2026年7月28日

ワーホリと失業保険|渡航前・滞在中・帰国後の受給条件と手続き

ワーホリ中に日本の失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取れるかを、2026年8月27日時点の厚生労働省・ハローワーク情報で整理。受給資格、離職翌日から1年の期限、7日待期、自己都合の給付制限、ワーホリでは延長できない理由、不正受給時の扱い、帰国後の申請手順を判断表で確認できます。

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ワーホリと失業保険|渡航前・滞在中・帰国後の受給条件と手続き

ワーホリのために退職すると、離職日、帰国日、求職申込み後の待期、自己都合離職の給付制限が別々に動くため、「帰国すれば失業保険を受け取れる」「海外にいるだけで一切対象外」という反対の説明が生まれやすいテーマです。ここでいう失業保険は雇用保険の基本手当で、退職だけで自動的に支給されるものではなく、被保険者期間、就職意思と能力、求職活動、離職理由、受給期間の残りを順に確かめる必要があります。

この記事では通常の長期ワーホリ中の給付を渡航資金に入れず、離職日の翌日から原則1年の満了日と帰国後に必要な期間を本人の日付で比較し、渡航前・滞在中・帰国後・別の延長理由がある場合を分けて、今日そろえる書類と相談期限まで判断できる実用ガイドです。

  • 今が渡航前・滞在中・帰国後のどこかを決める
  • 被保険者期間と失業の状態を一つずつ確認する
  • 離職日の翌日から原則1年の満了日を出す
  • 待期・給付制限・希望給付日数を日付へ移す
  • 必要書類をそろえて管轄ハローワークへ相談する

ワーホリと失業保険は渡航時点で判断する

判断の出発点は、渡航前、通常の長期滞在中、帰国後、ワーホリとは別の延長理由がある場合という4状態への分類です。自分の現在地を一つ選べば、次に確認する条件を絞れます。

制度・金額は2026年8月27日時点で確認しています。最新は公式サイトで必ずご確認ください。

失業保険は退職しただけでは受け取れない

基本手当は、会社を辞めた人へ自動的に支払われるお金ではありません。雇用の予約や内定がなく、積極的に就職する意思といつでも就職できる能力があり、仕事を探しているのに職業へ就けない「失業の状態」であることが必要です。

ハローワークの受給手続案内では、求職申込み、受給資格決定、失業認定を別の段階として示しています。退職日と申込日が同じとは限らず、渡航前の空白期間がそのまま支給対象になるわけでもありません。

また、休職は通常、勤務先との雇用関係が続いており、基本手当の前提となる離職とは異なります。雇用関係を残す選択肢との違いはワーホリで休職・休学はできる?で確認し、退職後の制度と混ぜないでください。

通常の長期ワーホリ中は資金計画に入れない

通常の長期ワーホリ中は、日本の基本手当を受け取る前提で予算を組まないのが安全です。日本の職業紹介へ直ちに応じられる環境、指定日の失業認定、求職活動、各日の就労状況の申告を継続することが難しいためです。

ただし、「国外にいる」という地理だけで、すべての日が法律上一律に不支給になるとまでは断定できません。ワーホリビザが就労を認めていても、ビザを持つことと実際に就職・就労していることは別です。

現地で働いた日や収入がある場合は、受給手続後か、認定対象期間か、雇用の状態はどうかを分けて扱います。未確定の給付は0円として生活費を組み、個別確認で受給できると分かった場合だけ後から反映します。

短期渡航や特殊事情は渡航前に相談する

短期渡航、日本企業の面接のための移動、認定日を変更できる事情などは、通常の長期滞在と同じ結論に固定しません。予定を隠さず、渡航日、帰国日、面接先、就労予定、次の認定日を伝えて管轄ハローワークへ事前に相談します。

認定日の変更は、正当な理由の確認や証明書の提出を伴い、原則として事前の申出が必要です。旅行であることだけを理由に変更できるとは限らないため、航空券を買った後ではなく日程を決める段階で確認してください。

配偶者の海外勤務への同行、病気やけがなど、ワーホリ以外の事情が重なる場合は受給期間延長の検討対象が変わることがあります。ビザ名ではなく、実際の渡航理由と就職できない期間を伝えることが判断の入口です。

渡航前・滞在中・帰国後の判断表を作る

次の表で今の状態を一つ選び、自分の次行動と完了条件を記録します。受給できるかをこの表だけで確定せず、どの確認が未了かを見つけるために使ってください。

今の状態

受給判断

自分の次行動

完了条件

渡航前

日本で直ちに就職でき、求職を続ける期間だけ検討

離職票と渡航日程を持って管轄へ相談

対象期間と申告方法を確認済み

通常の長期滞在中

基本手当を渡航資金へ入れない

就労・収入・認定予定を整理

未確定給付を0円で予算化済み

帰国後

原則1年の残りと帰国後必要期間を比較

帰国後すぐ求職申込みを準備

満了日と手続予定日を記入済み

別の延長理由あり

WHではなく実際の理由と証拠で個別判断

30日開始日と証明書を確認

管轄の相談結果を記録済み

退職か休職か、渡航準備をどの順に進めるかという全体設計は社会人のワーホリ完全ガイドへ分けます。本記事では、離職後の基本手当の判断に範囲を限定します。

失業保険の受給条件と1年の期限を確認する

被保険者期間、失業の状態、離職理由、受給期間、所定給付日数は別々の確認項目です。一つ満たしただけで受給できるとは考えず、本人の値と根拠資料を順に埋めます。

原則12か月と例外6か月を分ける

基本手当の受給資格は、原則として離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。倒産・解雇等の特定受給資格者や一定の特定理由離職者は、離職前1年間に6か月以上という例外があります。

被保険者期間の1か月は、原則として賃金支払基礎日数が11日以上ある月で数えます。11日基準だけでは必要月数に足りない場合は、賃金支払基礎時間が80時間以上の月も算入されるため、在職月数だけで自己判定しないでください。

疾病、負傷、出産、育児などで30日以上賃金を受けられなかった期間がある場合は、算定対象期間の扱いが変わることもあります。離職票と勤務記録をそろえ、個別の月数は労働局の離職者向け案内と管轄窓口で確認します。

就職意思・能力・求職中の3条件を満たす

被保険者期間を満たしても、各日の状態が「失業」に当たらなければ基本手当の対象にはなりません。厚生労働省は、次の条件をすべて満たす状態として案内しています。

  • 積極的に就職しようとする意思がある
  • 健康状態や環境の面で、いつでも就職できる
  • 積極的に探しているのに、現在は職業に就いていない

学業への専念、すぐ働く予定がない休養、病気で直ちに就職できない状態などは、同じ「無職」でも扱いは別です。自分の予定を一般論へ当てはめず、厚生労働省の基本手当Q&Aに沿って事実を伝えます。

離職理由はハローワークが資料で決める

離職理由は会社が離職票へ書いた内容だけで確定しません。本人と事業主の主張、離職票、就業規則、契約書、メールなどの資料を確認し、最終的にハローワークが決定します。

本人がワーホリを主目的に自発的に退職した場合は、通常の自己都合になり得ます。ただし、解雇、雇止め、労働条件の重大な相違、健康や家庭の事情などがあれば分類が変わる可能性があるため、渡航目的だけでは離職理由を確定できません。

離職票の記載と認識が違う場合は、受給手続時に異議を伝え、裏付け資料を提出します。特定受給資格者・特定理由離職者の範囲はハローワークの離職理由別案内で確認できます。

受給期間1年と所定給付日数は別の数字

受給期間は、基本手当を受けられる権利の期限で、原則として離職日の翌日から1年です。その期間内でも、求職申込みを含む受給手続後に失業認定を受けた日だけが支給対象となり、満了後は給付日数が残っていても支給されません。

所定給付日数は、条件を満たした人が受けられる日数の上限です。一般の離職者は被保険者期間により90日、120日、150日ですが、特定受給資格者等や就職困難者には別の表があります。

つまり「退職から1年間もらえる」わけでも、「90日分なら満了日を越えて受け取れる」わけでもありません。本人の区分はハローワークの所定給付日数表で確認し、帰国後の逆算に使います。

年齢が影響する項目だけを分ける

積極的な就職意思など失業の定義と、離職翌日から原則1年という受給期間は、20代と30代で共通です。一方、基本手当日額の上限には年齢区分があり、特定受給資格者等の所定給付日数も年齢と被保険者期間で変わります。

年齢だけで受給資格が決まるわけではなく、年齢がまったく影響しないわけでもありません。日額や日数を計算する段階で離職時年齢を記録し、公開時点の公式表へ当てはめます。

ここまでの確認結果を次の表へ転記します。空欄が一つでも残れば、帰国月だけで受給可能日数を確定せず、資料をそろえて相談へ進んでください。

確認項目

本人の値

根拠資料

完了条件

被保険者期間

__か月

離職票・勤務記録

原則または例外区分が明確

失業の3条件

意思・能力・求職状況

求職予定・就労予定

3条件を個別に説明できる

離職理由

__

離職票・契約書等

異議の有無と提出資料が明確

受給期間

満了日__年__月__日

離職日

受給資格者証18欄と一致

所定給付日数

__日

離職区分・加入期間・年齢

公式表または窓口で日数確定

帰国後の申請手順を日付へ落とす

離職日の翌日から数えた受給期間満了日と、帰国後の手続に必要な日数を同じ表へ移します。書類、求職申込み、待期、給付制限、認定の順に並べると、受けたい日数まで残るかを具体的に相談できます。

離職票と本人確認書類をそろえる

受給手続では、勤務先から交付される離職票をはじめ、個人番号・本人確認・本人名義口座の資料などが必要です。必要物は変更や個別差があるため、出発前と帰国後の両方で最新案内を確認します。

  • 離職票1と離職票2
  • マイナンバー確認資料と本人確認書類
  • 写真2枚またはマイナンバーカード
  • 本人名義の通帳またはキャッシュカード

離職票が届かなければ、最初に確かめるのは会社による資格喪失届の処理状況です。会社が手続しない、または督促しても届かない場合は、本人確認書類と退職を確認できる資料を持ち、住居所を管轄するハローワークへ早めに相談します。

離職票の未着を理由に満了日が後ろへ動くわけではありません。厚生労働省Q&Aの必要書類と未着時の案内を見ながら、受取予定日と不足書類を記録してください。

住居所管轄で求職申込みと受給資格決定を行う

帰国後は、住居所を管轄するハローワークで求職申込みと基本手当の受給手続を行います。オンラインで求職情報を登録しただけでは、離職票の提出や受給資格決定まで完了したことにはなりません。

窓口では被保険者期間と離職理由を確認し、受給資格、待期、給付制限、所定給付日数、次回日程が案内されます。逆算表に書くのは、帰国日ではなく、必要書類をそろえて実際に手続できる予定日です。

帰国直後に住居所が定まらない場合や、離職理由に異議がある場合は、先に管轄と必要資料を問い合わせます。書類がそろうまでの日数も、帰国後必要期間の一部です。

7日待期は失業認定された日を通算する

待期は、求職申込みをした後、失業と認定された日を通算して7日になるまでの期間です。申請日の翌日から7暦日が経過しただけで終了するわけではありません。

待期中に就労した日などがあれば、7日の数え方や完了日が変わり得ます。離職理由を問わず待期はあるため、帰国後必要期間には7日を置き、窓口で実際の待期満了日を確認します。

待期は給付制限とも別です。自己都合離職で給付制限がある場合は、待期を終えた後に給付制限が続くため、二つを重ねず順番に置いてください。

自己都合の給付制限は離職日と例外を確認する

退職日が2025年4月1日以後で、正当な理由のない自己都合離職なら、給付制限は原則1か月です。2025年3月31日以前の離職は原則2か月なので、帰国日ではなく退職日を基準にします。

ただし、退職日からさかのぼる5年間に正当な理由のない自己都合退職で2回以上受給資格決定を受けた場合や、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇では3か月です。一定の教育訓練等を受ける場合には給付制限の解除制度もあります。

ワーホリ目的の退職を理由に、自分で1か月と確定しないでください。ハローワークが決めた離職理由と基準日、反復離職等の例外を確認し、逆算表へ実際の月数または日付を書きます。

原則4週ごとの認定と求職実績を続ける

受給資格決定後の失業認定は、原則4週間に1回の指定日に行われる手続です。失業認定申告書へ求職活動、就労日、収入などを正確に書き、必要書類を提出します。

求職活動実績は原則2回以上ですが、初回や給付制限の長さにより必要回数が異なります。求人への応募、ハローワーク等の職業相談や紹介、公的機関等のセミナーなどが対象で、求人情報を眺めるだけでは実績になりません。

正当な理由なく認定日に来所しないと、その認定対象期間と当日の基本手当を受けられない場合があります。認定日の約7日後が振込の目安であり、逆算結果に振込を保証する日数ではない点にも注意してください。

帰国日から受け切れるか逆算する

次の2式を使い、まず期限を日付で出し、次に帰国後に必要な期間を積み上げます。所定給付日数の全部ではなく一部を希望する場合も、希望日数を自分で書き換えられます。

受給期間満了日 = 原則、離職日の翌日から1年間の末日です。たとえば2026年3月31日離職なら2027年3月31日が満了日となるため、最終的には雇用保険受給資格者証18欄で確認します。

帰国後必要期間 = 手続までの日数 + 待期7日 + 給付制限 + 受けたい所定給付日数

手続までの日数には、帰国後に住居所を整え、書類をそろえ、窓口で受給手続をするまでを入れます。給付制限は月数を一律30日とせず、計算に使うのは窓口で示された開始日と終了日です。帰国予定日から満了日までの残りより帰国後必要期間が長ければ、不足日数があるため、希望給付日数を含めて窓口で再確認します。

記入欄

自分の値

計算に使う意味

完了条件

離職日

__年__月__日

受給期間の起点確認

離職票の日付を使用

満了日

__年__月__日

原則1年の期限

受給資格者証18欄の年月日を使用

帰国予定日

__年__月__日

帰国後準備の起点

確定した旅程を記入

手続予定日

__年__月__日

書類準備後の申込日

管轄と開庁日を照合済み

待期

7日・満了予定__日

失業認定日の通算

窓口案内を反映

給付制限

なし・1か月・2か月・3か月・その他

離職日と理由で判定

受給資格通知等で確認

希望給付日数

__日

受けたい日数

所定給付日数以下

不足日数

__日

満了までに足りない日数

0以下または相談済み

このワークシートは支給保証ではありません。認定日、求職実績、就労状況、振込日程、窓口の個別判断も関係するため、記入した表と離職票を持って帰国後できるだけ早く管轄ハローワークへ相談してください。

ワーホリで受給期間を延長できるか

ワーキングホリデーへ行くこと自体は、基本手当の受給期間を延長する理由になりません。ただし、病気や配偶者の海外勤務への同行など別の対象理由がある人は、ワーホリという滞在資格ではなく、実際の事情と証拠で判断されます。

確認する順番は、対象理由があるか、その理由で就職できない状態が30日以上続くか、資料で証明できるかの3段階です。単に海外へ長く滞在する予定があるだけでは、この3段階の最初を満たしません。

ワーホリと通常の海外旅行は延長対象外

受給期間の延長は、離職後すぐ働けない事情が30日以上続く人のための制度です。本人が希望して行く通常の海外旅行は対象外であり、沖縄労働局の受給期間延長FAQは、海外留学とワーキングホリデーでは延長申請できないと明記しています。

ここでいう「延長できない」は、ワーホリの日数を原則1年の受給期間へ足せないという意味です。帰国後に元の受給期間が残っている場合の受給手続まで否定する説明ではありません。

延長事由は6つだけではない

延長事由を「公表された6項目だけ」と数えるのは正確ではありません。法令は妊娠、出産、育児、疾病・負傷に加え、それらに準じて公共職業安定所長がやむを得ないと認める事情を対象にしています。

厚生労働省の2026年8月版業務取扱要領は、不妊治療、親族の介護、就学前の子の看護、障害者支援施設等への入所、配偶者同行、公的海外活動などを具体化しています。項目数ではなく、自分が対象理由で30日以上就職できないかを確認してください。

  • 病気・けがや不妊治療で就職できない
  • 妊娠・出産・3歳未満の子の育児をしている
  • 親族の介護や就学前の子の看護が必要である
  • 配偶者の海外勤務へ同行する
  • 公的機関による一定の海外活動へ参加する

この一覧もすべての審査結果を保証するものではありません。定年等の後に休養する人の延長は申請期限と加算上限が異なる別枠なので、ワーホリの予定へ流用しないでください。

配偶者同行などは実際の理由と証拠で判断する

配偶者の海外勤務へ同行する場合は、延長事由に該当する余地があります。しかし、渡航先でワーホリビザを持つことだけでは、同行が主な理由か、就職できない期間がいつから続くかを証明できません。

配偶者の転勤辞令、婚姻関係を示す書類、出国日など、管轄ハローワークが求める資料を準備します。現地での就労状況も含めて個別審査になるため、航空券を確定する前に相談し、必要書類を記録してください。

延長申請は30日後できるだけ早く行う

病気等で就職できない状態が30日以上続いた場合は、その30日が経過した日の翌日以降、できるだけ早く申請するのが原則です。厚生労働省Q&AのQ15では、延長後の受給期間の末日まで申請可能と案内しています。

旧案内にある「30日継続後1か月以内」を現在の一律期限として使わないでください。法定期間内でも申請が遅いと所定給付日数を受け切れない可能性があり、代理人や郵送を使える場合もあるため、管轄へ早めに方法を確認します。

なお、定年等の後に一定期間休養する人の延長は、離職日の翌日から2か月以内です。病気等による延長と起点も期限も違います。

延長は所定給付日数を増やす制度ではない

延長で増えるのは、基本手当を受けられる権利の有効期間です。病気等で就職できない日数を原則1年へ加え、通常の加算上限は3年ですが、90日など本人に決まった所定給付日数は増えません。

延長中に基本手当が支給される制度でもありません。延長理由が終わり、すぐ就職できる状態になった後に、延長通知書や理由が終わったことを示す資料をそろえて受給手続へ進みます。

理由

WH単独か別理由か

30日開始日

証明書

自分の事情

WH単独・別理由

年 月 日

名称を記入

配偶者同行等

主な渡航理由を記入

年 月 日

辞令・関係書類等

最後に、相談先と相談結果は次の表へ分けて記入してください。

相談する管轄

相談結果と次の期限

住居所管轄ハローワーク

可否・不足資料・申請予定日を記入

2つの表が埋まったら、相談日、申請予定日、延長理由が終わった後の届出までを予定表へ移します。「相談予定」のまま渡航せず、必要資料と次の期限を確認できた状態をこの章の完了としてください。

虚偽申告を避け資金計画を立てる

渡航した事実、現地で働いた事実、収入が発生した事実は分けて扱います。基本手当を未確定収入として生活費へ足さず、受給手続後は給付制限中も就労日と収入を正確に申告してください。

虚偽申告による受給は最大3倍相当になり得る

問題になるのは、単に渡航したことではなく、偽りその他の不正な行為によって給付を受けた場合です。雇用保険法10条の4が定めるのは、不正に受けた給付の返還と、最大でその2倍相当の追加納付です。

そのため、返還と追加納付を合わせると最大3倍相当になり、以後の基本手当も支給停止となる場合があります。「黙って渡航した時点で自動的に不正」「一律3倍を納付」とはせず、虚偽申告と受給の因果関係を区別した説明が必要です。

給付制限中も就労日と収入を申告する

基本手当の受給手続後は、給付制限中のアルバイト等も失業認定申告書へ記載します。収入がなかった日や短時間の仕事でも自己判断で外さず、就労日、時間、収入、雇用契約を管轄ハローワークへ伝えてください。

現地就労だから申告不要という例外は確認できません。まだ振込を受けていないことと、受給手続後の申告義務がないことは同じではないため、渡航予定が決まった時点で認定の扱いを相談します。

分ける事実

記録する内容

確認先

完了条件

海外滞在

出国日・帰国予定日

管轄ハローワーク

認定の扱いを確認

現地就労

勤務日・時間・契約

管轄ハローワーク

申告方法を確認

収入

金額・支払日・通貨

ハローワーク・税務署

制度別に記録

非課税・税扶養・健康保険扶養を分ける

雇用保険の基本手当は所得税上非課税で、基本手当だけを理由に確定申告する必要はありません。税法上の扶養判定でも、国税庁の扶養控除Q&Aは、非課税所得を合計所得金額へ含めないと案内しています。

一方、外国で得た給与、退職金、国内で得た給与の申告要否は別の判定です。日本の居住者・非居住者は住民票の有無だけでは決まらず、判断の基準は国税庁の住所・居所の判定案内にある生活の本拠などの客観的事実です。

健康保険上の扶養は税扶養とは別で、失業給付が収入判定へ含まれ、受給中に扶養を外れる場合があります。日本年金機構の被扶養者手続も確認し、加入先保険者へ受給資格者証等を示して収入、生計維持、海外居住の要件を確認してください。

ワーホリは健康保険の国内居住要件の海外特例に含まれ得ますが、それだけで扶養認定されるわけではありません。厚生労働省の被扶養者国内居住要件Q&Aも、身分関係や生計維持など他の要件は別に確認するよう案内しています。

自社94件には制度を直接語る体験談がなかった

2026年8月27日に公開体験談94件を読み取り専用で監査し、失業保険、雇用保険、基本手当、再就職手当などを本人が直接記した例は0件でした。帰国と手続に関する言葉が同じ記録にあった6件も、日本帰国後の雇用保険手続を述べたものではありません。

監査では、各体験談の本文、助言、メリット、デメリット等を対象語で検索し、候補を全文で再確認しました。直接記載0件という結果を、制度を使った人が存在しないという意味へ広げないでください。

この0件は自社の公開94件の収録範囲だけを示し、ワーホリ経験者全体の受給率や帰国後の就職難易度には一般化できません。年齢、滞在期間、退職歴から受給資格を推定せず、制度の根拠には公的一次情報だけを使います。

渡航初期に収入が安定するまで貯金を使った個別例は、初期資金に余裕を持たせる材料に限って参照します。帰国後の求職に難しさを感じた個別例も本人の仕事観であり、基本手当や再就職手当の受給を示す証拠ではありません。

失業給付0円の基準予算を作る

資金表でのWH滞在中の日本の基本手当は0円です。帰国後に受給資格が決まり、実際に支給された場合だけ後から上振れ分として反映すれば、支給時期や日数が想定と違っても生活費が不足しにくくなります。

先にWH生活費、帰国費、帰国後生活費、手続中の無収入期間を見積もり、確保済み資金との差を不足額として記入します。基本手当の見込額を不足の穴埋めに使わず、相談結果と認定後の支給額を別欄で管理してください。

項目

自分の見積額

基準予算での扱い

確認根拠

WH生活費

必要額へ加算

滞在月数と月予算

帰国費

必要額へ加算

航空券等の見積

帰国後生活費

必要額へ加算

月予算と想定月数

手続中の無収入期間

必要額へ加算

待期・給付制限等

確保済み資金

必要額から控除

預金残高

失業給付

0円

基準予算に足さない

支給後だけ反映

不足額

追加で確保

必要額-確保資金

基準必要額は、WH生活費、帰国費、帰国後生活費、手続中生活費の合計です。そこから確保済み資金を引き、結果がプラスなら、その金額を出発前に追加で確保する目標額として扱います。

ワーホリと失業保険のよくある質問

自己都合、帰国時期、休職、海外での申告、再就職手当は、それぞれ別々の判定です。よくある5つの疑問を、自分が次に確認する資料と日付まで整理してください。

ワーホリ目的の退職はすべて自己都合ですか

ワーホリへ行くため本人が希望して退職した場合は、通常の自己都合となる可能性があります。ただし、離職理由は渡航目的の名称だけで決まるものではありません。本人と事業主の主張、離職票、証拠資料を確認したうえで、ハローワークが決定します。

賃金未払い、著しい労働条件の相違、ハラスメント、雇い止めなど別の事情があるなら、受給手続時に口頭だけで済ませず資料を提出してください。「ワーホリ予定だから一律に自己都合」と決めつけないことが大切です。

退職から3か月・6か月・1年で帰国すれば受給できますか

帰国までの月数だけでは受給可否も受け取れる日数も決まりません。原則の受給期間満了日、帰国後の手続日、失業と認定される待期7日、給付制限、所定給付日数を本人の日付で並べます。

3か月や6か月で帰国しても、手続が遅い場合や長い所定給付日数を希望する場合は受け切れないことがあります。離職翌日から原則1年を過ぎれば残日数があっても支給されないため、帰国後すぐ管轄へ相談してください。

1年間の滞在なら、退職日と出国日の間隔、帰国便の到着日だけでも残期間が変わります。月数の目安ではなく、離職日と受給期間満了日を年月日で比較してください。

休職して渡航する場合も対象ですか

休職中は通常、会社との雇用関係が続き、基本手当の前提となる離職をしていません。そのため原則として基本手当の対象ではなく、離職者向けの受給期間延長を使う場面とも異なります。

ただし、休職の名称だけで雇用関係の実態を決めないでください。復職条件、社会保険、給与、退職へ切り替わる日を会社へ確認し、実際に離職した場合はその離職日を基準に制度を判定してください。

海外滞在や現地就労を申告しないとどうなりますか

受給手続後は、給付制限中を含め、働いた日と収入を失業認定申告書へ正確に記載する必要があります。海外滞在という地理だけで自動的に不正受給とは言えませんが、就労や求職状況を偽って給付を受ければ支給停止、返還、追加納付の対象となる可能性があります。

渡航前に出国日、帰国予定日、現地就労予定、次回認定日を伝え、認定対象期間の扱いを確認してください。相談した日、担当窓口、必要な届出をメモに残すと、帰国後の説明もそろいます。

帰国後すぐ就職すれば再就職手当を受けられますか

帰国後すぐ就職しても、自動的には支給されません。厚生労働省が示す次の8要件をすべて満たす必要があります。

  • 就職日前日までの認定後、支給残日数が所定日数の3分の1以上ある
  • 1年を超えて勤務することが確実と認められる
  • 7日の待期が終わった後に就職する
  • 給付制限時、待期後1か月内は所定の紹介で就職する
  • 前職や密接な関係のある事業主への再就職ではない
  • 過去3年内に再就職手当等を受けていない
  • 受給資格決定前から内定していた会社ではない
  • 原則として雇用保険の加入要件を満たす

残日数が所定給付日数の3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%を基本手当日額等から計算します。標準の申請期間は就職翌日から1か月以内ですが、対象給付は2年の時効内なら申請できる場合があるため、遅れたときも厚生労働省の時効案内を確認して管轄へ相談してください。

再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限があり、金額は毎年8月1日に改定されます。帰国後すぐ求職する人は受給資格決定と内定の順序を確認し、就職後は申請書の事業主証明を早めに依頼してください。

まとめ:今日やる3ステップ

  1. 離職日を書き、原則1年の受給期間満了日を出す
  2. 離職理由と被保険者期間を資料で確認する
  3. 帰国後必要期間を逆算し、管轄へ相談する
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