2026年10月23日

留学したい理由の例と見つけ方|志望理由書や面接で伝わる書き方

留学したい理由で多いものを、文部科学省の高校生調査やJASSOの経験者調査で紹介します。高校生・大学生・社会人の立場別の例、理由に合う留学の種類、自分の理由を言葉にする手順、志望理由書や面接、親への説明で伝わる書き方も分かります。

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留学したい理由の例と見つけ方|志望理由書や面接で伝わる書き方

「留学したい理由を聞かれても、うまく答えられない」。英語を話したいだけでは浅いと思われないか、親や面接官を納得させられるのか、不安が先に立つこともあるでしょう。気持ちはあるのに言葉にならず、ほかの人はどんな理由で留学を決めたのかも気になるはずです。

そこで本記事では、高校生や留学経験者の調査に表れた留学したい理由と、立場別の例を紹介します。自分の気持ちがどの理由に近いのかを、調査の実際の数字と比べながら確かめられるはずです。

あわせて、自分の理由を言葉にする手順と、志望理由書や面接、親への説明でそのまま使える伝え方も同じ流れで解説します。

留学したい理由で多いのは語学と交流

留学したい理由でいちばん多いのは語学力を伸ばすことで、外国の人との交流や文化に触れることが続きます。この傾向は、高校生と留学経験者のどちらの調査でも同じです。

高校生の留学したい理由

割合

語学力を向上させたい

59.2%

外国の人と友達になりたい

47.9%

外国の文化などに触れたい

44.5%

外国での生活や勉強に関心がある

39.4%

新しいことに挑戦したい

39.0%

国際関係の学問や職業に関心がある

20.1%

進路を考えるきっかけにしたい

15.5%

大学受験や就職に有利

13.8%

文部科学省が令和6年度に高校などの生徒457,936人へ行った意識調査で、「留学したい」と答えた生徒が選んだ理由です(複数回答)。「外国の文化などに触れたい」は、原文では文化・スポーツ・歴史・自然などに触れたいという選択肢です。

高校生の1位は「語学力を向上させたい」

高校生が留学したい理由の1位は、語学力の向上です。同じ調査で「最も強くあてはまるもの」を聞いても語学力の向上が1位で、外国の文化に触れたい、外国の人と友達になりたいが続きました。

語学は、多くの人にとって留学を考える自然な出発点といえます。「英語を話せるようになりたい」という気持ちは、それだけで恥ずかしい理由ではありません。

友達づくりや文化体験を挙げる人も多い

語学だけでなく、人や文化との出会いを理由にする人も多くいます。表のとおり、友達をつくりたい・文化に触れたい・新しいことに挑戦したいは、どれも留学したい高校生の4割前後が選んでいます。

行った人の実感も、これに近い結果です。Study Work Hub が2026年に留学・ワーホリ経験者94人のアンケートと体験談を集計した「ワーホリ・留学実態調査2026」では、行ってよかった点に語学力の向上71%、経験・楽しさ62%、友達・出会い46%、自己成長・自信45%が挙がりました。

経験者の理由は期間と目的で変わる

実際に留学した人の理由も、語学が最も多くなっています。JASSO(日本学生支援機構)が平成30年3月に20〜40代の留学経験者1,001人へ行ったインターネット調査では、「語学を本場で学びたかったから」が58.5%で1位でした。

2位は「海外で勉強してみたかったから」の45.0%、3位は「海外で生活してみたかったから」の42.7%です。期間によって理由は変わり、3か月未満の人では語学が61.7%と高くなります。4年以上留学した46人では「海外で学位を取りたかったから」が39.1%と、全体の7.9%より大きく上がりました。

「就職に有利」を理由に挙げる人は少ない

「就職に有利だから」を理由にする人は、思ったより少数です。表の高校生の調査でも「大学受験や就職に有利」は下位にとどまり、JASSOの経験者調査では「将来の就職に有利だから」は4.2%でした。

多くの人は、損得より「学びたい」「体験したい」という気持ちから留学を考えています。それでも選考や就活では、留学で得たものを将来どう生かすかを問われるため、理由を深めておく準備は欠かせません。

立場別に見た留学したい理由の例

留学したい理由の出発点は、高校生・大学生・社会人で変わります。高校生は好きなことや知りたいこと、大学生は短期の体験から見つける次の目標、社会人は仕事に生きる国際感覚や専門性が、理由の芯になりやすいでしょう。

高校生は好きなことを探究のきっかけにできる

高校生の留学は、好きなことや知りたいことを深めるきっかけにもできます。先に紹介した文部科学省の調査では、留学したい生徒の15.5%が「これからの進路を考えるきっかけにしたい」を選んでおり、少数派ですが大切な理由の1つです。

高校生向けのトビタテ!留学JAPANには、自分の興味から問いを立てて探究する「マイ好奇心探究」というコースもあります。好きなことや知りたいことを出発点にしてよいと分かる例で、保護者にとっても判断の材料になるはずです。

大学生は短期で試して次の目標を見つける

大学生の留学は短期が中心で、まず短く試してから次の目標を見つける人もいます。JASSOによると、2024年度に留学を始めた大学生などは91,054人で、その約3分の2は1か月未満の短期でした。

短い留学が、その後の進路を大きく変えることもあります。Study Work Hub に寄せられた体験談では、20歳のときに大学のプログラムでアメリカ・シアトルへ約3週間留学した方が、その後の歩みを次のように書いています。

私はこの海外留学をきっかけに、アメリカの大学院へ進学し、その後アメリカへ駐在し、現在はアメリカで働き、在住しています。

短期で視野を広げ、次の長期留学や進学の理由を見つけるという順番もあるのです(体験談を読む)。

社会人は国際感覚と専門性を求める

社会人の留学では、仕事に生きる国際感覚や専門性が理由の中心になります。JASSOの経験者調査のうち勤務先から派遣された58人は、「国際感覚を身につけたかったから」を34.5%、「専門の(興味のある)分野を本場で学びたかったから」を32.8%が選びました。

一方、内閣府の平成30年度の若者の意識調査を分析した一橋大学の太田浩教授は、日本では20代の半ば以降、留学したいと思わない人が増えると指摘しています。仕事を離れて行く社会人こそ、留学がキャリアにどうつながるかを言葉にしておきましょう。

留学したい理由に合う留学の種類

留学の種類は、留学したい理由から選ぶと迷いにくくなります。語学なら語学留学、学位や専門なら大学・大学院留学、海外で働く経験ならワーキングホリデーやインターンが候補です。

留学したい理由

合う留学

期間の目安

語学を伸ばしたい

語学留学

数週間から

海外の生活を体験したい

短期留学

1か月未満から

専門分野を学びたい

交換留学・専門留学

数週間〜1年

学位を取りたい

大学・大学院留学

数年

海外で働く経験を積みたい

ワーホリ・インターン

制度ごとに違う

JASSOの「はじめての留学」が挙げる主な留学のタイプを参考に、期間の目安とワーキングホリデーを当サイトで加えて整理したものです。期間や条件は国・学校・制度によって違うため、最新は各校や各国の公式サイトでご確認ください。

語学が理由なら短期の語学留学から始められる

語学を伸ばしたいなら、数週間から選べる語学留学が始めやすい選択です。JASSOの奨学金で留学した学生の自己評価を河合塾が分析した報告書(平成29年度の文部科学省委託事業)では、1か月未満の留学でも、およそ半数が発信力や異文化との交流など何らかの能力の伸びを感じていました。

とはいえ、短期では目的を一部しか果たせなかったと感じる人も少なくありません。JASSOの経験者調査では、3か月未満の人の46.1%が目的を「一部達成した」と答えています。まず短期で試し、手応えを見てから長期を考える順番が現実的です。

学位や専門が理由なら大学・大学院留学

学位を取りたい、専門分野を深く学びたいという理由なら、海外の大学や大学院への留学が合います。JASSOの経験者調査では、4年以上留学した46人のうち45.7%が、目的を「充分に達成した」と答えました。

長期の留学は、そのぶん費用も準備の期間も大きくなります。日本の大学に進まずに海外の大学を目指す道は、大学に行かずに留学する方法で詳しく整理しました。

働く経験が理由ならワーホリも選べる

海外で働く経験を積みたいなら、ワーキングホリデーも候補に入ります。外務省によると、休暇を目的に入国し、滞在資金を補うために働くことが認められる制度で、日本は32か国・地域と結んでいます(2026年4月1日現在)。

申請できる年齢は原則18〜30歳です。オーストラリア・カナダ・韓国・アイルランドは原則18〜25歳ですが、各政府が認めれば30歳まで申請できます。中国・フィリピン・アメリカは協定先に入っていないため、ワーホリでは行けません。

条件は国ごとに違うため、最新は外務省や各国の公式サイトでご確認ください。行き先の候補は、5問のワーホリ国診断で絞り込めます。

自分の留学したい理由を言葉にする手順

自分の留学したい理由は、きっかけを書き出し、「なぜ」を重ね、帰国後の使い道まで考える順に整理すると言葉になります。紙とペンさえあれば、今日からでも始められるワークです。

きっかけと気持ちをそのまま書き出す

最初は、留学したいと思ったきっかけと気持ちを、整えずにそのまま書き出してみましょう。JASSOも「はじめての留学」で、準備で最も大切なのは「なぜ留学したいのか」をよく考えることだとしています。

きっかけは人それぞれです。文部科学省の「学生の海外留学に関する調査2022」(2024年7月の同省資料に掲載)では、学生が留学に興味を持ったきっかけとして「身近な人の話を聞いた」が25.2%、「海外に行ったことがある」が22.0%挙がりました。家族の話や旅行の記憶など、小さな出来事で構いません。

「なぜ」を重ねて得たいことに変える

書き出した気持ちに「なぜ」を3回ほど重ねると、留学で得たいことが見えてきます。たとえば、次のような掘り下げ方です。

  1. 英語を話せるようになりたい
  2. なぜ→海外の人と一緒に働きたいから
  3. なぜ→旅先で話せず悔しかったから
  4. だから→英語で議論できる力をつけたい

最後の1行が、人に伝えるときの理由の芯になります。「話せるようになりたい」が「英語で議論できる力をつけたい」に変わるだけで、選ぶ学校や期間まで具体的に考えられるはずです。

帰国後にどう生かすかまで考える

理由は、帰国後にどう生かすかまで考えて初めて完成といえるでしょう。JASSOは、留学したい気持ちは本物か、自分に合う留学方法は何か、留学経験を将来どう生かすか、の3つを自分に問いかけるよう勧めています。

行った人の多くは、留学を長く役立つ経験と感じているようです。JASSOの経験者調査では91.3%が、留学経験は今後も役立つと答えました。帰国後の姿を1行で書いておけば、現地で何を優先するかも決めやすくなります。

「なんとなく」も理由を深める出発点になる

今の理由が「なんとなく」でも、理由を深める出発点として十分です。JASSOの経験者調査でも、11.4%が留学の理由に「なんとなく・留学が夢だったから」を選んでいました。

Study Work Hub の体験談でも、20歳でロサンゼルスに8か月語学留学した方は、きっかけを次のように書いています。

私がアメリカ留学を決めた理由は、漠然とした「自分を変えたい」という思いからでした。

反対に、目的を決めずにオーストラリアへワーホリに行った20歳の方は「渡航前に具体的な目標を設定するべきだったと思っております」と振り返っています(ロサンゼルスの体験談・シドニーの体験談)。きっかけは漠然としていても、出発前に目標まで深めておくかどうかが分かれ目になります。

志望理由書や面接で伝わる留学の理由の書き方

志望理由書や面接では、留学したい理由に、留学の計画と帰国後の生かし方をそろえて伝えると説得力が出ます。親への説明では、費用と不安への備えもあわせて話しましょう。

理由・計画・帰国後の3点をそろえる

伝わる留学の理由は、理由・計画・帰国後の3点がそろっています。JASSOの学部学位取得型の奨学金は「留学を志す理由・留学計画・学位取得後の進路計画」の提出を求め、トビタテ!留学JAPANも留学の目的と達成目標、成果の測り方を書かせています。

書く順番は、次の4段にすると組み立てやすくなります。

  1. 留学したいと思ったきっかけ
  2. 留学で得たいこと
  3. なぜ留学か・なぜその国か
  4. 帰国後にどう生かすか

3つ目の「なぜ日本ではなく留学なのか」は、面接でよく深掘りされる部分です。日本では得にくい環境や経験を、具体的に1つ挙げられるようにしておきましょう。

「英語を話したい」は使い道まで書く

「英語を話せるようになりたい」と書くなら、その英語を何に使うかまで書きましょう。トビタテ!留学JAPANは語学学習だけの計画を支援の対象外とし、語学は準備や補助として計画に含める形なら対象になるとしています。

たとえば「英語を話せるようになりたいです」だけでは、なぜ留学が必要なのかが伝わりません。「将来、海外の取引先と英語で交渉できるよう、現地の授業で議論に慣れたい」と書けば、目的と行動がつながります。

親には費用と不安への備えも伝える

親に留学したい理由を話すときは、気持ちだけでなく、費用と不安への備えもあわせて伝えると納得してもらいやすくなります。先に紹介した文部科学省の「学生の海外留学に関する調査2022」では、保護者が留学に出せる最大の金額は「100万円以下」が45.3%、「負担しない・できない」が19.7%でした。

文部科学省の高校生の調査でも、留学したいと思わない理由の上位は、言葉の壁(46.3%)、治安(33.5%)、現地の生活への不安(31.4%)、お金(30.4%)でした。留学先の費用の目安、使える奨学金、現地での連絡方法と安全への備えを紙にまとめてから話せば、親も一緒に考えやすくなるでしょう。

よくある質問

留学したい理由を考えている人から、よく寄せられる疑問への答えです。

留学したい理由は1つに絞るべきですか?

絞る必要はありません。文部科学省の高校生の調査も複数回答で、語学・交流・文化など理由を重ねて持つ人が多くいます。ただし志望理由書や面接では、いちばん大きな理由を1つ決めて先に伝え、ほかは補足にすると分かりやすくなります。

「英語を話したい」だけでは理由として弱いですか?

理由として弱くはありませんが、選考ではそれだけだと足りません。高校生の留学したい理由の1位は語学力の向上で、多くの人に共通する出発点です。奨学金や選考に出すときは、英語を何に使い、帰国後どう生かすかまで書き足しましょう。

留学は就活で有利になりますか?

留学しただけで有利になるとは言い切れません。JASSOの経験者調査では、留学が就職活動や進路の決定に「役立った」が61.6%だった一方、「どちらともいえない」も34.3%いました。留学で何を得て、どう話せるかが分かれ目です。

まとめ

留学したい理由で多いのは語学力の向上で、外国の人との交流や文化体験が続きます。「なんとなく」や「英語を話したい」も出発点として十分ですが、選考や親への説明では、留学の計画と帰国後の生かし方までそろえると伝わりやすくなります。

まずは紙に留学したいきっかけを書き出し、「なぜ」を3回重ねてみてください。理由が固まったら、留学・ワーホリ経験者の実態調査で費用や満足度も確かめておくと、次の準備に進みやすくなります。

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