海外留学の教育ローン比較|日本政策金融公庫・銀行系の上限と返済【2026年版】

海外留学に使える教育ローン・奨学金を、日本政策金融公庫・JASSO・ろうきん・銀行で比較。上限額・金利・返済期間・条件を公式情報で一覧にし、返済シミュレーションと借入時の注意点も解説します。

約9分で読めます更新 2026-10-19留学・MBA志望者と保護者
目次(8項目)▼

海外留学に使える教育ローンの全体像

海外留学の費用は数百万円から数千万円までと幅広く、自己資金だけで賄うのは困難です。教育ローンは、給付奨学金・自己資金と並んで資金調達の3本柱になります。

ローン選びの基本は「上限額・金利・返済期間」のバランス。まず公的機関(日本政策金融公庫・JASSO)の条件を確かめ、不足分を銀行系・信販系で補うのが標準パターンです。金利だけでなく、保証料や在学中の返済方法も合わせて比べましょう。

日本政策金融公庫「教育一般貸付」

国の教育ローンとも呼ばれる、日本政策金融公庫の教育ローンです。借りられるのは子1人あたり350万円までで、海外留学(修業年限3か月以上の外国の教育施設)・大学院・自宅外通学などの場合は450万円までです。金利は固定で年4.05%(保証料は別。2026年7月1日現在)、返済期間は20年以内で、在学中は利息のみの返済にすることもできます。母子家庭・父子家庭や、世帯年収200万円以内の世帯などは、金利が0.4%低くなります。

申込人は原則として保護者で、世帯年収の上限があります。扶養する子が1人なら年収790万円(事業所得の方は所得600万円)までですが、海外留学の資金なら、子が2人以内の世帯は990万円(同790万円)まで緩和されます。金利が完済まで変わらない固定金利なので、返済の計画を立てやすいローンです。金利や条件は変わることがあるため、最新は日本政策金融公庫の公式サイトでご確認ください。

JASSO(日本学生支援機構)

JASSO(日本学生支援機構)の「第二種奨学金(海外)」は、海外の大学・大学院で学位(学士・修士・博士)を取るための、利子のつく奨学金です。月額は大学院なら5万・8万・10万・13万・15万円、大学なら2万〜12万円(1万円単位)から選べます。利率は貸与が終わった月に決まり、利率固定方式・利率見直し方式のどちらも年3.0%が上限です(2026年9月に貸与が終わった人は、固定3.000%・見直し2.400%)。在学中は利子がかからず、返還は貸与が終わった翌月から数えて7か月目に始まります。

学生本人が借りて返す奨学金ですが、収入の基準があります。大学院に進む人は本人(配偶者がいれば配偶者も)の収入で審査され、修士課程の目安年収は536万円です(2026年度の基準)。大学に進む人は、父母などの収入で審査されます。また、機関保証(保証料を払って保証機関に保証してもらう制度)と人的保証(連帯保証人・保証人を立てる制度)の両方に入る必要があります。なお、短期留学向けの貸与奨学金(第二種奨学金(短期留学)など)の募集は2023年度で終わっています。

返済のいらない給付型には「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」があります。海外の大学院で修士・博士の学位を取る人が対象で、2026年度に採用された人の奨学金は月17.7万〜38.8万円(アメリカ・英国・カナダは38.8万円)、2026年度の採用者は175人です。採用されたうえで、なお経済的な支援が必要な人は、無利子の「第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)」も申し込めます。金額や基準は年度ごとに変わるため、最新はJASSOの公式サイトでご確認ください。

銀行系・信販系教育ローン

銀行やろうきん(労働金庫)の教育ローンには、公的な制度より高い金額を借りられる商品があります。例えば中央ろうきんの教育ローン(証書貸付型)は最大2,000万円・返済20年以内で、6か月以上の海外留学の渡航費・滞在費・納付金にも使えます。金利は会員区分などにより、固定で年3.50〜5.10%、変動で年3.10〜3.30%です(2026年10月1日現在)。ろうきんは地域ごとに分かれていて、条件もそれぞれ異なります。

気をつけたいのは、海外の学校への支払いに使えるかどうかです。例えばりそな銀行の教育ローンは最大1,000万円まで借りられますが、公式サイトに「海外送金はお取扱いできません」と書かれています。信販会社の教育ローンには、ジャックスの教育ローンのように、学校が発行する納付書の金額を学校へ立て替えて払う仕組みのものもあります。申し込む前に、留学先への学費の払い方に対応しているかを各社に確認しましょう。最新の金利・条件は各社の公式サイトでご確認ください。

主要ローン比較表

ローン名上限金利期間メリット対象
日本政策金融公庫 教育一般貸付450万円(海外留学の場合)固定4.05%20年以内固定金利・在学中は利息のみの返済も可世帯年収制限あり
JASSO第二種奨学金(海外)月5万〜15万円(大学院)/月2万〜12万円(大学)年3.0%が上限(固定・見直しから選択)借りた総額などで決まる在学中は無利子海外の大学・大学院で学位を取る人
JASSO第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)月5万・8.8万円(修士)/月8万・12.2万円(博士)無利子借りた総額などで決まる利息がかからない給付型「海外留学支援制度(大学院学位取得型)」の採用者
ろうきん 教育ローン(例:中央ろうきん・証書貸付型)2,000万円以内固定3.50〜5.10%/変動3.10〜3.30%20年以内6か月以上の海外留学費用に使える・在学中は利息のみの返済も可安定した収入のある勤労者(地域のろうきんごとに条件が異なる)

※金利・条件は、日本政策金融公庫が2026年7月1日現在、JASSOが2026年10月時点、中央ろうきんが2026年10月1日現在の各公式サイトの案内によります。ろうきんの金利は会員区分・返済期間・固定か変動かで異なります。金利や条件は変わることがあるため、最新は各機関の公式サイトでご確認ください。

返済シミュレーション例

借入額金利期間月返済額総返済額利息合計
300万円4.05%10年約30,400円約365万円約65万円
450万円4.05%15年約33,400円約601万円約151万円
500万円3.5%10年約49,400円約593万円約93万円
1,000万円4.5%15年約76,500円約1,377万円約377万円
1,500万円4.5%20年約94,900円約2,278万円約778万円

※元利均等返済で、金利が返済期間中に変わらないとした場合の概算です(保証料は含みません)。金利は2026年10月時点の日本政策金融公庫・ろうきんなどの水準を参考にした例で、実際の金利・条件により変わります。

ローン借入時の注意点・リスク

  • !返済比率は手取り収入の20%以下に抑えるのが安全圏(手取り月25万円なら月返済5万円まで。500万円を年4.05%・10年で借りると月約5.07万円)
  • !為替変動±5%で総返済額が±10〜20万円動く可能性(円安リスク)
  • !公庫や銀行のローンは、在学中に元金の返済を据え置いても利息はかかる(JASSOの第二種奨学金は在学中は無利子)
  • !MBA・大学院卒業後の想定年収を正確に把握する(特に文系修士は年収増が限定的)
  • !JASSOの第二種奨学金(海外)は機関保証と人的保証の両方が必要で、保証料は毎月の振込額から差し引かれる
  • !ローン審査落ちのリスクを想定し、複数機関に同時申請しない

よくある質問

Q.海外留学に教育ローンは使えるか?▼
使えるものがあります。日本政策金融公庫の国の教育ローンは、海外留学(修業年限3か月以上の外国の教育施設など)なら450万円まで借りられます。JASSOの第二種奨学金(海外)は、海外の大学・大学院で学位を取る人が対象です。銀行や信販会社の教育ローンには、海外の学校への送金や支払いに対応していない商品もあるため、申し込む前に使いみちの条件を確認してください。
Q.上限額はいくらまで借りられる?▼
日本政策金融公庫の国の教育ローンは子1人あたり350万円(海外留学なら450万円)まで、JASSOの第二種奨学金(海外)は大学院なら月15万円までです。ろうきん・銀行の教育ローンは商品ごとに違い、例えば中央ろうきんは2,000万円まで、りそな銀行は1,000万円まで借りられます(2026年10月時点)。MBA・米国正規4年留学など2,000万円超の費用が必要な場合は、複数機関の併用や給付奨学金との組み合わせが必要です。
Q.返済はいつから始まる?▼
日本政策金融公庫の国の教育ローンは在学中から返済が始まり、在学中は利息のみの返済にすることもできます(その場合、元金は卒業後に返します)。JASSOの奨学金は、貸与が終わった翌月から数えて7か月目に返還が始まります。ろうきん・銀行の教育ローンにも、在学中は利息のみの返済にできる商品があります。
Q.親が借りるべき?子供が借りるべき?▼
日本政策金融公庫の国の教育ローンは原則として保護者が申し込み、世帯年収で審査されます。JASSOの奨学金は学生本人が借りて返すもので、大学院に進む場合は本人(配偶者がいれば配偶者も)の収入、大学に進む場合は父母などの収入で審査されます。社会人が自分の留学のために借りるなら、本人の収入で申し込める民間の教育ローンが候補ですが、本人の就学費用には使えない商品もあるため、使いみちの条件を確認してください。
Q.返済シミュレーションはどう作る?▼
借入総額・金利・返済期間から、月々返済額を算出します。例: 500万円・金利4.05%・10年返済なら月約50,700円。卒業3年後の想定年収から手取りを計算し、返済比率20%以下に収まるか確認してください。

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