何をするつもりかを2〜3行で具体的に書けば十分です。
また、必修科目の開講が年度ごとに決まっている学部では、休学の時期によって復学後の履修計画が変わります。
就活への影響をどう考えるか
休学そのものが評価を下げるわけではありません。分かれ目になるのは、その1年で何を考えて動いたかを説明できるかどうかです。
とはいえ、1年空けることが就活で不利になるのではないかという不安は、相談のなかでもよく聞きます。
実際に大学3年で休学し、ニュージーランドへ渡った方がいます。渡航の動機は「今の自分には何もない」という焦燥感からでした。その方は帰国後の就活について、こう振り返りました。
“帰国後の就職活動では、以前のような不安はありませんでした。
男性 22歳 ニュージーランド・クイーンズタウン(およびセントラル・オタゴ地方) 8ヶ月 ★5.0 体験談を読む →
この方は続けて、どこへ行っても自分はやっていけるという自信がついたからだと書いています。この方の場合、効いたのは空いた期間の長さではなく中身のほうでした。
休学か卒業後かというタイミングの選び方や、就活スケジュールとの兼ね合いは大学生のワーホリ完全ガイドで詳しく扱っています。この記事では手続きの側に絞りました。
休むか辞めるかを決める3つの問い
制度が使えると分かったあとで、もう一度立ち止まってほしいことがあります。休職・休学が最善とは限らないという点です。
戻る場所があることは安心材料であると同時に、行動を縛る要素にもなります。両面を見てから決めましょう。
戻る場所があることの価値
休職・休学の最大の利点は、精神的な余裕です。帰国後の生活が決まっているというだけで、現地での過ごし方が変わります。
お金が減っていく不安、仕事が見つからない焦り、周囲と比べてしまう気持ち。渡航中に襲ってくるこうした感情は、帰る場所があるだけで軽くなります。挑戦しやすくなるのは、失敗しても戻れると分かっているからです。
社会人の場合は、職歴が途切れないという実務的な利点もあります。先ほどの、会社を1年休職して学生ビザで渡航した方は、社会人経験そのものが現地でも効いたと書いていました。
“むしろ社会人としての経験があると、現地の人と話す話題が豊富で、友達も作りやすいです。
男性 30歳 カナダ・バンクーバー 11ヶ月 ★5.0 体験談を読む →
年齢を理由にためらっている方には、心強い一言ではないでしょうか。
数字の上でも同じ傾向が見えます。当サイトが渡航経験者に行った実態調査(ページ表記は「更新 2026年6月」)では、渡航時の年代別の平均満足度は25〜29歳が★4.3(34件)、30〜34歳が★4.4(9件)でした。この2つの年代を比べる限りでは、年齢が上がるほど満足度が下がるという傾向は見られません。
同じ調査では、渡航中の月の生活費の中央値も年代別に出ています。25〜29歳は18.0万円、30〜34歳は15.0万円でした。休職して行く場合は、これに社会保険料の本人負担分と住民税が上乗せされると考えてください。
なお生活費は設問への回答数が満足度より少なく、この数字も目安の域を出ません。
この調査は、クラウドソーシングでのアンケート募集と当サイトへの体験談投稿で集めたもので、編集部が回答内容を確認・校正したうえで統計化しています。設問によって回答数が異なり、30〜34歳は9件と少ないため参考程度に受け止めてください。集計の全体はワーホリ・留学実態調査で公開しています。
復帰前提が足かせになる場合
一方で、戻ることが前提だと動きにくくなる場面もあります。
たとえば現地で仕事の話をもらったとき、ビザを延長できる状況になったとき、別の国へ移りたくなったとき。休職の期限が決まっていると、こうした変化に乗ることができません。復職の日程から逆算して行動する1年になります。
逆に、途中帰国を考えることになる場合もあります。体調や資金の事情で早く戻りたくなったときです。途中帰国そのものは選べる道ですが、休職・休学の期限より早く戻るときも手続きが要るので、決まった時点ですぐ会社や大学に伝えてください。
お金の面でも、休職には固有の負担があります。無給のまま社会保険料の本人負担分を払い続けることになるためです。
退職して国民健康保険に切り替えたほうが安く済むこともありますが、こちらも前年の所得で金額が変わります。出国までに国内で過ごす期間の長さでも総額が変わるので、両方を試算してから決めるのが確実です。
向いている選択 | こんな状況 |
|---|---|
休職・休学して行く | 戻る前提があると挑戦しやすい。職歴や学籍を途切れさせたくない |
辞めて行く | 現地での機会に乗りたい。今の職場に戻る気持ちが固まっていない |
そもそも今の職場に戻りたいのか。この問いから目をそらしたまま休職を選ぶと、帰国後に同じ迷いが戻ってきます。
3つの問いで自分の答えを出す
迷っている方は、次の3つに答えてみてください。書き出してみると、自分がどちらを選びたいのかが見えてきます。
- 1年後、今の職場や大学に戻っている自分を前向きに想像できるか
- 生活費に保険料と住民税を上乗せしても、渡航資金は足りるか
- 現地で予定外の機会が来たとき、それを見送っても後悔しないか
3つとも「はい」なら、休職・休学が向いているはずです。2つ目でつまずくなら資金計画の見直しから、1つ目と3つ目でつまずくなら、辞めて行く道も含めて考え直す価値があります。
どちらを選んでも間違いではありません。大事なのは、なんとなく選ばないことです。
よくある質問
最後に、休職・休学について相談されることの多い5つの疑問にお答えします。制度の取り扱いは会社・大学・自治体によって異なるため、最終的な確認は各窓口でお願いします。
ワーホリを理由に休職できますか
会社の就業規則次第です。自己都合の長期休職を認めるかどうかは法律で義務づけられておらず、各社の判断にゆだねられています。
まずは就業規則で休職の事由を確認してください。私傷病以外の休職が定められていない会社でも、上司や人事への相談で個別に認められる例はあります。ただし可否を保証できるものではないため、断られた場合の選択肢も用意して臨むのが安全です。
休職中に失業保険はもらえますか
もらえません。会社との雇用関係が続いているためです。
退職して渡航する場合の扱いは、休職とはまったく別の話になります。要件や手続きは複雑なので、退職を検討している方はハローワークの窓口でご確認ください。
休職中の年金はどうなりますか
休職中は会社に在籍しているため、厚生年金の被保険者資格が続きます。切替や任意加入の手続きは必要ありません。
退職した場合の状況 | 国民年金の扱い |
|---|---|
退職して海外転出する | 強制加入ではなくなり、任意加入するかどうかを選ぶ |
任意加入して納める | 納めた期間に応じた老齢基礎年金の対象。遺族・障害基礎年金の対象にもなる |
任意加入しても納めない | 年金額には反映されない |
これが退職の場合だと、扱いはまったく別です。日本年金機構は「海外に居住することになった方は、国民年金の強制加入被保険者ではなくなりますが、日本国籍の方であれば、国民年金に任意加入することができます」と案内しています。
同機構は、任意加入して受給要件を満たせば「保険料納付済期間に応じた老齢基礎年金を受け取ることができます」とも案内しており、海外在住期間に死亡したときや病気・けがで障害が残ったときは、遺族基礎年金や障害基礎年金の対象にもなります。ただし任意加入しても保険料を納めない場合は、年金額に反映されません。詳しくは日本年金機構の任意加入の案内をご覧ください。
休職や退職の理由は会社にどう伝えればよいですか
正直に伝えるのが基本です。語学やキャリアのためと取り繕うより、本当の動機を自分の言葉で話したほうが、結果的に納得されやすくなります。
そのうえで、会社が知りたいのは理由そのものより「いつまでに、どういう状態で戻るのか」です。不在期間の引き継ぎ案と復帰後にできることを添えれば、話は前に進みます。退職を選ぶ場合は、伝える時期そのものが手続きの日程に響くので早めに動いてください。
休学すると就職で不利になりますか
面接で問われるのは空白の有無ではなく、選んだ理由と得たものです。渡航中に困った場面と、そこで自分がとった行動を書き留めておくと、帰国後の説明が具体的になります。
まとめ
会社の休職は制度があるかどうかから調べる必要があり、大学の休学は制度はあっても申請期限と在籍料の確認が要ります。どちらも、動き出す前に調べることがはっきりしている手続きです。
そして忘れたくないのが、休職中も社会保険料と住民税の支払いは続くという点です。無給でも発生するため、渡航資金にあらかじめ組み込んでおいてください。
今日できるのは1つだけです。就業規則か学生便覧を開いて、次の項目を探してみてください。
- 休職・休学の事由に、私傷病以外の理由が含まれているか
- 休職・休学できる期間の上限と、申請の締切
- 休職中の給与の扱いと、社会保険料の本人負担分の支払い方法
- 休学中の在籍料の有無と、復学届の提出期限
ここに何が書いてあるかで、次の一手が決まります。20代後半から30歳前後で迷っている方は、20代後半のワーホリで年齢の不安を整理するページもあわせてご覧ください。