2026年10月28日

卒業後に留学するには|大卒・専門卒・短大卒で選べる形と手続き

大学・専門学校・短大を卒業した後でも留学はできます。語学留学・海外の大学院・大学やカレッジでの学び直し・ワーホリの選び方を学歴ごとに整理し、新卒枠との関係、年金や在留届の手続き、JASSOの大学院学位取得型の条件まで分かります。

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卒業後に留学するには|大卒・専門卒・短大卒で選べる形と手続き

「卒業してから留学するのは、遅すぎるのだろうか」。大学や専門学校、短大を出た後に海外で学びたいと思っても、どんな形なら行けるのか、就職に響かないのか、迷いは尽きないものです。周りが就職していくなかで自分だけ遅れてしまうのでは、という焦りもあるかもしれません。年金などの手続きがどう変わるのかも、気になるところでしょう。

そこで本記事では、卒業後に選べる留学の4つの形を、大卒・専門卒・短大卒の学歴ごとに整理します。自分の学歴と目的で、どの形が現実的かを判断しやすくなるはずです。

あわせて、就職との関係や、卒業後ならではの年金・在留届の手続き、使える奨学金も同じ流れで確かめていきましょう。

卒業後の留学で選べる4つの形

大学や専門学校、短大を卒業した後でも、留学はできます。選べる形は、語学留学・海外の大学院・海外の大学やカレッジでの学び直し・ワーホリの4つが中心で、目的と学歴で向き不向きが変わるのが特徴です。

留学の形

主な条件

期間の目安

向いている人

語学留学

学歴の条件なし

数週間〜1年

まず語学力を伸ばしたい人

海外の大学院

学士の学位

1〜2年

専門を深めたい大卒の人

大学・カレッジ

学校ごとの入学条件

1〜4年

新しい分野を学び直したい人

ワーホリ

原則18〜30歳

1年が中心

働きながら暮らしたい人

大学院の期間は国や課程で違います。ワーホリの年齢は国によって25歳や26歳までのこともあるため、国ごとに確かめましょう。

語学留学は学歴を問わず学べる

語学学校や大学付属の語学課程は、多くの場合、学歴を問わず入学できます。入学時にレベル分けの試験を受け、自分の力に合ったクラスから始めるのが一般的です。

大学院や現地の大学に進む前に、まず語学力を上げたい人にとって最初の一歩になります。期間は数週間から1年ほどまで選べるので、次に何をするかを決めてから長さを決めましょう。

大学院は学士の学位が前提になる

海外の大学院に進むには、学士の学位を持っていることが基本の条件です。オーストラリア政府の留学案内Study Australiaは、大学院の課程には学部レベルの学位を少なくとも1つ修了している必要があるとしています。

そのため、大学を卒業した人なら、専門を深める選択肢として大学院を考えられるでしょう。出願には英語力の証明や推薦状も求められることが多いので、卒業前から準備を始めると間に合わせやすくなります。

海外の大学やカレッジで学び直す

新しい分野を学び直したい人は、海外の大学の学部や、仕事に直結する課程を持つカレッジに入る道もあります。入学の条件は学校ごとに決まり、英語力の基準も課程によってさまざまです。

日本で学んだ内容が単位として認められれば、期間を短くできることもあります。費用と期間が大きくなりやすい形なので、卒業後に何の仕事をしたいかを決めてから選びましょう。

30歳以下ならワーホリも選べる

30歳以下なら、ワーキングホリデーで働きながら暮らす方法もあります。外務省によると、日本とワーホリ協定を結ぶ国・地域は32あり、申請できるのは原則18〜30歳です。

語学学校に通える期間は国ごとに違いますが、働いて滞在費を補いながら語学を学べます。卒業してすぐの時期は年齢の条件を満たしやすいので、学生のうちに候補の国を比べておくとよいでしょう。

大卒・専門卒・短大卒で変わる選択肢

卒業した学校の種類によって、選べる留学の形が変わります。大卒なら海外の大学院にも進め、専門卒・短大卒は海外の大学で日本の単位がどう扱われるかを確かめることが大切です。

大卒なら海外の大学院にも進める

4年制大学を卒業して学士の学位を持っていれば、海外の大学院に出願できます。修士課程は国や課程によって1〜2年ほどで、専門を深めて学位を取れるのが大きな利点です。

大学院では、学部の成績も出願の材料の一つです。卒業後に留学するつもりなら、在学中に成績証明書や推薦状を頼める先生を確保しておくと、後から慌てずにすみます。

専門卒・短大卒は単位の認定を確かめる

専門学校や短大を卒業した人は、海外の大学の学部に入ったり、語学留学やカレッジで学んだりする形が中心になります。Study Australiaは、オーストラリアの一部の学校が、以前の学びに応じて単位の認定や免除を行っていると案内している点は心強い情報です。

この仕組みはRecognition of Prior Learningと呼ばれ、認められれば期間と費用を抑えられます。日本の専門学校や短大の単位がどう扱われるかは学校ごとなので、出願前に成績証明書を送って確かめましょう。

職歴は大学院の出願で考慮されることもある

卒業後に働いた経験は、大学院の出願で考慮されることがあります。Study Australiaは、教育機関が研究の力や関連する職歴も考慮する場合があると案内しています。

学士の学位がない人がすぐに大学院へ進める、という意味ではありません。ただ、卒業後に専門分野で経験を積んでから大学院を目指す人には、職歴も強みとして示せる点を覚えておきましょう。

卒業後の留学と就職の関係

卒業後に留学しても、日本での就職の道が閉ざされるわけではありません。政府は企業に、卒業後少なくとも3年以内の人が新卒の枠に応募できるようにすることを求めており、留学の目的を説明できれば空白期間も話の材料になります。

卒業後3年以内は新卒枠で応募できる企業も

政府は2026年3月24日の要請で、卒業後少なくとも3年以内の人が新卒の採用枠に応募できるようにすることを企業に求めています。卒業してから1年ほど留学しても、新卒として応募できる企業は存在するということです。

ただし、これは企業へのお願いで、応募できるかは企業ごとに違います。留学の日程と就活の時期の重ね方は留学と就職の記事で詳しく整理しました。

留学の目的と期間を説明できるようにする

卒業後の留学は、面接で「なぜその時期に、何のために行ったのか」を聞かれやすくなります。目的と期間、そこで得たものを一続きで話せれば、空白期間ではなく学びの期間として伝わるはずです。

語学の点数や修了証、課程の成績など、目に見える成果を残しておくと説明しやすくなります。出発前に「帰国後にどう生かすか」を一言で書き出しておきましょう。

留学先で働くなら卒業生向けのビザを確かめる

留学先の国でそのまま働きたい人は、卒業した留学生向けの就労ビザがあるかを確かめましょう。たとえばオーストラリアの卒業生ビザ(Subclass 485)は、申請時に原則35歳以下であることが条件です。

国によって学位や課程の長さなどの条件が違うため、出願前に確かめておくことが大切です。カナダやイギリスの例も留学と就職の記事で比べられます。

卒業後に留学するときの手続き

卒業後の留学では、学生のときとは違う手続きが必要です。卒業すると国民年金の学生納付特例は使えず、海外に住所を移すなら年金は任意加入になり、3か月以上の滞在では在留届を出します。

学生納付特例は卒業すると使えない

在学中に使っていた国民年金の学生納付特例は、日本の学校に在学する学生のための制度です。日本年金機構の出国時の手続きの案内でも、海外の大学などに留学した場合は学生納付特例を利用できないと書かれています。

卒業後に日本に住所を残したまま留学する場合は、国民年金の加入の義務が続くため、保険料を納めるか、所得が少なければ免除や納付猶予を申請することになります。出発前に市区町村の国民年金の窓口で、自分の場合の扱いを確かめておきましょう。

海外に住所を移すなら年金は任意加入

海外に住所を移すと、国民年金の加入は義務ではなくなりますが、日本国籍の人は任意で加入を続けることが可能です。日本年金機構によると、手続きは出国前ならお住まいの市区町村の窓口で行います。

任意加入すると、将来受け取る年金額を減らさずにすみます。ただし任意加入している人は、免除や学生納付特例の申請ができない点に注意しましょう。

3か月以上の滞在は在留届を出す

海外に3か月以上滞在する日本人は、住む地域の日本大使館や総領事館に在留届を出す義務があります。外務省は、在留届をインターネットのORRネットで出せると案内しているので便利です。

在留届を出しておくと、災害や事件のときに大使館から安否の確認や連絡を受けられます。住所が決まったらすぐに出し、帰国や引っ越しのときも届け出を忘れないようにしましょう。

卒業後の留学に使える奨学金

卒業後に海外の大学院で学位を目指すなら、JASSOの海外留学支援制度(大学院学位取得型)に応募できます(書類と面接の選考があります)。返済の要らない給付型で、修士は35歳未満、博士は40歳未満が対象です。

JASSOの大学院学位取得型は返済不要

日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度(大学院学位取得型)は、海外の大学院で修士や博士の学位を取る人に、返済の要らない奨学金を出す制度です。所得の条件はありません。

原則として、在籍しているか卒業した日本の大学を通じて応募します。取りまとめを頼める大学がない場合などに限り、個人での応募も認められています。

修士は35歳未満・博士は40歳未満

2027年度の募集では、2027年4月1日の時点で、修士の学位を目指す人は35歳未満、博士の学位を目指す人は40歳未満が対象でした。直近の課程の成績(GPA)が3.00以上であることも求められます。

支援の期間は修士が最長2年、博士が最長3年です。年齢・成績・語学力などの条件を満たせば応募できます。社会人の場合は、支援が始まる時点で会社などに雇われていないことも条件です。

募集は前年の秋に締め切られる

2027年度の募集は、応募書類の提出期限が2026年10月8日で、すでに締め切られました。これまでは8月下旬に募集要項が公開され、9月1日から受付が始まっています。

大学院の出願と奨学金の応募の時期は、ほぼ1年前から重なります。卒業後に大学院を目指すなら、出発の1年半ほど前から情報を集め始めましょう。

よくある質問

卒業後の留学について、よく出る質問への答えをまとめました。

大学を卒業してからでも留学できますか?

できます。語学留学、海外の大学院、大学やカレッジでの学び直し、ワーホリなどから選べます。大学院は学士の学位が前提なので、大卒の人ほど選択肢が広いといえるでしょう。

専門学校卒でも海外の大学院に行けますか?

海外の大学院は、学部レベルの学位を修了していることが基本の条件です。専門学校卒の人は、まず海外の大学の学部やカレッジで学ぶ道を考え、日本の単位がどう扱われるかを学校に確かめましょう。

卒業後に留学すると就職で不利になりますか?

不利になるとは限りません。政府は企業に、卒業後少なくとも3年以内の人が新卒の枠に応募できるようにすることを求めています。留学の目的と成果を説明できるよう準備しておきましょう。

卒業後の留学で年金はどうすればいいですか?

卒業すると学生納付特例は使えません。海外に住所を移す場合は国民年金に任意で加入でき、手続きは出国前なら住んでいる市区町村の窓口で行います。

卒業後に留学するデメリットはありますか?

学生向けの制度が使えなくなる点です。国民年金の学生納付特例は使えず、ワーホリは原則30歳までという年齢の上限があります。新卒の枠に応募できるかも企業ごとに違うため、早めに確かめておきましょう。

卒業後の留学に向いているのはどんな人ですか?

学びたい分野や身につけたい力がはっきりしている人です。目的が決まっていれば、語学・大学院・学び直し・ワーホリから形を選びやすく、帰国後の就職でも成果を説明しやすくなります。

まとめ

卒業後でも、語学留学・海外の大学院・大学やカレッジでの学び直し・ワーホリから留学の形を選べます。大卒なら大学院も視野に入り、専門卒・短大卒は日本の単位がどう扱われるかを確かめることが大切です。

次にやることは、留学の目的と期間を決め、出発前に年金と在留届の手続きを確認することです。大学院を目指すなら、出願と奨学金の時期が1年ほど前から重なる点も忘れずに計画に入れましょう。卒業後3年以内の新卒枠など、就職との関係は留学と就職の記事で確かめられます。

この記事の出典

制度は2026年10月28日に各公式サイトで確認しました。最新は各公式サイトでご確認ください。

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