2026年10月23日

アメリカの州立大学は安い?留学生の学費と1年間の総額を比較

アメリカの州立大学の学費を、留学生が払う州外料金で整理しました。College Boardの平均と、カリフォルニア大学・ミシガン大学など主な州立大学6校の1年間の総額を円の目安つきで比べ、保険やビザの費用、学費を抑える方法と奨学金も分かります。

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アメリカの州立大学は安い?留学生の学費と1年間の総額を比較

「アメリカの州立大学なら、私立より安く通えるのかな」。そう思って調べ始めても、表示されている金額が授業料だけなのか、寮や保険まで含むのか分からず、結局いくら用意すればいいのか不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。円安で、日本円にするといくらになるのかという迷いも重なります。

そこで本記事では、留学生が払う州外の授業料と、主な州立大学6校の1年間の総額を公式の金額で比べます。日本円の目安も添えているので、家族で負担できるかを判断する材料になるはずです。

あわせて、授業料以外にかかる費用や資金の証明、学費を抑える方法と使える奨学金も同じ流れで解説します。

留学生の州立大学の学費は州外料金で考える

アメリカの州立大学が安いのは、その州に住む学生の場合です。留学生は州外の学生と同じ高い授業料を払うため、州外の料金と、寮や食事を含めた1年間の総額で考えます。

大学の区分

授業料と諸費用

住居と食費を足した額

公立2年制

4,150ドル

15,000ドル

公立4年制・州内の学生

11,950ドル

25,850ドル

公立4年制・州外の学生

31,880ドル

45,780ドル

私立4年制

45,000ドル

60,920ドル

アメリカの非営利団体College Boardが2025年10月に公表した、2025-26年度の1年間の平均です。大学が公表する価格で、奨学金を引く前の金額を示しています。最新は各大学の公式サイトでご確認ください。

州立大学が安いのは州内の学生の話

州立大学の授業料は、その州に住む学生(州内の学生)と、それ以外の学生(州外の学生)で別々に決められています。College Boardの平均では、公立4年制の授業料と諸費用は州内の学生が1万1,950ドルなのに対し、州外の学生は3万1,880ドルで、約2.7倍です。

「州立大学は私立より安い」という話は、主に州内の学生を前提にしています。留学生が比べるときは、州外の金額を見ることが大切です。

留学生は州外の学生と同じ授業料を払う

留学生は、ほとんどの場合、州外の学生と同じ授業料を払います。例えばペンシルベニア州立大学は授業料表の州外の区分に留学生を含めると明記し、ワシントン大学も州内の授業料を払う留学生はごくわずかだという案内です。

カリフォルニア大学(UC)は、州外の学生には基本の授業料に州外の学生向けの上乗せ分が加わり、州内のコミュニティカレッジから編入した学生もほぼ全員が卒業まで州外の扱いのままだと説明しています。

州外の授業料の平均は年3万1,880ドル

College Boardによると、2025-26年度の公立4年制の州外の授業料と諸費用は、平均で年3万1,880ドルです。日本銀行が公表した2026年10月22日の中心相場(1ドル=158.21円)で計算すると、約504万円になります。

これに寮や食費、教科書代、交通費などを足した1年間の予算の平均は、5万920ドル(約806万円)です。円での負担は為替によって大きく変わるため、実際に払う時点のレートで計算し直しましょう。

授業料だけでなく1年間の総額で比べる

大学を比べるときは、授業料だけでなく、大学が公表する1年間の総額の見込み(Cost of Attendance)で比べます。College Boardも、学生の予算は授業料に住居・食費・教科書・交通費などを足して考えるとしています。

大学の公式ページでは、大学に払う授業料などと、生活費の見込みが分けて載っていることが多いです。同じ年度・同じ区分(州外・寮で生活)にそろえて比べると、大学ごとの違いが正しく見えてきます。

主な州立大学の1年間の総額

知名度の高い州立大学に留学生が寮で暮らしながら通うと、1年間の総額は約6万4,000〜9万ドル(約1,000万〜1,400万円)です。College Boardの州外の平均より高い大学が多く、大学ごとの公式の金額で確かめる必要があります。

大学

年度

1年間の総額の目安

円の目安

カリフォルニア大学

2027-28の見込み

90,100ドル

約1,425万円

ミシガン大学アナーバー校

2026-27

88,394ドル

約1,398万円

テキサス大学オースティン校

2026-27

約64,204ドル

約1,016万円

アリゾナ州立大学

2026-27

69,906ドル

約1,106万円

ワシントン大学シアトル校

2026-27

69,596ドル

約1,101万円

オレゴン州立大学

2026-27

65,013ドル

約1,029万円

いずれも州外の学部生が寮で暮らす場合の、各大学の公式ページの金額です(2026年10月時点)。健康保険を含むのはカリフォルニア大学とアリゾナ州立大学だけで、ほかの大学は保険料が別にかかります。ミシガン大学は取得単位54以下(おおむね1・2年生)の教養学部の額、テキサス大学オースティン校は教養学部の通常の授業料に公式の計算ツールの生活費を足した値です。円は1ドル=158.21円で計算しました。

UCとミシガン大学は年9万ドル前後

カリフォルニア大学(UC)とミシガン大学は、州立大学の中でも総額が高めで、年9万ドル前後になります。UCが示す2027-28年度に入学する州外の学部生の見込みは、授業料5万7,300ドル、寮と食事2万1,700ドル、健康保険3,900ドルなどで、合計9万100ドルです。

ミシガン大学アナーバー校の2026-27年度の州外の学部生は、教養学部を基準に、取得単位54以下(おおむね1・2年生)が8万8,394ドル、55単位以上(おおむね3・4年生)が9万3,096ドルです。学年や専攻で授業料が上がる大学もあるので、卒業までの金額を確かめましょう。

ワシントン大学などは年6万〜7万ドル台

ワシントン大学・アリゾナ州立大学・テキサス大学オースティン校は、年6万〜7万ドル台です。ワシントン大学の2026-27年度の初年度の見込みは6万9,596ドルで、入学課の表では6万7,800ドル、留学生の保険を含むI-20用の表では7万740ドルと、公式ページによって少し差があります。

テキサス大学オースティン校は、同じ州外でも学部で授業料が違い、2026-27年度の通常の授業料は教養学部4万2,554ドル、工学部4万8,394ドル、経営学部5万1,106ドルです。アリゾナ州立大学は、留学生向けの表に健康保険と留学生向けの費用を含めて6万9,906ドルを示していて、学部の費用は最も高い学部で計算されています。

オレゴン州立大学は年6万5,000ドルほど

オレゴン州立大学の2026-27年度の州外の学部生の見込みは、6万5,013ドルです。授業料と諸費用が4万2,459ドル、住居と食費が1万8,066ドルなどの内訳です。

前の年度の6万1,893ドルから約5.0%上がっていて、州立大学でも毎年の値上げは見込んでおく必要があります。

4年間では4,000万円を超えることもある

4年間で考えると、総額は4,000万円を超えることもあります。オレゴン州立大学の2026-27年度の金額を4倍すると約26万ドル(約4,114万円)、UCの2027-28年度の見込みを4倍すると約36万ドル(約5,702万円)です。

実際には毎年の値上げや為替の動きで上下するため、この単純な計算は目安にとどめましょう。家族と話すときは、1年目の総額に余裕を持たせた4年分の計画を作っておくと安心です。

授業料以外にかかる費用と資金の証明

授業料のほかに、寮と食事、健康保険、ビザの手続きの費用がかかります。さらに留学生は、学生ビザに必要な書類を受け取るために、1年分の費用を払える資金があることを証明しなければなりません。

寮と食事で年1万5,000〜2万2,000ドル

寮と食事の費用は、大学の見込みで年1万5,000〜2万2,000ドルほどです。College Boardの平均は公立4年制の寮で1万3,900ドルですが、大学の公式の見込みはテキサス大学オースティン校の1万5,420ドルからUCの2万1,700ドルまで幅があります。

EducationUSA(アメリカ国務省の留学情報サイト)は、住居と食費は地域で大きく違い、南部や中西部の郊外・地方が安いと説明しています。大学のある地域の物価も、総額を左右する大事な要素です。寮以外の住まいの費用の例はアメリカのホームステイ費用の記事で確かめられます。

健康保険は多くの大学で加入が必要

多くの州立大学では、留学生も大学の健康保険に入るよう求められるのが一般的です。UCは、健康保険への加入をすべての学生の登録の条件としていて、日本の保険で免除を受けたい場合は事前にキャンパスに確かめるよう案内しています。

保険料は大学によって違い、ワシントン大学の留学生向けの保険は3クォーターで1,611ドル、アリゾナ州立大学は2,765ドル(2025-26年度の料金)です。総額の表に保険が含まれているかも、確かめておきましょう。

ビザの申請料とSEVIS費が出発前にかかる

出発前には、学生ビザの申請料とSEVIS費がかかります。在日米国大使館によると、学生ビザを含む申請料は2023年6月17日から185ドルで、留学生の情報を管理するSEVISの費用はF・Mビザの申請者で350ドルです。

ビザの手続きの費用は改定されることがあり、新しい料金が加わる可能性もあります。申請の前に、最新の金額を在日米国大使館の公式サイトでご確認ください。

I-20には1年分の資金の証明が必要

学生ビザの申請に使う書類I-20を大学から受け取るには、1年分の費用を払える資金があることを示します。ワシントン大学の留学生課は、すぐに現金にできる資金を英語の書類で示すよう求め、銀行の残高証明は認める一方、株式や不動産は認めていません。

証明する金額は、大学の留学生課が示す表で確かめます。オレゴン州立大学は、資金を証明する額は実際の請求額とは別の、手続き専用の金額だと説明しています。合格してから慌てないよう、出願の前に必要な額を家族で確かめておきましょう。

州立大学の学費を抑える方法

州立大学の学費を抑えるには、コミュニティカレッジから編入する、大学独自の奨学金を探す、の2つが主な方法です。授業料を据え置く制度のある大学を選べば、値上げへの備えにもなります。ただし編入の道は日本の給付奨学金と組み合わせにくいので、次の章とあわせて考えましょう。

コミュニティカレッジから編入すると授業料が下がる

公立2年制のコミュニティカレッジで2年学んでから州立大学に編入すると、最初の2年の授業料を大きく下げられます。カリフォルニア州のコミュニティカレッジの2026-27年度の州外の授業料と登録料は、1年分(30単位)で1万560〜1万5,150ドルです。

UCによると、新入生の約3分の1が編入生で、ほぼ全員がカリフォルニア州のコミュニティカレッジの出身です。ただし編入後も留学生は州外の扱いのままで、College Boardの平均でも、授業料以外の費用は授業料ほど下がりません。安くなるのは主に最初の2年の授業料だと考えましょう。

授業料を据え置く制度で値上げに備える

入学したときの授業料を一定期間変えない制度のある大学なら、値上げの不安を減らせます。UCは、入学時の授業料を最長6年間据え置く仕組みです。

テキサス大学オースティン校にも、授業料を4年間固定する方式がありますが、4年間の値上げを見込んで通常の方式より高く設定されています。下がるのは学費そのものではなく値上げの不安なので、4年間の総額で比べて選びましょう。

留学生向けの大学独自の奨学金を探す

アメリカの連邦や州の学資援助は、原則として留学生は対象外です。そのため、留学生が使える大学独自の奨学金を探すのが現実的です。

例えばアリゾナ州立大学には、成績が優秀な留学生の一部に出す奨学金があります。ただしEducationUSAは、奨学金の多くは学費や生活費の一部しか賄えず、1年目の留学生は対象外のこともあると注意しています。志望校の留学生向けの奨学金のページで、条件と金額を確かめましょう。

アメリカの大学で使える日本の奨学金

アメリカの州立大学に直接入学する人は、返さなくてよいJASSOの給付奨学金に応募でき、選考に通るとアメリカなら月35万円台を受けられます。ただしコミュニティカレッジから編入する道は対象外なので、学費を抑える方法と組み合わせるときは注意が必要です。

JASSOの給付奨学金はアメリカなら月35万円台

JASSOの「海外留学支援制度(学部学位取得型)」は、海外の大学に直接入学して学士を目指す人に向けた給付型の奨学金です。2026年度の実績では、アメリカは月35万2,000円が出て、支援は原則4年となっています。

応募には、高校の評定平均3.7以上、英語ならTOEFL iBTやIELTSの基準、家計の所得の上限などの条件があり、書類と面接で選ばれます。2026年度は応募408名のうち140名が採用されました。2027年度の募集は2026年10月に締め切られているので、次の募集の時期を公式サイトでご確認ください。奨学金の締切から逆算する準備の進め方は留学準備はいつからの記事で紹介しています。

2023年9月に入学した人のJASSOの体験レポート(2025年6月更新)には、この奨学金と大学の奨学金を使ってマサチューセッツ大学アマースト校に進み、寮と食事を含む学費が年6万4,000ドルほどだったと答えた人がいます。家族は、給付の奨学金に受かることを留学の条件にしていたそうです。

コミュニティカレッジ経由はJASSOの給付の対象外

コミュニティカレッジや短期大学に入ってから4年制大学に編入して学士を目指す場合は、JASSOの給付奨学金の対象外です。支援期間中に転学や編入をすることも、原則として認められていません。

給付奨学金を目指す人は4年制の大学への直接入学、自分の資金で費用を抑えたい人はコミュニティカレッジからの編入、と状況に合わせて道を選びましょう。

返す奨学金と組み合わせることもできる

JASSOの「第二種奨学金(海外)」は利子のつく貸与型で、海外の大学で学ぶ人は月2万〜12万円から選べ、入学時に10万〜50万円を上乗せして借りることもできます。学部学位取得型の給付と一緒に受けることもできます。

なお、フルブライト奨学金は大学院などが対象で、学部の学位取得は含まれません。トビタテ!留学JAPAN(大学生等対象)も、日本の大学に在籍したまま行く留学が対象で、海外の大学への進学は対象外です。

よくある質問

アメリカの州立大学の学費について、よく寄せられる疑問にお答えします。

アルバイトで学費を払うことはできますか?

難しいと考えてください。アメリカの国土安全保障省によると、学生ビザでの学内の仕事は授業期間中は週20時間以下で、学外で働くには条件と許可が必要です。そのため渡米前に学費と生活費を払える資金の証明が求められます。日本とアメリカの間にワーホリの制度もありません。

州立大学と私立大学はどちらが安いですか?

平均では州立が安めですが、大学によっては逆転します。College Boardの平均では、州外の学生の州立大学の1年の予算は5万920ドルで、私立の6万5,470ドルより低い一方、UCのように私立の平均を上回る州立もあります。私立は大学独自の奨学金が手厚い場合もあるので、奨学金を引いた後の金額で比べましょう。

学費は毎年上がりますか?

多くの大学で毎年上がります。College Boardによると、2025-26年度の州外の授業料は前年より3.4%上がりました。EducationUSAは予算を立てるときに毎年6〜10%の上昇を見込むよう助言しているので、授業料を据え置く制度があるかも確かめましょう。

まとめ

アメリカの州立大学が安いのは州内の学生の話で、留学生は州外の授業料を払います。主な州立大学の1年間の総額は、寮で暮らす場合に約6万4,000〜9万ドルで、健康保険やビザの費用、1年分の資金の証明も必要です。費用を抑えるなら、編入や授業料の据え置き、奨学金の条件を比べましょう。

まずは志望校の公式ページで、州外の学生の1年間の総額とI-20に必要な資金の額を確かめてください。ビザや学校選びの全体像はアメリカ留学のガイドで確かめられます。

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