オーストラリアワーホリは稼げるのか|手取り月収と残るお金を試算
オーストラリアのワーホリは本当に稼げるのか。2026年7月からの最低賃金と週末の割増、ワーホリの税率をもとに働き方別の手取りを試算し、生活費を引いて残るお金、違法な低賃金・税金・年金の払い戻しで損をしない確認点、渡航前に用意する資金までまとめました。

「オーストラリアのワーホリは本当に稼げるのか、SNSで見る『月50万円』は自分にも当てはまるのか」と、期待と「甘くない」という声の間で迷い、いくら貯金して行けばよいかも決めきれない人は少なくありません。
そこで本記事では、2026年7月からの最低賃金と週末の割増、ワーホリの税率をもとに、働き方別の手取りの試算と、生活費を引いて手元に残るお金を、具体的な数字で順を追って整理します。
同じ流れで、稼げる人と稼げない人を分ける働き方や、違法な低賃金・税金・年金の払い戻しで損をしないための確認点、渡航前に用意しておきたい資金の目安もまとめています。
オーストラリアのワーホリの時給の決まり方
オーストラリアの時給は、2026年7月1日からの全国最低賃金A$26.44(約2,917円)が目安です。短期・不定期のカジュアル雇用なら25%が上乗せされ、週末や祝日はさらに上がります。
最低賃金は時給A$26.44でカジュアルは上乗せ
全国最低賃金は、2026年7月1日から時給A$26.44、週38時間でA$1,004.90になりました。決定は2026年6月2日に、最低賃金を決める公的機関の公正労働委員会(Fair Work Commission)が発表しました。働く人の相談窓口である公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)も、最低賃金のページで案内しています。
ワーホリで多いカジュアル雇用は、有給休暇がない代わりに時給へ25%が上乗せされ、全国最低賃金をもとにするとA$33.05になります。ただし飲食・宿泊の協約では、未経験で入った最初の最長3か月は入門レベルの時給A$25.74、カジュアルならA$32.18になることがあり、21歳未満は大人の何割かの時給です。円の金額はA$1=約110円(2026年10月9日時点の豪州準備銀行の参考レート)で計算しており、為替で1割ほど変わります。最新は公式サイトでご確認ください。
週末と祝日は時給が大きく上がる
土曜・日曜・祝日に働くと、ペナルティレートと呼ばれる割増の時給が付きます。割増の率は職種ごとの労働協約で決まり、カフェやホテルが入る飲食・宿泊の協約では、次のようになっています。
働く日 | カジュアルの時給 | 円の目安 |
|---|---|---|
平日 | A$33.05 | 約3,647円 |
土曜 | A$39.66 | 約4,376円 |
日曜 | A$46.27 | 約5,105円 |
祝日 | A$66.10 | 約7,293円 |
これは飲食・宿泊の協約で、入門レベルの次の等級にあたるLevel 1の成人の、2026年7月1日からの時給です。21歳未満は大人の何割かになり、この協約の18歳のLevel 1は、フルタイム・パートなら平日A$18.51、カジュアルなら平日A$23.14です。同じ時間働いても、曜日と年齢で収入が大きく変わることを覚えておきましょう。最新は公式サイトでご確認ください。
本当の最低額は職種ごとに決まる
実際に受け取るべき最低の時給は、全国最低賃金ではなく、職種ごとの労働協約で決まります。公正労働委員会自身も、全国最低賃金そのままで払われている人はごくわずかだと説明しているほどです。
自分の仕事の最低額は、公正労働オンブズマンの給与計算ツールで、職種と等級を選べば確かめられます。果物・野菜の農園の協約では、出来高払いでも1日ごとに時給×働いた時間以上を払う決まりがあり、作業の前に条件を書いた書面を渡すのも雇用主の義務です。面接や契約の前に、時給と等級を数字で確かめる習慣をつけることが、稼ぐ第一歩になるでしょう。
手取りの月収と1年で残るお金の試算
手取りは働く時間で大きく変わり、1年間休まず働けた場合で月約34万〜52万円、12週休むと月約26万〜41万円が試算の目安です。ここから家賃と生活費を引くと、手元に残るお金はぐっと少なくなります。
税金は年A$45,000までなら15%
ワーホリの所得税は、1年度の課税所得がA$45,000までなら15%で、それを超えた分には30%がかかります。オーストラリアの国税庁にあたるATOが公表している、2026年7月1日以降の税率です(ATOのワーホリ向け税率表)。
ただし15%で天引きされるのは、雇用主が「ワーホリ雇用主」としてATOに登録している場合だけです。登録していない雇用主のもとでは30%、納税者番号(TFN)を出さず、申請済みとも伝えていないと45%で引かれます。年度は7月1日に切り替わるため、1年の滞在が2つの年度にまたがることもあるでしょう。最新は公式サイトでご確認ください。
働き方別に見た月の手取りの目安
公開されている時給と税率をもとに、当サイトで1年間の手取りを試算すると次のようになります。前提は、飲食・宿泊の協約のLevel 1の成人の時給とワーホリ税率、A$1=110.34円(2026年10月9日)です。1年の収入が1つの税年度に収まるものとし、年金の積立・家賃・生活費・タックスリターンでの増減は含めていません。
働き方 | 週の総支給 | 52週働いた月平均 | 12週休んだ場合 |
|---|---|---|---|
平日のみ週25時間 | A$826 | 約33.6万円 | 約25.8万円 |
平日30時間と日曜8時間 | A$1,362 | 約51.8万円 | 約41.3万円 |
最低賃金で週38時間 | A$1,005 | 約39.8万円 | 約31.4万円 |
上の2つはカジュアル雇用、3つ目は全国最低賃金で正規に近い形で働く場合です。右の列は、仕事探しや旅行で1年のうち12週は収入がない前提で月平均を出しました。SNSで見かける「月50万円」は、週38時間前後を毎週確保し、日曜などの割増も付いてようやく届く水準だと分かります。
生活費を引くと手元に残るお金
当サイトが2026年6月時点で渡航経験者のアンケートと体験談を集計したところ、オーストラリアの月間生活費の中央値は18.2万円(31件)でした。この数字は自己申告で、滞在した年や都市もまちまちなので、目安として使ってください。
体験談では、メルボルンに約1年滞在した25歳の人が月の収入32万円・生活費22万円と答えています。シドニーに11か月滞在した24歳の人は、収入38万円・生活費26万円でした。オーストラリア統計局によると物価も2026年8月までの1年で4.0%上がっており、家賃を抑えて差額を貯金に回せるかが分かれ目になるでしょう。
稼げる人と稼げない人を分ける働き方
稼げるかどうかは、英語に慣れて時給どおりに払う現地の職場へ移れるかと、仕事が決まるまでの収入ゼロの期間をどれだけ短くできるかで分かれます。地方で指定の仕事をして、2回目・3回目のビザで滞在を延ばす道も選べるのが特徴です。
英語に慣れてローカルの職場へ移る
最初は日本食レストランなどで英語に慣れ、現地のカフェやレストランへ移る人もいます。最低賃金は国籍やビザ、英語力に関係なく同じなので、どの職場でも協約どおりの時給を受け取る権利があります。
数ヶ月後、粘り強く交渉して念願だったローカルのホスピタリティ職を得ることができ、給与も一気に上がりました。
シドニーに1年滞在した25歳の人の体験談です(体験談を読む)。シドニーの大学などによる2016年の全国調査では、ワーホリの3分の1が最も安い仕事で時給A$12以下でした。安い時給を「当たり前」と受け入れないことが、稼げる側に回る出発点になります。
ファームや食品加工で長く働く道
地方のファームや食品加工の仕事は体力的にきつい一方、働く時間を確保しやすい仕事です。2回目・3回目のワーホリビザにもつながります。2回目には1回目の滞在中に指定の仕事を3か月、3回目には2回目の滞在中に6か月行うことが条件です。指定の仕事は、法律どおりの賃金で働いた日だけが数えられるので、給与明細は必ず保管しましょう。
また、仕事は体力的にきついものの、その分しっかり稼げるので、貯金をしながら滞在できた点も大きかったです。
ブリスベンから地方のファームへ移り、1年滞在した20歳の人の言葉です(体験談を読む)。オーストラリア政府の統計では、日本人への2回目のビザの発給は2024-25年度に4,126件と近年で最も多く、2025-26年度は3,544件でした。条件は2026年10月時点のもので、最新はオーストラリア内務省の公式サイトでご確認ください。
仕事が決まるまでの収入ゼロの期間
到着してから仕事が決まるまでの数週間〜数か月は、収入がないまま家賃や生活費が出ていきます。当サイトの「ワーホリ・留学実態調査2026」(2026年6月更新)で9か国の渡航経験者の体験談94件を集計したところ、47%が「仕事・求人探し」の大変さを挙げていました。
結局、日本人のコネクションや現地の求人サイトを毎日欠かさずチェックし、粘り強くアプローチし続けることで、ようやくローカルのレストランで働く機会を得ることができましたが、それまでの数ヶ月間は貯金が減っていく不安との戦いでした。
ブリスベンに11か月滞在した24歳の人の体験談です(体験談を読む)。オーストラリア統計局によると、2026年8月の失業率は4.6%で、宿泊・飲食の求人は前年より約1割減っています。到着前にレジュメを英語で用意し、最初の数か月を貯金でまかなえる計画にしておきましょう。
稼ぎを減らす落とし穴と防ぎ方
手取りを減らす主な落とし穴は、最低賃金より安い求人、税率の高い天引き、同じ雇用主で働ける期間の上限、帰国後の年金の払い戻しにかかる税金の4つです。低い時給と高い税率の天引きは働く前の確認で防げ、6か月の上限と年金の税金は避けられない決まりなので、先に計画へ入れておきましょう。
最低賃金より安い求人を見分ける
時給が協約の最低額より安い求人は違法で、ビザの種類や英語力に関係なく、差額を請求できます。公正労働オンブズマンは、ビザの条件に違反していても最低賃金を受け取る権利があると案内しています。相談したことでビザが取り消されることもありません(ビザ保有者向けのページ)。
確かめること | 守られていない例 |
|---|---|
給与明細 | 給料日の翌営業日までに出ない |
時給 | 協約の最低額より安い |
税金の天引き | 現金払いで記録がない |
お試し勤務 | 1シフトを超えて無給 |
現金で払うこと自体は違法ではありませんが、給与明細が出ない、税金が申告されていない場合は注意が必要です。困ったときは公正労働オンブズマンの電話13 13 94で相談でき、通訳が必要なら先に13 14 50にかけると、通訳つきで相談できる仕組みです。最新は公式サイトでご確認ください。
雇用主の登録しだいで税率が変わる
同じ給料でも、雇用主がATOに「ワーホリ雇用主」として登録していないと、天引きの税率は15%ではなく30%になります。ATOは、1日A$200で5日働いた場合、登録済みの農園なら天引きはA$150、未登録の農園ならA$300になる例を示しています。
働き始めたら最初の給与明細で、天引きの率が15%になっているかを必ず確かめましょう。納税者番号を出さず、申請済みとも伝えていないと45%で引かれるので、申請したらすぐ雇用主に伝えるのが損を防ぐ近道です。税金の扱いは個人の状況で変わることがあるため、最新はATOの公式サイトでご確認ください。
同じ雇用主で働けるのは原則6か月
ワーホリビザでは、同じ雇用主のもとで働けるのは原則6か月までと決められています。ただし2024年1月1日から、いくつかの分野は許可なしで6か月を超えて働ける例外になりました。ホテル・カフェ・レストランなどの観光・ホスピタリティや、農業・食品加工、介護、保育などが対象です。
この例外はオーストラリア内務省が「政府が別の決定をするまで」とする暫定の扱いで、2026年10月時点の内容です(オーストラリア内務省の案内)。例外に当たらない仕事では、6か月が近づいたら次の職場を探す計画を立てておくと、収入が途切れにくくなります。最新は公式サイトでご確認ください。
年金の積立は帰国後に65%が税金
オーストラリアでは、雇用主が給料の12%を、スーパーアニュエーションと呼ばれる年金として積み立てる決まりです。帰国後に払い戻しを受けられますが、ワーホリ期間の分が含まれると払い戻し全体に65%の税金がかかります。
払い戻しを申請できるのは、出国してビザが失効した後です。給料A$1,000あたりの積立はA$120ですが、ファンドの中で15%の税と手数料が先に引かれ、さらに払い戻しで65%が引かれるため、手元に戻るのはおよそA$36以下です。年金の払い戻しを大きな収入として計画に入れず、もらえたら追加の収入と考えるのが現実的でしょう。最新は公式サイトでご確認ください。
渡航前に用意するお金と手続き
渡航前には、ビザの申請料A$840に加えて、滞在と出国に足りるお金として約A$5,000と帰りの航空券代を用意しておく必要があります。到着後すぐに納税者番号を申請しておくことが、最初の給料から税金で損をしないコツです。
資金の目安はA$5,000と帰りの航空券
オーストラリア内務省は、ワーホリビザの申請者に、通常は約A$5,000と出国のための運賃を持っていることを求めています。円にすると約55万円に航空券代を足した額で、仕事が決まるまでの数か月をしのぐ元手にもなるお金です。
またシェアハウスの家賃も高く収入が安定するまで貯金を切り崩す生活になりました。
メルボルンに8か月滞在した27歳の人の体験談です(体験談を読む)。当サイトの集計では、オーストラリアの月間生活費の中央値は18.2万円でした。収入ゼロで2〜3か月過ごす場合も考えて、最低限の額より多めに準備しておくと安心でしょう。最新は公式サイトでご確認ください。
申請料A$840と審査の約3か月
1回目のワーホリビザの申請料はA$840で、2026年10月時点の内務省の表示です。A$1=110.34円で換算すると、約9.3万円になります。内務省は審査期間を平均で約3か月とし、ビザが出るまで航空券の予約や仕事・学校の契約をしないよう求めています。
初回の申請は、オーストラリアの国外からオンラインで行う決まりです。医療費は全額自己負担になるため、内務省は健康保険への加入を強く勧めています。申請の条件や費用は変わることがあるので、最新はオーストラリア内務省の公式サイトでご確認ください。
到着したらすぐ納税者番号を申請
納税者番号(TFN)は、到着後にATOのオンライン手続きで無料で申請でき、受け付けから28日以内に届きます。番号がまだなくても、申請済みであることを雇用主に出す申告書で伝えれば、28日間は通常の率で天引きされます。申請も申告もしないと、45%で引かれる点に注意してください。
渡航前にある程度の貯金をしておくことと、履歴書の準備、よく使う英会話を練習しておくとかなり楽です。
シドニーに11か月滞在した24歳の人の助言です(体験談を読む)。英語の履歴書を出発前に用意し、到着した週に納税者番号を申請すれば、仕事探しと最初の給料の受け取りをスムーズに始められます。最新は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
オーストラリアのワーホリで稼ぐことについて、4つの質問に短く答えます。
オーストラリアで月50万円稼げるのは本当ですか?
条件がそろえば届きますが、誰でも稼げる額ではありません。当サイトの試算では、飲食・宿泊の協約のLevel 1の時給で平日30時間と日曜8時間を毎週働いて、ようやく月約52万円の手取りになります。仕事のない週や家賃・生活費も含めて計画してください。
英語が苦手でも稼げますか?
最低賃金は英語力に関係なく同じなので、英語が苦手でも法律どおりの時給を受け取る権利があります。ただし就ける仕事の幅は英語力で変わるため、日本食レストランなどで英語に慣れてから現地の職場へ移る人もいます。
タックスリターンでお金は戻ってきますか?
誰でも戻るわけではありません。登録済みの雇用主のもとで15%が天引きされていれば、それが年A$45,000までの税率そのものです。ATOは、給与だけで年A$45,001未満なら確定申告は不要としており、30%や45%で引かれていた場合などに戻る可能性があります。最新は公式サイトでご確認ください。
1年でいくら貯金できますか?
働く時間や家賃、旅行の予定で大きく変わるため、一律には言えません。52週休まず働いた試算の手取り約34万円から生活費の中央値18.2万円を引くと月約15万円、12週休むと手取りは約25.8万円で差は月約7.6万円になります。目標額を決めて、収入と支出を毎月記録するのが確実です。
まとめ
オーストラリアの成人の全国最低賃金は2026年7月からA$26.44で、カジュアル雇用や週末なら、さらに上がります。ただし手取りは働く時間で大きく変わり、「月50万円」はカジュアルで週38時間前後を毎週確保し、日曜などの割増も付いて、ようやく届く水準です。
まずは行きたい職種の協約の時給を確かめ、生活費を引いた収支を自分の条件で計算してみてください。どの国で働くか迷ったら、ワーホリ国診断で自分に合う国を確かめるのも一つの方法です。
この記事の出典
- Fair Work Ombudsman「Minimum wages」
- Fair Work Commission「Annual Wage Review 2026 決定」
- Hospitality Industry (General) Award 2020
- ATO「Schedule 15 – Tax table for working holiday makers」
- ATO「Working holiday makers」
- ATO「Departing Australia superannuation payment」
- オーストラリア内務省「First Working Holiday visa」
- オーストラリア内務省「6 month work limitation」
- Fair Work Ombudsman「Visa holders and migrants」
- オーストラリア統計局「Labour Force, August 2026」
- UNSW「Backpackers, international students suffer widespread wage theft」(2017年)
- オーストラリア統計局「Consumer Price Index, August 2026」
- オーストラリア統計局「Job Vacancies, August 2026」
- data.gov.au「Working Holiday Maker visa program」
- Horticulture Award 2020
- ATO「TFN application」
- Reserve Bank of Australia「Exchange Rates」
- Study Work Hub「ワーホリ・留学実態調査2026」