ワーホリで空港で働くには|仕事の種類と身元審査・国別の条件
ワーホリで空港で働くための条件をまとめました。免税店・カフェ・手荷物・チェックインなど仕事の種類ごとの身元審査の要否、豪州のASIC・カナダのTSC・英国の審査の期間、オーストラリアの時給とシフトの割増、求人の探し方と渡航前の準備が分かります。

「ワーホリで空港で働けたら、英語も接客の経験も生かせるのに」。そう思っても、ワーホリビザで空港の仕事に就けるのか、英語の職場でやっていけるのか、不安が先に立つ方もいるはずです。審査や書類の準備にどれくらい時間がかかるのか、という迷いも重なります。
本記事では、空港の仕事の種類ごとに、必要になる国の身元審査と身分証、オーストラリア・カナダ・英国の手続きの期間をまとめました。オーストラリアの給与の目安や早朝・深夜のシフトの注意点も、公式情報でまとめて確かめられます。
同じ流れで、空港の現場の求人の探し方と、出発前にできる書類や英語の準備も見ていきましょう。
ワーホリで空港で働くための条件
ワーホリビザでも空港で働くことはできますが、多くの職種では採用のあとに国の身元審査を受け、専用の身分証を持つ必要があります。審査は採用が決まってから始まるのが基本で、国によっては時間がかかるため、仕事選びと滞在の計画を合わせて考えましょう。
ワーホリビザでも空港の仕事はできる
オーストラリア内務省は、ワーホリビザ(417)なら12か月の滞在中どんな種類の仕事もできると説明しています。カナダのワーホリは雇用主を限らない就労許可で、英国のYouth Mobility Schemeも「ほとんどの仕事」ができるとされています。
ビザの面では、空港の店舗や航空会社の地上業務に就くことに特別な制限はありません。ただしオーストラリアの同じ雇用主で原則6か月までの決まりや、カナダで一部の仕事に健康診断が要るなど、国ごとの就労ルールはあるので、最新は公式サイトでご確認ください(オーストラリア内務省の就労の決まり)。
多くの職種で国の身元審査を受ける
空港には保安検査の内側や滑走路側など、一般の人が入れない区域があります。そこで付き添いなしに働く人は、犯罪歴や治安情報、働く資格などを確かめる国の身元審査を受け、専用の身分証を持つ決まりです。
オーストラリアでは、手荷物係・空港内の小売や飲食・清掃・保安検査員が、この身分証(ASIC)が必要な例として公式に挙げられています。どの区域で働くかで必要な身分証が変わり、シドニー空港では保安区域の外で働く人向けに別のカードもあります。最新は公式サイトでご確認ください(AusCheckのASICの案内)。
審査は採用が決まってから始まるのが基本
身元審査は、仕事が決まってから雇用主を通して申請する流れが基本です。カナダ運輸省は、運輸保安クリアランスの申請は雇用主が始めるもので、本人だけでは申請できないと明記しています。
オーストラリアは本人が発行機関を通して申請し、雇用主から番号(employer code)をもらう形で、身分証そのものの発行は採用後です。「job ready」に対応した発行機関なら、仕事が決まる前に審査だけ先に受けられます。どちらの国でも、到着後に採用されてから手続きの時間がかかると考えておきましょう。最新は公式サイトでご確認ください(カナダ運輸省の保安クリアランスの案内)。
空港の仕事の種類と身元審査の要否
空港の仕事は、店舗・飲食、手荷物や機体まわりの地上業務、チェックインやラウンジなどの旅客業務に分かれ、保安区域に入るかで身元審査の要否が変わります。オーストラリアの公式の手がかりで整理すると、次のとおりです。
仕事 | ASICの公式の手がかり | 6か月ルールの例外 |
|---|---|---|
カフェ・レストラン | 飲食の店員 | 例外に明記 |
免税店・ショップ | 小売の店員 | 明記なし |
手荷物・ランプ | 手荷物係 | 明記なし |
チェックイン・ラウンジ | 保安区域に入るなら必要 | 明記なし |
清掃 | 空港の清掃員 | 明記なし |
6か月ルールは、オーストラリアで同じ雇用主のもとで働ける期間の決まりです(2026年10月時点)。
店舗と飲食は保安区域の内側なら身分証が必要
免税店や空港内のカフェは、日本での接客の経験を生かしやすい仕事です。オーストラリアのAusCheckは、灰色のASICを税関の管理区域にある小売店の店員によく使われるカードと説明しており、保安区域の内側の店で働くなら身分証が要ります。
空港内のカフェやレストランは、オーストラリアの6か月ルールの例外として明記された飲食業に入ります。同じ店で長く働きやすい一方、免税店などの小売は例外に明記がないため、最新は公式サイトでご確認ください(オーストラリア内務省の6か月ルールの説明)。
手荷物やランプの仕事は運転免許が前提の等級も
手荷物の積み下ろしや機体まわりの仕事は、赤のASICが必要な滑走路側の区域で働くことになります。オーストラリアの航空地上職の労働協約(Ground Staff Award)では、入門の等級は州の運転免許を持っていることが条件です。
カナダでも手荷物を扱う区域は制限区域の例に挙げられており、運輸保安クリアランスが要ります。運転免許が条件の等級もあるので、応募先の条件を先に確かめましょう。最新は公式サイトでご確認ください(Airline Operations—Ground Staff Award 2020・カナダ運輸省の保安クリアランスの案内)。
チェックインやラウンジは地上業務の会社が雇う
チェックインや搭乗ゲート、ラウンジの受付は、航空会社やその業務を請け負う地上業務の会社が雇うことが多い仕事です。同じ労働協約の事務・支援の入門等級には、ラウンジの利用案内や受付での乗客の出迎え、国際線の到着・出発の補助が典型の業務として挙がっています。
バンクーバー空港の採用ページには、航空会社の欄に全日空や日本航空も載っていますが、掲載は各社の採用ページへの入口で、求人があることやワーホリの採用を約束するものではありません。最新は公式サイトでご確認ください(バンクーバー空港のPartner Careers)。
国ごとの空港の身分証と審査期間
空港の身分証の名前や審査の期間は国ごとに違い、オーストラリアは比較的早く、カナダは日本で暮らしてきた人ほど書類と時間がかかります。主な国の公式の目安は次のとおりです(2026年10月時点)。
国 | 身分証 | 審査の目安 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
オーストラリア | ASIC | 75%が3週間以内 | 最長2年 |
カナダ | TSCと制限区域パス | 60営業日超になりやすい | 最長5年 |
英国 | 空港の身分証 | 公式の目安なし | 政府の確認は最長5年 |
豪州のASICは4分の3が3週間以内に審査
AusCheckによると、ASICの審査は多くが受付から3週間以内に終わる一方、犯罪歴や安全保障の確認で3〜8週間かかる人もいます。そのため、申請は必要な日の6週間前までが目安です。
手数料はAusCheck分が2年の成人で262豪ドルで、これに発行機関の事務手数料が加わります。申請では日本も含めた過去10年分の住所を書き、身分証の原本を持って対面の確認を受けます。ASICは新しい雇用主に移せないため、転職するとカードを返して、新しい雇用主のもとで申請し直すことになります(手続きは発行機関に確認)。最新は公式サイトでご確認ください(AusCheckの審査期間の案内)。
カナダのTSCは日本の犯罪経歴証明書が必要な見込み
カナダ運輸省は、過去5年にカナダ・米国の外に合計6か月以上いた人には警察証明などを、24か月を超える人にはさらに居住や職歴の書類も、申請の時点で出すよう求めています。直前まで日本で暮らしていたワーホリの人は、日本の犯罪経歴証明書が要る見込みです。
審査は受付の確認まで最大10営業日で、日本で暮らしてきた人は複雑な案件として扱われ、判断まで60営業日を超えることがあります。外務省によると、海外の日本大使館などで犯罪経歴証明書を申請すると入手まで概ね2か月、3か月以上かかることもあるため、合わせて5か月以上かかる可能性もあります(試算)。1回最長12か月の滞在のうち、かなりの期間を審査待ちに使うことになるので、最新は公式サイトでご確認ください(カナダ運輸省の国外期間がある人向けの案内)。
英国は過去5年の経歴を空白なく示す
英国で保安区域に付き添いなしで入る身分証には、政府の確認(Accreditation Check)で本人確認と少なくとも過去5年の職歴・学歴・空白期間の確認が行われます。英国民間航空局は、6か月以上続けて住んだ国ごとに、過去5年分の海外の犯罪経歴証明の提出が条件です。
マンチェスター空港では、保安区域の内側の仕事は5年分、外側の仕事でも2年分の経歴を確かめるとしています。日本での前職や学校に英語で照会できる連絡先をまとめておくと手続きが進めやすく、最新は公式サイトでご確認ください(英国民間航空局の海外の犯罪経歴の案内)。
空港の仕事の給与とシフトの注意点
オーストラリアの空港の仕事の最低時給は、2026年7月からは多くの職種で27豪ドル前後で、早朝や週末のシフトには割増があります。ただし始発前後の通勤や、同じ雇用主で働ける期間の決まりにも気をつけましょう。
豪州の空港の仕事は時給27豪ドル前後から
オーストラリアでは業種ごとの労働協約(アワード)で最低賃金が決まっており、2026年7月1日からの主な時給は次のとおりです。
仕事と等級 | 時給 | カジュアル |
|---|---|---|
機体まわりの地上業務 入門 | 27.38豪ドル | 34.23豪ドル |
地上職の事務・支援 入門 | 28.24豪ドル | 35.30豪ドル |
小売の店員 レベル1 | 27.81豪ドル | 34.76豪ドル |
清掃 レベル1 | 27.08豪ドル | 33.85豪ドル |
カジュアルは有給休暇がない代わりに25%上乗せされた額です。大手の雇用主はアワードではなく会社ごとの協約が使われることもあるため、自分の職種の額は公正労働オンブズマンの計算ツールで確かめ、最新は公式サイトでご確認ください(Airline Operations—Ground Staff Award 2020)。
早朝や深夜のシフトは割増と通勤に注意
空港の仕事は朝早くから夜遅くまでのシフトが多く、割増がつく一方で通勤の手段に困ることがあります。航空地上職のアワードでは、シフト勤務の場合、朝4時から7時前に始まるシフトは通常の時給の115%(15%増し)、土曜は150%(5割増し)、日曜は200%(2倍)です。
シドニー空港の国際線ターミナルは朝3時から夜11時まで開いており、働く人はその前後にも勤務がありえます。始発前に出勤できるかを交通局の乗換案内で確かめ、空港に通いやすい場所に住むと安心です。シドニー空港の身分証の窓口は平日の日中だけ開いているので、シフトと手続きの日程も合わせ、最新は公式サイトでご確認ください(シドニー空港のID窓口の案内)。
豪州の6か月ルールは職種で扱いが違う
オーストラリアのワーホリでは、同じ雇用主のもとで働けるのは原則6か月までです。ただし観光・接客業は例外で、空港内のカフェやレストラン、テイクアウトの店は、許可なしで6か月を超えて同じ雇用主のもとで働けます。
免税店などの小売や、手荷物などの地上業務は例外に明記がありません。ただし観光客に直接サービスする仕事も例外に含まれるため、免税店やカウンターの仕事が当たるかは雇用主か内務省に確かめましょう。同じ雇用主でも1つの勤務地で6か月を超えなければ続けて働ける仕組みもありますが、ASICは雇用主を変えるとカードを返して申請し直すことになる点に注意が必要です。例外は政府が見直すまでの扱いなので、自分の職種が当たるかは最新を公式サイトでご確認ください(オーストラリア内務省の6か月ルールの説明)。
空港の求人の探し方と渡航前の準備
空港の現場の求人は、空港会社よりも航空会社や地上業務の会社、店舗の会社が出していることが多いので、空港の「パートナー企業」の一覧から探すのが近道です。渡航前には犯罪経歴証明書の取り方と、英語での接客、経歴の整理を準備しておきましょう。
求人は航空会社や店舗の会社が出している
バンクーバー空港の採用ページには、空港のある島で数百の事業者・2万6,500人以上が働くとあり、航空会社・空港業務・飲食・小売などの会社の採用ページへの入口がまとめられています。シドニー空港の会社自体の求人ページは、2026年10月時点で本社や専門職の募集が中心です。
チェックインや手荷物、店舗や飲食の仕事を探すなら、空港の一覧から航空会社・地上業務の会社・免税店の会社の採用ページを見るのが効率的です。現地に着いたら早めに動き出しましょう。
さらに仕事探しは早めに行動することと履歴書を複数用意しておくことをおすすめします。
バンクーバーに8か月滞在した23歳の人の助言です(体験談を読む)。空港の仕事に限らず、職種ごとに書き分けた履歴書があると、応募の幅が広がるはずです。
犯罪経歴証明書は取れるかを警察に確認
日本の犯罪経歴証明書は、国内なら住所地の警察本部で申請でき、警視庁では手数料無料・おおむね2週間で受け取れます。ただし「証明書発給の必要性が確認できる書類」として、採用通知や雇用契約書などを求められる場合もある点に注意が必要です。
仕事が決まる前に取れるとは限らず、海外の日本大使館などで申請すると概ね2か月、3か月以上かかることもあります。カナダや英国で空港の仕事を狙うなら、出発前に住所地の警察本部へ電話で受理できるかを確かめましょう。証明書には旅券番号が載るため、パスポートの更新予定も合わせて確認し、最新は公式サイトでご確認ください(警視庁の犯罪経歴証明書の案内)。
英語での接客と経歴の整理を出発前に
空港の仕事は乗客や同僚と英語でやり取りする場面が多く、出発前に接客の英語に慣れておくと応募しやすくなります。
仕事ではとにかくコミュニケーション能力を問われるので聞かれたら答えるではなく、積極的に自分から声をかけるという姿勢が求められました。
イギリスのレディングでワーホリをし、カフェで働いた22歳の人の振り返りです(体験談を読む)。あわせて、身元審査で求められる過去の住所・職歴・学歴を英語で一覧にしておくと、採用後の手続きが進めやすくなります。英語の準備はワーホリ前の英語の準備も参考にしてください。
よくある質問
ワーホリでの空港の仕事について、4つの質問に短く答えます。
英語が苦手でも空港で働けますか?
空港の仕事は乗客や同僚と英語で話す場面が多いため、英語が苦手なうちは応募できる仕事が限られやすいと考えられます。まず語学学校や空港以外の接客で英語に慣れてから、空港の求人に応募する順番も一つの方法です。
日本人は空港で採用されやすいですか?
採用は雇用主しだいで、日本人だから有利とは言えません。バンクーバー空港の採用ページには日本の航空会社も載っていますが、求人や採用を約束するものではないので、日本語での接客ができる点を経験とあわせて伝えましょう。
渡航前に空港の身分証を取っておけますか?
身分証そのものは取っておけません。カナダは雇用主しか審査の申請を始められず、オーストラリアは採用後に身分証が発行されます。ただしオーストラリアは「job ready」に対応した発行機関なら、仕事が決まる前に審査を先に受けられます。日本の犯罪経歴証明書が出発前に取れるかは警察本部に確かめ、最新は公式サイトでご確認ください。
ニュージーランドの空港でも働けますか?
ニュージーランドのワーホリビザでは一時的な仕事に就け、2026年4月20日からは雇用主のもとで働く決まりが明確になりました。空港の保安区域で働くには審査つきの身分証が必要とされているので、条件は最新を公式サイトでご確認ください。
まとめ
ワーホリビザでも空港で働くことはできますが、店舗・飲食・手荷物・チェックインなど多くの仕事で、採用後に国の身元審査を受けて身分証を持つ必要があります。審査はオーストラリアなら3週間ほどが多い一方、カナダは日本の犯罪経歴証明書も含めて数か月かかる可能性があります。
まずは行きたい国の空港の採用ページで働く会社を調べ、犯罪経歴証明書の取り方を警察本部に確かめてみてください。国ごとの条件はオーストラリアやカナダのワーホリガイドで確かめられます。
この記事の出典
- オーストラリア内務省「Permission to work longer than 6 months with one employer」
- オーストラリア内務省「6 month work limitation」
- AusCheck「Apply for an Aviation Security Identification Card (ASIC)」
- AusCheck「How long does a background check take」
- AusCheck「Fees for background checks」
- AusCheck「Manage an ASIC」
- Sydney Airport「ID and Access Services」
- Sydney Airport「Job opportunities」
- Sydney Airport「Transport options」
- Fair Work Commission「Airline Operations—Ground Staff Award 2020」
- Fair Work Commission「General Retail Industry Award 2020」
- Fair Work Commission「Cleaning Services Award 2020」
- Fair Work Commission「The national minimum wage」
- Transport Canada「Applying for transportation security clearances」
- Transport Canada「How to apply」
- Transport Canada「Guidelines for TSC applications with extended out-of-country implications」
- IRCC「International Experience Canada: About the program」
- Vancouver Airport Authority「Partner Careers」
- GOV.UK「National security vetting: clearance levels」
- UK Civil Aviation Authority「Overseas criminal record checks」
- Manchester Airport「Vetting」
- GOV.UK「Youth Mobility Scheme visa」
- Immigration New Zealand「Japan Working Holiday Visa」
- Immigration New Zealand「Changes to employment conditions for open work visa holders」
- 警視庁「渡航証明(犯罪経歴証明書)の申請」
- 外務省「在外公館における証明」