留学用スーツケースの選び方|期間別のサイズと航空会社の決まり
留学に持って行くスーツケースの選び方を、期間ごとの容量と個数の目安でまとめました。JAL・ANA・LCCの預け荷物の重さと大きさの違い、素材やTSAロックの選び方、モバイルバッテリーなど預けられない物、荷物を送る方法も分かります。

「留学に持って行くスーツケースって、どのくらいの大きさがいいんだろう」。大きすぎて空港で追加料金を取られないか、小さすぎて荷物が入りきらないか、不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。買うべきか借りるべきか、1個にするか2個にするかという迷いも重なります。
そこで本記事では、留学の期間ごとの容量と個数の目安を1枚の表にまとめ、JAL・ANA・LCCの預け荷物の決まりと並べて比べます。航空券の条件と照らし合わせれば、自分に合う大きさを選びやすくなるはずです。
あわせて、素材やキャスターの選び方、モバイルバッテリーなど預けられない物、荷物を送る方法も同じ流れで解説します。
留学のスーツケースは期間と航空券で決める
留学のスーツケースは、滞在の長さで容量の目安をつかみ、航空券で預けられる個数と重さに収まるかで最終的に決めるのが基本です。数か月以上の留学では、容量よりも「1個23kg」という預け荷物の重さの上限が先に効いてきます。
留学の期間 | 容量の目安 | 個数の考え方 |
|---|---|---|
1〜2週間 | 80〜100リットル前後 | 1個にまとめやすい |
3〜4週間 | 100リットル前後 | 洗濯前提で1個 |
数か月〜1年 | 中くらいを2個 | 1個23kgの範囲に分ける |
この表は、スーツケースメーカーのエースとサムソナイトが公式サイトで示す容量の目安と、JAL・ANAの国際線エコノミーの預け荷物の決まりを組み合わせた例です。航空会社や運賃で条件が変わるため、最新は各社の公式サイトでご確認ください。
容量は1泊10リットルが目安
スーツケースの容量は、1泊あたり10リットルがおおよその目安です。サムソナイトがこの目安を示していて、1週間以上なら80リットル以上としています。エースも、目安といわれる数字として紹介しています。
エースの公式通販の目安では、1週間〜10日なら99リットルまで、2週間〜長期なら110リットル以上です。ただし荷物の量には個人差があるため、あくまで出発前の当たりをつける数字と考えましょう。
行きの荷物は、スーツケースの50〜60%ほどにとどめるのが理想とエースは説明しています。帰りのお土産や現地で増えた物を入れる余白を残しておくと、帰国時に慌てずにすむでしょう。
1か所に長く住む留学は洗濯前提で絞れる
留学は1か所に長く住むため、洗濯をする前提で衣類を絞れます。エースは、滞在日数が短く洗濯できない旅行では日数分を持って行く必要があると説明していて、留学はその逆の考え方ができるわけです。
そのため1か月前後の留学なら、「1泊10リットル」をそのまま当てはめて特大サイズを選ぶ必要はありません。1週間〜2週間向けの大きさを上限に、着回せる服を選ぶと荷物をまとめやすくなります。
数か月以上は1個23kgの重さが上限になる
数か月から1年の留学では、スーツケースの容量より、預けられる重さが先に限界になります。JALとANAの国際線エコノミーは、預け荷物1個の重さが23kgまでと決められているためです。
大きなスーツケースに全部詰め込むと、23kgを超えて超過料金がかかることがあります。例えば23kg超〜32kg以下の重量超過は、JALなら日本とアメリカ・ヨーロッパなどの区間で1個1万円、ANAなら1個6,000円です。荷物が多い長期の留学では、無料で預けられる個数の範囲で、中くらいのスーツケースに分けると収めやすくなります。
季節をまたぐ留学は荷物が増える
季節をまたぐ留学では、夏服と冬服の両方が必要になり、荷物が増えがちです。エースも、滞在先が夏か冬かによって荷物の量はだいぶ変わると説明しています。
コートなどかさばる冬物は、到着後に現地で買うか、必要な時期に合わせて準備する方法もあるでしょう。出発時は「最初の季節に必要な物」を中心に詰めると、重さを抑えやすくなります。
留学の預け荷物の決まりは航空会社で違う
預け荷物の重さは、JALとANAのエコノミーならどちらも1個23kgまでですが、3辺の合計の上限と無料で預けられる個数は会社と運賃で違います。LCCは運賃によって預け荷物が有料になるため、スーツケースを選ぶ前に乗る便の条件を確かめましょう。
航空会社 | 無料の個数 | 1個の重さ | 追加料金なしの大きさ |
|---|---|---|---|
JAL | 2個 | 23kgまで | 3辺203cmまで |
ANA | 運賃により0〜2個 | 23kgまで | 3辺158cmまで |
ZIPAIR | 1個目から有料 | 30kgまで | 3辺203cmまで |
Peach | 運賃で0〜1個 | 20kgが基本 | 3辺203cmまで |
ジェットスター | 運賃による | 32kgまで | 1辺1mまで |
いずれも国際線のエコノミーにあたる運賃の条件で、2026年10月時点の各社の公式サイトの情報です。Peachは「スタンダード」などの運賃なら1個無料で、20kgを超えても32kgまで、204cm以上でも超過料金を払えば預けられます。ジェットスターは荷物つきの運賃もあり、1辺1mを超えると追加料金がかかります。最新は各社の公式サイトでご確認ください。
JALとANAのエコノミーは1個23kgまで
JALとANAの国際線エコノミーでは、預け荷物1個の重さの上限はどちらも23kgです。JALは2個まで無料で預けられ、3辺の合計はキャスターと持ち手を含めて203cmまでです。
個数や大きさを超えると、1個ごとに超過料金がかかります。JALの場合、日本とアメリカ・ヨーロッパなど方面をまたぐ区間では、3個目の個数超過も203cmを超えるサイズ超過も1個2万円です。
ANAは3辺158cmまでで大型は超えやすい
ANAの国際線は、どのクラスでも3辺の合計が158cmまでで、JALより小さい上限です。エースは、110リットル以上の大型のスーツケースにはデザインによって総外寸が158cmを超えるものがあると注意しています。
ANAで158cmを超えると、292cmまではサイズ超過料金として1個2万円かかります。大型を買う前に、乗る予定の航空会社の上限と、スーツケースの外寸を見比べておきましょう。
ANAは運賃によって無料の個数が0〜2個
ANAのエコノミーで無料で預けられる個数は、運賃によって0〜2個と変わるのが特徴です。ANAは、航空券に書かれた無料の手荷物の量が適用されると案内しています。
航空券を買ったら、まず無料で預けられる個数を確かめ、それに合わせてスーツケースの数を決めましょう。他社が運航する共同運航便を含む場合は、その会社の決まりになることもあります。
LCCは運賃によって預け荷物が有料
LCCでは、運賃によって預け荷物に料金がかかります。ZIPAIRは1個目から有料で、事前購入の料金は片道1個で成田―ソウルが4,000円、成田―台北が6,000円、成田―ロサンゼルスが1万1,000円です。
Peachは「スタンダード」「スタンダードプラス」の運賃なら1個無料、ジェットスターの国際線は20〜40kgの重さの枠を5kg単位で買う仕組みです。運賃が安くても、荷物の料金を足すと大手との差が小さくなることがあるので、往復の荷物代まで含めて比べましょう。
留学向きのスーツケースを選ぶ4つの観点
留学のスーツケースは、素材・キャスター・鍵・拡張機能の4つを見て選ぶのがおすすめです。長い移動と何度もの積み下ろしに耐えるかを基準にすると、失敗を減らせます。
ハードは中身を守りソフトは軽い
中身を守りたいならハード、軽さを取りたいならソフトが向いています。エースによると、樹脂でできたハードは衝撃に強く、密閉性が高くて雨も拭き取るだけですみますが、ソフトより重めです。
ナイロンなどのソフトは軽く、外ポケットで出し入れしやすい一方、雨に弱く割れ物には向きません。JASSOの留学ガイドブックでも、海外の空港では荷物が日本より乱暴に扱われることがあるとして、割れ物をしっかり包んでおくよう経験者の声が紹介されています。
重さの上限が23kgと決まっている以上、本体が軽いほど中身に回せる重さは増えます。何を優先するかを決めてから選びましょう。
キャスターは壊れやすい部品なので確かめる
キャスターは、スーツケースの中でも特に壊れやすい部品です。エースによると、2輪は凸凹の道でも動かしやすく、4輪は360度回って小回りが利き、車輪が2つずつ並ぶ双輪は重くなるかわりに安定します。
電車やバスで移動するなら、キャスターを止めるストッパーがあると便利です。ただし完全には固定できない場合もあると、エースは注意しています。
アメリカを通るならTSAロックを選ぶ
アメリカに行く人や、アメリカで乗り継ぐ人は、TSAロックのついたスーツケースを選びましょう。TSAはアメリカの運輸保安庁で、預け荷物を開けて検査することがあり、ANAも米国を出入国する人の荷物は開けて検査する場合があると案内しています。
TSAによると、認証を受けた鍵は職員が専用の鍵で開けられるため、切られずに済む場合があるそうです。ただしTSAは、この鍵の防犯の効果については立場を取らず、必要なら外すとしています。開けて検査した荷物には、検査したことを知らせる紙が入れられる決まりです。
拡張機能は広げた後のサイズを確かめる
ファスナーで奥行きを広げられる拡張機能は便利ですが、広げた後のサイズで航空会社の決まりを超えることもあるので要注意です。エースも、拡張した結果サイズや重さの規定に引っかかることがあると注意しています。
また、2019年の報道では、スーツケースの容量やサイズの測り方には公的な決まりがなく、メーカーごとの基準で表示されているとされていました。違うメーカーの製品を比べるときは、リットルの数字だけでなく、キャスターや持ち手を含む外寸を確かめましょう。
スーツケースは1個か2個か・買うか借りるか
荷物が多い長期の留学では、大きい1個より中くらいを2個にするほうが、重さとサイズの上限に収めやすくなります。買うか借りるかは、留学の長さと帰国後も使うかで決めましょう。
大きい1個は23kgと158cmを超えやすい
大きいスーツケース1個にまとめると、持ち運ぶ物が1つで管理は楽になります。ただし荷物を詰め込むほど1個23kgの上限を超えやすく、ANAの便では3辺158cmの上限にも届きやすいのが難点です。
一方で、運賃によっては無料で預けられるのが1個だけのこともあるでしょう。ANAでは、方面をまたぐ区間で無料の個数を超えると、1個2万円の個数超過料金がかかります。航空券の無料の個数が1個なら、大きめの1個に軽い物から詰めるのが現実的です。
中くらい2個は重さと遅延のリスクを分けられる
無料で2個預けられる航空券なら、中くらいのスーツケース2個に分けると、1個23kgの範囲に収めやすくなります。荷物が届かなかったときに、すべての荷物を一度に失わずにすむのも利点です。
航空関連のIT企業SITAが2025年6月に公表した報告では、2024年に世界で取り扱いに問題があった荷物は旅客1,000人あたり6.3個で、そのうち74%が遅れて届いたケースでした。原因で最も多かったのは乗り継ぎで、41%を占めています。2026年6月の報告では、2025年はこの率がさらに23%下がり、乗り継ぎが原因の割合は39%でした。
ただし2個になると、到着後の移動は大変です。JASSOは、大きな荷物を持って長い距離を歩くことや夜の移動を避けるよう案内しているので、空港からの移動手段も合わせて考えましょう。
短期はレンタル・長期は購入が向く
数週間の短期留学で1回だけ使うなら、レンタルなら置き場所もいらず、出費を抑えやすい選択です。サイズを試してから次に買う物を決められる、という使い方もできます。
数か月〜1年の留学では、現地でも帰国時にも使い続けるため、購入を考える人が多いでしょう。月額で借りられるサービスもあるので、滞在期間ぶんのレンタル料金と購入価格を比べて決めると納得しやすくなります。レンタルでも購入でも、壊れたときの補償の条件を確かめておくと安心です。
荷造りと預け方で気をつけたいこと
荷造りでは、預け荷物に入れてはいけない物と、手元に置くべき物を分けることが大切です。荷物を海外へ送る方法は限られているため、出発前に「持って行く物」と「現地で買う物」を決めておきます。
モバイルバッテリーは預け荷物に入れられない
モバイルバッテリーは、スーツケースに入れて預けることが禁止されています。国土交通省によると、必ず機内に持ち込み、160Whを超える物は持ち込みもできません。
2026年4月24日からは、機内に持ち込めるのは160Wh以下の2個までとなりました。機内ではバッテリーへの充電も、バッテリーからスマホなどへの充電もしないことが求められます。JALは、2027年1月以降に100Whまでに制限される可能性があると案内しているため、出発前に最新の案内を確かめましょう。
着替えと薬は機内持ち込みに入れる
数日分の着替えと常備薬、大切な書類は、預けずに機内に持ち込みましょう。ANAは、壊れやすい物やパソコンなどの電子機器、貴重品、薬などの日常の必需品は預けないよう案内しています。
先ほどのSITAの報告のとおり、取り扱いに問題があった荷物の多くは遅れて届いたケースです。荷物が1〜2日届かなくても過ごせる物を手元に入れておくと、到着直後に困りません。
留学の荷物を海外へ送る方法は限られる
スーツケースに入らない荷物を海外へ送る方法は、以前より限られています。ヤマト運輸の留学向けのサービスは停止中で、国際宅急便は留学に伴う身の回り品を取り扱っていません。
日本郵便の国際小包は最大30kgまで(国によって上限が違う)送れ、日数の目安はEMSで3〜18日、船便で2〜4か月です。エコノミー航空便は取り扱いが止まっています。送る場合は留学先の国の税関の決まりもかかわるため、料金と日数を公式サイトで確かめてから決めましょう。
破損は空港を出る前に申し出る
スーツケースを受け取ったら、その場で本体やキャスター、持ち手に壊れた所がないか確かめましょう。エースは、破損があれば荷物受取場を出る前に航空会社に申し出て、破損証明書をもらうよう説明しています。
JALは、空港を出た後に気づいた場合は、受け取りの翌日から7日以内に到着空港へ申し出るよう案内しています。荷物が出てこない場合の申告期限も決まっていて、ANAなら到着の翌日から21日以内です。
よくある質問
留学のスーツケースと荷物について、よく寄せられる疑問にお答えします。
機内に持ち込めるスーツケースの大きさは?
JALとANAの国際線では、3辺の合計115cm以内かつ55×40×25cm以内です。身の回り品と合わせて2個まで、合計10kg以内とされています。ZIPAIRやPeachは合計7kgまでなど、LCCは条件がより厳しいので、乗る便の公式サイトで確かめましょう。
化粧水やスプレーは預け荷物に入れられますか?
入れられます。100ml以下の容器に入れるなどの液体の決まりは機内持ち込みだけのものです。ただし化粧水や香水などの化粧品、医薬品、スプレーは、預けでも1容器0.5リットル(0.5kg)までで、3種類を合わせて1人2リットル(2kg)までです。催涙スプレーなどは預けられません。
帰国時に荷物が増えたらどうすればいいですか?
留学先から日本へ送る「別送品」にできます。荷物に「別送品」と書いて送り、帰国時に税関へ申告書を2通出します。帰国した後には申告できないので、送った場合は空港で必ず申告しましょう。
まとめ
留学のスーツケースは、1泊10リットルを目安に容量の当たりをつけ、乗る便の預け荷物の決まりで最終的に決めます。JALとANAは1個23kgまでで、ANAは3辺158cmまでと小さめです。数か月以上の留学なら、中くらいを2個に分けると上限に収めやすくなります。
まずは航空券で無料で預けられる個数と大きさを確かめてから、スーツケースを選びましょう。中に入れる物は持ち物リストの記事、スマホの準備は留学中の携帯の記事で確かめられます。
この記事の出典
- JAL「国際線 お預けのお手荷物」
- JAL「国際線 機内持ち込みお手荷物」
- JAL「お手荷物の不具合について」
- JAL「モバイルバッテリーの機内持ち込みに関するルール変更」
- ANA「無料でお預かりする手荷物(国際線)」
- ANA「超過手荷物料金(国際線)」
- ANA「機内に持ち込める手荷物(国際線)」
- ANA「未着・紛失(国際線)」
- Peach「Peachの運賃タイプ」
- ジェットスター「受託手荷物の条件について」
- ZIPAIR「手荷物について」
- Peach「預け手荷物について」
- Peach「機内持ち込み手荷物について」
- ジェットスター「受託手荷物」
- 国土交通省「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」
- 国土交通省「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」
- 国土交通省「機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例」
- TSA「Security Screening」
- エース公式通販「スーツケースの選び方」
- サムソナイト「スーツケースの選び方」
- エース ニュースリリース(2017年7月)
- トラベル Watch「エース、スーツケースの計測方法を公開」
- SITA プレスリリース(2025年6月)
- SITA プレスリリース(2026年6月)
- 日本郵便「国際小包」
- JASSO 海外留学情報サイト「留学ガイドブック」
- ヤマト運輸「国際宅急便で海外にスーツケースは、送れますか?」
- 日本郵便「各発送方法の比較」
- 税関「別送品手続」