2026年10月22日

台湾で英語留学はできる?全英語の大学課程と交換留学の選び方

台湾で英語留学はできるのかを、全英語の大学課程・交換留学・ワーキングホリデーの3つで比べました。入学に必要な英語力とビザの違い、国立台湾大学の学費や寮の費用、台湾奨学金、出願までの流れも公式情報をもとに分かります。

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台湾で英語留学はできる?全英語の大学課程と交換留学の選び方

「台湾で英語留学って、そもそもできるのかな」。台湾は中国語の国というイメージがあるだけに、英語がちゃんと伸びるのか、費用は本当に安いのか、不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。英語と中国語の両方を学びたいけれど、どちらも中途半端にならないかという迷いも重なります。

そこで本記事では、台湾で英語を使って学ぶ方法を、全英語の学位課程・交換留学・ワーキングホリデーの3つで比べます。英語の条件とビザの違いを同じ表で見られるので、自分の目的に合う形を選びやすくなるはずです。

あわせて、国立台湾大学の学費や大学の寮の費用、奨学金、出願までの流れも同じ流れで解説します。

台湾の英語留学は大学の英語の授業が中心

台湾で英語を使って学ぶ留学は、大学の全英語の学位課程に進むか、交換留学で英語の授業を受ける形が中心です。英語そのものを語学学校で長く学ぶ形は、ビザの面で公式に案内されていないため、最初に選び方を整理しておきます。

学び方

主な目的

英語の条件の例

ビザ

全英語の学位課程

学位を取る

CEFR B2程度

居留ビザ

交換留学

単位を取る

CEFR B1〜B2程度

停留ビザか居留ビザ

ワーキングホリデー

休暇が中心

なし

ワーホリ用の停留ビザ

英語の条件は、国立台湾大学の国際学院の募集案内と、日本の大学(琉球大学・名古屋市立大学)が公開した協定校の資料にある例です。ワーキングホリデーは語学コースへの参加もできますが、主な目的は休暇とされています。条件は大学と年度で変わるため、最新は各大学の公式サイトでご確認ください。

台湾の公用語は中国語で英語圏とは環境が違う

台湾は英語圏ではなく、公用語は中国語です。JASSO(日本学生支援機構)の海外留学情報サイトによると、日常では台湾語や客家語なども話されています。

そのため、台湾での英語留学は「街で英語を使って暮らす」よりも、「大学で英語の授業を受ける」形が中心になります。英語に囲まれた生活を求めるなら、英語圏とは環境が違うことを前提に考えましょう。

英語で学位が取れる課程は約350ある

台湾には、授業の大部分を英語で行う大学の学位課程があります。台湾の教育部が委託して運営する留学情報サイト「Study in Taiwan」では、授業の90%超を英語で行う課程が、2026年10月時点で353件登録されていました。

このうち学士課程は108件で、ほかは修士・博士の課程が中心です。例えば国立台湾大学の国際学院には、留学生向けの半導体の学士課程や、農業技術・医療情報などの修士課程があります。

台湾政府の奨学金も、全英語の課程に申請する場合は中国語の試験の成績を求めていません。英語で学位を目指す道は、制度として用意されているといえます。

交換留学なら英語で受けられる科目を選べる

日本の大学に在籍したまま行く交換留学なら、台湾の大学で英語開講の科目を選んで受けることも可能です。2023年に公開された国立台湾大学の資料では、英語で行われる科目は約1,800あり、交換留学生には英語ならCEFR B2以上、または中国語でB1以上が求められています。

大学によって条件は違い、例えば名古屋市立大学が募集する文藻外語大学への交換留学は、中国語か英語でB1程度を条件にしています。中国語の授業と英語の授業を組み合わせられるのも、交換留学ならではでしょう。

英語を学ぶ語学研修のビザは案内されていない

台湾の英語の語学学校に長く通う留学は、ビザの面で選びにくい形です。台北駐日経済文化代表処によると、半年未満の停留ビザのうち「語学研修」は、中国語の学習が目的の人に限られています。

ビザなしで入国できるのは最長90日で、延長や入国後のビザへの切り替えもできません。代表処は就学や語学研修で行く人に出発前のビザ取得を求めているため、英語を学ぶ目的で長く滞在する形は公式に案内されていないのです。最新の取り扱いは、台北駐日経済文化代表処で確かめてください。

台湾で英語を学ぶ良さ

台湾で英語を使って学ぶ良さは、英語で専門分野を学べることと、同じ留学で中国語も身につけられることです。日本からの留学先としても多く選ばれ、大学の協定による交換留学でも行きやすい国です。

英語で専門分野を学びながら学位が取れる

全英語の課程では、授業・課題・試験を英語でこなしながら、半導体や政治経済などの専門分野を学べます。英語を「勉強する」のではなく「使って学ぶ」経験になるのが特徴です。

台湾の教育部は2021年に、大学で英語による授業を広げる目標を発表しました。2030年までに、重点大学6校の30学部で大学2年生の半数以上が英語でCEFR B2以上に達し、半数以上の学生が単位の半分超を英語の授業で取ることを目指しています。

英語と中国語を同じ留学で学べる

台湾では、大学の中国語センターで中国語を学びながら、英語で開講される授業も受けられます。東京都立大学の前身である首都大学東京が公開した体験記では、国立台湾師範大学に1年間交換留学した学生が、午前は少人数の中国語の授業を1日3時間、午後は大学の正規の授業という組み立てで学んでいました。英語開講の授業は週1回ほどでしたが、レポート課題が多く、英語と向き合う時間を作れたと振り返っています。

国立台湾大学にも、交換留学生向けに週6〜10時間の中国語の科目があります。英語を軸に、もう1つの言語を足したい人に向く組み合わせです。

日本人の留学先として6番目に多い

台湾は、日本の大学生などがよく選ぶ留学先です。JASSOが大学などへの調査をもとに2026年5月に公表した結果では、2024年度に留学を始めた日本人学生のうち、台湾へは5,260人で、国・地域別で6番目でした。

大学の協定に基づく留学に限ると、台湾は3,503人で5番目です。協定校が多ければ交換留学の選択肢も広がるので、自分の大学に台湾の協定校があるかをまず確かめましょう。なお、この人数には中国語を学ぶ人も含まれます。

台湾で英語を学ぶときの注意点

台湾の英語留学は、ある程度の英語力がある人が「英語で学ぶ」場です。英語をゼロから伸ばしたい人や、英語に囲まれて暮らしたい人には合わないことがあるため、目的と照らし合わせて選びましょう。

入学にはB2程度の英語力が求められる

全英語の課程や交換留学では、入学の時点で一定の英語力が求められます。国立台湾大学の国際学院の場合、留学生に求める英語力はCEFR B2以上です。同大学への交換留学でも、英語ならB2以上が条件で、TOEFL iBT 71点やIELTS 5.5が例に挙げられています。

CEFRは語学力を6段階で表す国際的な物差しで、B2は上から3番目の段階です。英語の試験のスコアは出願の時期までにそろえる必要があるので、早めに受けておきましょう。

英語の授業は英語そのものを教える場ではない

台湾の大学の英語の授業は、英語を使って専門の内容を教えるもので、英会話の授業とは違います。国立政治大学のEMI資源センターが2025年10月に開いた講演では、講師が、EMIの目的は専門知識の習得で、英語力の向上は副次的なものだと説明しています。EMIは、英語で専門科目を教える授業のことです。

講師は、学科によって教員の準備や授業の質にばらつきがあることも課題に挙げました。気になる課程は、シラバスや授業の言語を出願前に確かめておくと安心です。

街の暮らしは中国語が中心になる

授業の外の暮らしは、中国語が中心になります。同志社女子大学の学生が2022年度に中国文化大学へ1年間交換留学した報告では、日常で使う中国語は大きく伸びた一方、英語は大きく伸びた実感はないと書かれていました。

ただしこの報告では、英語圏以外の人たちが英語を流暢に話す姿に刺激を受けたとも振り返っています。英語の会話力を短期間で伸ばすことが一番の目的なら、英語の語学学校が多い国のほうが向いているでしょう。例えばフィリピンは、JASSOの海外留学情報サイトでも英語の語学学校の学費例が紹介されている国です。

台湾の英語留学にかかる費用と奨学金

台湾の大学で学ぶ費用は、国立台湾大学の学部なら学費と雑費で1学期5万〜8万元ほど(元は台湾ドル)で、全英語の新しい課程はそれより高めです。正規の学位留学なら、学費と生活費の両方を支える台湾政府の奨学金も使えます。

国立台湾大学の学費は1学期約5万〜8万元

国立台湾大学の2026/27年度の留学生の学費と雑費は、学部によって1学期5万460元から7万9,120元までです。1年は2学期なので、年額はおよそこの2倍になります。

学部

1学期の学費と雑費

文学・社会科学・法律

50,460元

管理

51,220元

理学・生物資源農学

58,520元

工学・電気資訊

58,940元

医学科

79,120元

国立台湾大学が2026年5月に決めた2026/27年度の学費表によるものです。延長して在学する場合や教職課程など一部の科目では、単位ごとの費用(1単位2,040〜2,300元)が別にかかります。JASSOの海外留学情報サイトでも、2024年の調査で国立は1学期5万〜6万元台、私立は4万〜5万元台の例が紹介されています。

全英語の新しい課程は学費が高めになる

留学生向けに新しくつくられた全英語の課程は、一般の学部より学費が高めの設定です。国立台湾大学の国際学院では、修士課程の学費が最初の2年間で1学期8万〜10万元の予定です(大学の公表は計画値)。

同じ大学の政治経済学院でも、留学生の学費は学士で1学期7万元、修士・博士で10万元と案内されています。同じ大学でも課程によって大きく違うので、志望する課程の公式ページで必ず確かめましょう。

大学の寮なら月5,000元台から

住まいの費用は、大学の寮を使えば抑えられます。JASSOによると、国立大学の寮の例は2人部屋で月5,370元、1人部屋で月8,210元で、台北や台中の留学生の家賃は月8,000〜1万6,000元が目安です。

保険も必要で、学生の団体医療保険は1学期3,000元、6か月以上住む留学生は台湾の全民健康保険に月826元で入ります。金額はJASSOの2024年の調査によるもので、最新は各大学と公式サイトでご確認ください。

台湾奨学金は全英語コースの進学にも使える

台湾の大学に正規生として進学するなら、台湾の教育部による「台湾奨学金」が候補になります。2026年度の募集要項では、学費と雑費を1学期4万元まで、生活費を学部生なら月1万5,000元、大学院生なら月2万元支給していました。

全英語コースに申請する場合は、中国語の試験の成績はいらず、英語の試験の成績と、大学が出す全英語コースの証明書類を出します。2026年度の募集人数は21名で、交換留学生は対象外です。

2026年度の申請は2月2日〜3月27日に行われ、2026年10月時点で2027年度の要項はまだ出ていません。例年は2月上旬から3月下旬の募集なので、台湾駐日代表処の案内を早めに確かめましょう。

台湾の英語留学のビザと出願の流れ

台湾で学ぶときは、ビザなしで入国せず、留学の期間と目的に合ったビザを出発前に取ります。6か月以上の留学なら居留ビザが必要で、出願の段階から英語の成績と書類を計画的にそろえることが大切です。

ビザなしの90日は留学の目的に使えない

日本のパスポートなら台湾にビザなしで最長90日滞在できますが、延長はできず、入国後にビザへ切り替えることも原則できません。台北駐日経済文化代表処は、就学や語学研修で行く人は出発前に目的に合ったビザを取るよう案内しています。

代表処によると、目的と違う形で入国すると現地で切り替えられず、いったん出国して申請し直す必要があると案内しています。半年未満の交換留学なら、停留ビザの「交換留学」の区分で出発前に申請しましょう。

6か月以上の留学は居留ビザを取る

学位を取る正規留学や、6か月以上の交換留学では居留ビザを取ります。台北駐日経済文化代表処によると、正規留学では入学許可書や健康診断書のほか、申請月から遡って6か月間、常に50万円以上ある預金の取引明細が必要です。台湾奨学金の受給者なら、奨学金の証明書で代わりにすることも可能です。

6か月以上の交換留学では預金の明細はいらず、代わりに在籍する日本の大学の在学証明書を出します。

台湾に入国したら、30日以内に居留証を申請します。居留証があれば、有効期間中は再入国にビザがいりません。必要書類は時期によって変わるため、最新は台北駐日経済文化代表処の公式サイトでご確認ください。

出願前に英語の成績と書類をそろえる

全英語の課程に出願するなら、まず英語の試験の成績を用意しましょう。課程を探すときは、台湾の教育部の留学情報サイト「Study in Taiwan」で授業の英語の割合を絞り込めます。

日本語で相談したいときは、台湾の教育部が2012年に設立した日本台湾教育センターが、大学ごとの入試情報やビザの情報を案内しています。毎年、台湾留学フェアも開いているので、気になる大学の担当者に直接質問するのも1つの方法です。

交換留学なら、在籍する日本の大学の国際交流の窓口で、台湾の協定校と英語開講の科目、学内の募集時期を確かめるところから始めます。

よくある質問

台湾で英語を学ぶ留学について、よく寄せられる疑問への答えです。

台湾のワーホリで英語を学べますか?

語学コースには参加できますが、英語を学ぶための制度ではありません。台湾の外交部は、ワーホリの主な目的を休暇とし、就学などを目的とする人には適さないと案内しています。2026年2月1日の改正で申請は生涯2回までできるようになりました。単位や学位を目指すなら、留学のビザを選びましょう。ワーホリの条件は台湾ワーホリのページで確かめられます。

英語が苦手でも台湾の英語課程に入れますか?

入るのは難しいでしょう。国立台湾大学の国際学院のように、留学生にCEFR B2以上を求める課程があるためです。まず日本で英語の試験のスコアを上げるか、中国語で学ぶ課程や中国語の研修から始める道を考えましょう。

英語を伸ばすならフィリピンとどちらがいいですか?

目的しだいです。英語の会話力を短期間で伸ばしたいなら、英語の語学学校で学ぶ国が向いています。英語で専門分野を学びたい人や、英語と中国語の両方を学びたい人には台湾が合うでしょう。

英語の課程を探すにはどうすればいいですか?

台湾の教育部の留学情報サイト「Study in Taiwan」で、授業の英語の割合を絞り込んで探せます。見つけた課程は、英語の条件・学費・出願時期を大学の公式ページで確かめましょう。日本語で相談したいときは、日本台湾教育センターも使えます。

まとめ

台湾の英語留学は、大学の全英語の学位課程か、交換留学で英語の授業を受ける形が中心です。英語で専門を学びたい人や、中国語も一緒に身につけたい人に向く一方、入学にはB2程度の英語力が求められ、英語を学ぶ語学研修のビザは案内されていません。

まずは自分の大学に台湾の協定校があるかを確かめ、学位を目指すならStudy in Taiwanで課程を探しましょう。中国語の語学学校も比べたいときは、台湾の語学学校の記事が参考になります。

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