国別タックスリターンの手続きガイド
ワーホリのタックスリターン(確定申告・還付申告)の手続きを国別に解説。オーストラリア・カナダ・イギリス・NZの申告方法、還付金の目安、使えるエージェントを紹介します。
このページのポイント
- 1タックスリターンで数百〜数千ドルの還付金が戻る。帰国前に必ず手続きする
- 2オーストラリアのワーホリ税率は15%($45,000まで)。スーパーは12%が積立てられている
- 3カナダはWealthsimple Tax、オーストラリアはmyTaxで無料申告が可能
- 4還付金受取まで現地銀行口座は絶対に閉じない
- 5イギリスは申告期限超過で即100ポンドの罰金。早めの手続きが必須
ワーホリで稼いだ給与からは毎回税金が天引きされていますが、払い過ぎた分はタックスリターン(確定申告)で取り戻せます。オーストラリアではスーパーアニュエーション(退職年金)の還付も加えると、数千ドル単位の返金になるケースも珍しくありません。この記事では、オーストラリア・カナダ・イギリス・ニュージーランドの4カ国それぞれの税率、申告方法、締切日、注意点を最新データで解説します。
タックスリターンの仕組みと還付金の目安
なぜお金が戻ってくるのか
タックスリターン(Tax Return)は、1年間の所得と納税額を税務当局に申告する手続きです。給与から源泉徴収された税金が本来の税額を上回っていた場合、その差額が還付金(Tax Refund)として返ってきます。年度の途中で帰国する場合や、複数の仕事で税金を多く引かれていた場合に還付額が大きくなる傾向があります。
申告しないと罰金のリスクがある
タックスリターンを期限内に申告しないと、還付金を受け取れないだけでなく罰金が課される場合があります。イギリスでは申告期限を過ぎると即座に100ポンドの罰金が発生し、3ヶ月後からは1日10ポンドの追加罰金がかかります。オーストラリアでもATOから督促状が届く可能性があるため、帰国前に必ず手続きを済ませましょう。
オーストラリアのタックスリターン
ワーホリの税率と会計年度
オーストラリアの会計年度は7月1日〜翌年6月30日で、申告期限は10月31日です。タックスエージェントを利用する場合は翌年5月頃まで延長されます。ワーキングホリデービザ保持者には一般とは異なる特別税率が適用されます。
課税所得 | 税率(2025-2026年度) |
|---|---|
$0〜$45,000 | 15% |
$45,001〜$120,000 | $6,750 + 超過分の30% |
$120,001〜$180,000 | $29,250 + 超過分の37% |
$180,001以上 | $51,450 + 超過分の45% |
ワーホリメーカーには非課税枠(Tax-free threshold: $18,200)が適用されません。つまり、1ドル目から15%の税金がかかります。$45,000を超える部分は30%で、これは2024年7月のStage 3減税で従来の32.5%から引き下げられた税率です。
myTaxで自分で申告する方法
ATOの公式オンラインシステム「myTax」を使えば無料で申告できます。myGovアカウントを作成してATOとリンクさせると、雇用主が報告した給与情報が自動的に反映されるため、確認して提出するだけの作業です。仕事に関連する経費(ユニフォームの洗濯代、安全靴、RSA取得費用、仕事用の交通費など)は控除として申請できるので、レシートを保管しておきましょう。自分で申告するのが不安な場合は、タックスエージェントに50〜150AUD程度で依頼できます。日本語対応のエージェントもあります。
スーパーアニュエーション(DASP)の還付
オーストラリアでは給与の12%(2025-2026年度)がスーパーアニュエーション(退職年金)として積み立てられます。ワーホリビザ保持者は帰国後にDASP(Departing Australia Superannuation Payment)として請求可能です。ビザが失効しオーストラリアを出国した後にATOのウェブサイトからオンラインで申請します。ただし、DASPには65%の税率が適用されるため、全額は戻りません。それでも1年間働いた場合は数千ドル規模の還付になるケースが多いです。
カナダのタックスリターン
会計年度と申告方法
カナダの会計年度は1月1日〜12月31日で、申告期限は翌年の4月30日です。CRA(Canada Revenue Agency)の認定ソフトウェアを使ってオンラインで申告するのが一般的です。Wealthsimple Taxは無料で利用でき、ワーホリの申告にも対応しています。TurboTaxも人気があります。
カナダの税率と還付のポイント
カナダでは連邦税と州税が合算で課税されます。連邦税の基礎控除額(Basic Personal Amount)は2025年で$16,129で、これ以下の年収なら連邦税は実質ゼロになります。ワーホリメーカーの多くは年収が$30,000〜$40,000程度のため、源泉徴収された税金のかなりの部分が戻ってくる可能性があります。
T4スリップの受け取りを忘れずに
雇用主から翌年2月末までにT4スリップ(源泉徴収票に相当)が発行されます。これがタックスリターンの必須書類です。複数の雇用主で働いた場合はすべてのT4スリップが必要です。退職前にメールアドレスを雇用主に伝え、T4の送付先を確認しておきましょう。帰国後でもCRAのオンラインアカウント(My Account)からT4を確認できます。
イギリスのタックスリターン
PAYEシステムと還付の条件
イギリスの会計年度は4月6日〜翌年4月5日です。多くの場合、雇用主がPAYE(Pay As You Earn)システムで正しく税金を徴収するため、タックスリターンが不要なケースもあります。ただし、以下の場合は還付申請をすべきです。
- 年度の途中でイギリスを離れる場合(Personal Allowance全額が適用される可能性がある)
- 複数の仕事を掛け持ちして税金を多く引かれた場合
- Emergency Tax Codeで過剰に税金が徴収されている場合
P45の受け取りとP85フォームの提出
帰国前に必ず雇用主からP45(退職時の源泉徴収票)を受け取ってください。年度途中で帰国する場合は、HMRCのサイトからP85フォーム(Leaving the UK)を提出することで還付を申請できます。オンラインでのSelf Assessment申告の期限は翌年の1月31日です。期限を過ぎると即座に100ポンドの罰金が発生するため、早めに手続きしましょう。
イギリスのPersonal Allowance
イギリスでは年間12,570ポンド(2025-2026年度)までの所得が非課税です。ワーホリで年間収入がこの金額以下なら、源泉徴収された税金の全額が還付される可能性があります。年度途中で帰国する場合は年間のPersonal Allowanceが按分されるのではなく全額適用されるため、還付額が大きくなりやすいです。
ニュージーランドのタックスリターン
自動計算システムで手続きが簡単
ニュージーランドの会計年度は4月1日〜翌年3月31日です。IRD(Inland Revenue Department)が会計年度終了後に自動的にタックスリターンの計算を行い、還付金がある場合は登録されたNZの銀行口座に自動で入金されます。そのため、多くの場合は自分で申告書を提出する必要がありません。
ただし、myIRアカウントにログインして情報が正しいか確認することをおすすめします。年度途中で帰国する場合やIRDに情報が反映されていない場合は、個人で申告が必要になることもあります。NZの銀行口座を閉じる前に、還付金の入金が完了しているか必ず確認しましょう。
4カ国の申告スケジュール比較
会計年度と締切日を一覧で確認
国 | 会計年度 | 申告期限 | 主な申告方法 |
|---|---|---|---|
オーストラリア | 7月1日〜6月30日 | 10月31日 | myTax(ATO公式・無料) |
カナダ | 1月1日〜12月31日 | 4月30日 | Wealthsimple Tax(無料)/ TurboTax |
イギリス | 4月6日〜4月5日 | 1月31日(オンライン) | HMRC Self Assessment |
NZ | 4月1日〜3月31日 | 7月7日 | 自動計算(myIRで確認) |
帰国前にやるべき3つのこと
どの国でも共通して重要なのは、Payslipをすべて保管すること、源泉徴収票を雇用主から受け取ること、そして還付金を受け取るまで現地の銀行口座を閉じないことです。帰国後でも申告は可能ですが、帰国前に書類を揃え、オンラインアカウントを作成しておくと手続きがスムーズです。エージェントの手数料は50〜150ドルが相場で、「還付金の30〜40%」を請求するような高額業者には注意してください。
まとめ
タックスリターンはワーホリで帰国前に必ず済ませるべき手続きです。オーストラリアではmyTaxで無料申告でき、スーパーアニュエーション(DASP)の還付も合わせると数千ドル規模の返金になります。カナダはWealthsimple Taxで無料申告が可能で、基礎控除額以下なら大幅な還付が期待できます。イギリスはP85フォームの提出を忘れずに。国ごとに会計年度と締切日が異なるため、自分の滞在スケジュールに合わせて早めに準備を始めましょう。
チェックリスト
0/7 完了オーストラリアのmyTaxは無料で操作も簡単です。雇用主が報告した給与データが自動反映されるため、ほとんどの場合は自分で申告できます。
「還付金の30〜40%を手数料として徴収」するような高額エージェントには注意。相場は$50〜150です。myTaxやWealthsimple Taxなら無料で申告できます。
オーストラリアのDASP(スーパーアニュエーション還付)はビザが失効しオーストラリアを出国した後にしか申請できません。帰国後にATOサイトから手続きしてください。