2026年6月18日

ワーホリの税金・確定申告ガイド|現地と日本の手続きを整理

ワーホリ中・帰国後の税金を現地と日本の両面で整理。現地のタックスリターン(所得税の還付)、退職年金の返還、日本での住民票・確定申告・住民税の扱い、二重課税の考え方までを、制度の概要として体験談つきで解説します。

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ワーホリの税金・確定申告ガイド|現地と日本の手続きを整理

ワーキングホリデー中の税金は、「現地で働いた分の税金」と「日本国内での手続き」という2つの軸で整理する必要があります。どちらか一方を見落とすと、還付を受け損ねたり、帰国後に予期しない追加納税が発生したりする可能性があります。制度は国・年・個人の状況によって異なるため、この記事は全体像の把握を目的とした概要です。

税務はYMYL(お金や生活に直接影響する)の領域です。具体的な金額・税率・申告要否については、現地の税務当局(オーストラリアならATO、カナダならCRAなど)や国税庁・担当の税務署・税理士に最新情報を必ずご確認ください。ここでは「どんな手続きが存在するか」という地図の役割に徹して解説します。

現地で発生する税金(給与と源泉徴収)

働き始めると税番号の取得が必要になる

ほとんどの国では、合法的に就労するために税番号(オーストラリアのTFN=Tax File Number、カナダのSIN=Social Insurance Numberなど)の取得が必要です。この番号を雇用主に提出することで、給与から適切な所得税が源泉徴収されます。番号を提出せずに働くと、法定の最高税率で差し引かれるケースがあるため、就労前の早めの申請が一般的に推奨されています。

税番号の申請方法や審査期間は国によって異なります。渡航前あるいは渡航直後に確認しておくと、最初の給与受け取りまでに準備が整いやすくなります。詳しい手続きの流れは各国の公式移民・税務機関のサイトをご参照ください。

給与からは所得税と社会保険料等が引かれる

現地雇用主が給与を支払う際、所得税のほかに各国固有の社会保険や年金に相当する積み立て(後述のSuperannuationなど)が控除・積み立てられます。実際の手取り額は税率や各種控除によって変わるため、給与明細をよく確認する習慣をつけておくと後の手続きがスムーズになります。

所得税率は国・年・収入額によって異なります。現地の税務当局が公表している税率表を参照するか、雇用主・税理士に確認してください。

居住者区分がケースによって変わる

現地での税務上の居住者区分(Tax Resident / Non-Resident)によって、適用される税率や申告方法が変わることがあります。ワーキングホリデービザ保持者の区分は国・滞在期間・状況によって異なり、また法改正によって変わることもあります。自分が何に該当するかは、現地の税務当局の公式情報や税理士に確認することをお勧めします。

なお、オーストラリアでは過去に非居住者向けのワーホリ税率に関して法的な議論があり、課税のあり方が変化してきた経緯があります。現在の税率・区分の取り扱いは最新の法令に基づくため、渡航前・申告前に必ずATO公式情報を確認してください。

タックスリターン(所得税の還付)の考え方

タックスリターンとは何か

タックスリターンとは、1年間の所得を申告し、給与から天引きされた所得税の過払い分を戻してもらう手続きです。年間を通じて一定額が源泉徴収されていますが、実際の税額が源泉徴収額より少ない場合は差額が還付されます。逆に不足している場合は追加納税になることもあるため、「必ず戻る」とは限りません。

オーストラリアの場合は会計年度が7月1日〜6月30日、カナダは1月1日〜12月31日と、国によって年度の区切りが異なります。年度終了後または出国時に申告の手続きができることが多いですが、申告期限や方法は年によって変わることがあります。最新の申告期限は各国税務当局(ATOやCRA)の公式サイトで確認してください。

申告の方法と申請先

申告方法は国によって異なり、オンラインの申告システム(オーストラリアのmyTaxなど)を使うか、現地の会計士・税理士に依頼するかといった選択肢があります。自分で申告する場合は各国の税務当局が公開しているガイドを参照してください。代行業者に依頼する場合は手数料が発生します。

申告に必要な書類(Payment Summary / T4スリップなど)は雇用主から受け取ります。複数の職場で働いた場合は、すべての雇用主分を揃える必要があります。書類の名称・形式は国・年度によって変わることがありますので、雇用主または税務当局に確認してください。

還付額は断定できない

タックスリターンで戻る金額は、年間所得額・控除項目・居住者区分・その年の税率などによって大きく異なります。「いくら戻る」という断定は誰にもできず、実際の計算は個人の状況次第です。目安を知りたい場合は各国税務当局のオンライン計算ツールや税理士にご相談ください。

帰国前の全体的なお金の整理については、ワーホリ帰国前の15項目チェックリストも参考になります。

1年の任期を終えて帰国したとき、手元に残ったのは、目標にしていた貯金100万円と、以前より少し図太くなった自分でした。

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退職年金の返還(国による制度)

オーストラリアのSuperannuation(スーパーアニュエーション)

オーストラリアでは雇用主が法律に基づいて給与の一定割合を退職年金(Superannuation)として積み立てる義務があります。ワーキングホリデービザ保持者も対象となり、就労期間中に相当額が積み立てられます。出国後に「Departing Australia Superannuation Payment(DASP)」という制度を使って、このSuperannuationを一時金として受け取ることができます。

ただし、DASP受け取り時には税金が差し引かれます。税率はビザ種別などにより異なり、また制度・税率は変更される可能性があります。積立額の確認やDASP申請方法については、オーストラリア税務当局(ATO)の公式サイト(ato.gov.au)で最新情報をご確認ください。

カナダ・その他の国の年金制度

カナダではCPP(カナダ年金プラン)やEI(雇用保険)が給与から控除されることがあります。日本とカナダの間には社会保障協定が締結されており、二国間での年金期間の通算や保険料の二重払い防止に関するルールがあります。ただし詳細は年によって変更されることがあるため、日本年金機構やカナダ当局の最新情報を確認してください。

その他の国でも、社会保障に関する日本との協定の有無や内容が異なります。渡航先国の制度については、その国の公式機関または日本大使館に問い合わせるのが確実です。

申請のタイミングと注意点

退職年金の返還は、帰国後に手続きが完了するまでに一定の時間がかかることがあります。帰国直前の準備チェックリストに含めておき、受け取り先の銀行口座を正確に把握しておくことが大切です。申請に必要な書類・手続き方法・申請先は制度改正の影響を受けることがあるため、手続き前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。

現地銀行口座を閉鎖した後でも受け取れるよう、Wiseなどの海外送金対応口座を活用する方法もあります。受取口座の確保については海外対応オンラインバンキング比較をあわせてご参照ください。1年間の費用全体のシミュレーションにはワーホリ1年の費用内訳2026年版もあわせてご参照ください。

日本側の手続き(住民票・年金・健康保険)

海外転出届の有無で扱いが変わる

ワーホリに出発する前に市区町村の役所へ「海外転出届」を提出するかどうかによって、日本側の住民税・国民年金・国民健康保険の扱いが変わってきます。転出届を出した場合は日本の住民として扱われなくなるため、住民税の対象外となる可能性があります。一方で、転出届を出さずに渡航した場合は、渡航中も住民税・年金・健康保険の義務が継続する可能性があります。

どちらが自分の状況に適しているかは、滞在期間・家族状況・将来的な年金受給方針などによっても異なります。出発前に居住地の市区町村の担当窓口に相談することをお勧めします。

国民年金の任意加入と未納期間

海外転出届を出した場合、渡航中は国民年金の加入義務がなくなります(任意加入は可能)。年金の未納期間が生じると将来の受給額に影響することがあります。将来的な年金額を重視する場合は、任意加入で保険料を払い続ける選択肢もあります。

国民年金の任意加入の手続きや保険料については、日本年金機構の公式サイト(nenkin.go.jp)または最寄りの年金事務所に確認してください。なお、海外渡航中に年金を未納にすることの影響についても、事前に確認しておくことをお勧めします。

国民健康保険の停止と渡航中の保険

海外転出届を出した場合、国民健康保険も脱退できます。ただし、渡航中は現地の医療費が発生するリスクがあるため、海外旅行保険や現地加入型の医療保険への加入が一般的に推奨されています。海外での医療費トラブルについては海外対応オンラインバンキング比較もあわせて参考にしてください。

帰国後は帰国日から14日以内に転入届と国民健康保険の加入手続きを行うのが一般的です。手続き期限や必要書類は自治体によって異なるため、帰国後すみやかに居住予定地の市区町村窓口に確認してください。

生活費や時間管理の重要性も学び、帰国後も仕事やプライベートで役立っています。

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日本での確定申告が必要なケース

帰国した年に日本で所得が発生した場合

ワーホリから帰国した年に日本国内で給与所得やその他の収入があった場合、確定申告が必要になるケースがあります。翌年の2月16日〜3月15日(年によって変動)が申告期間の目安ですが、詳細は国税庁の公式サイト(nta.go.jp)でご確認ください。なお、会社員として勤務先で年末調整が完結する場合は確定申告が不要なケースもあります。

渡航中に日本国内で収入があった場合(不動産収入、フリーランス収入など)も申告が必要になる可能性があります。自分の状況が申告対象に該当するかどうかは、税務署または税理士にご相談ください。

住民税の扱い

住民税は前年の所得に基づいて翌年に課税される仕組みです(後払い課税)。海外転出届を出して渡航した年、帰国した年、それぞれの1月1日時点の住所がどこにあるかによって、課税の有無と金額が変わります。

たとえば1月1日時点で日本に住民票がある状態で渡航した場合、その年の前年所得に基づく住民税が課税されることがあります。帰国後の住民税についても同様に1月1日時点の住所が基準となります。自分のケースが対象かどうかは、居住地の市区町村窓口に確認することをお勧めします。

現地の収入を日本で申告する必要があるか

海外転出届を提出し、渡航中に日本の非居住者として扱われていた場合、原則として現地での収入を日本で申告する義務はないとされています。ただし、「居住者」「非居住者」の判定は状況によって異なり、法改正の影響を受けることもあります。判断が難しいケースでは税理士または税務署に相談することをお勧めします。

また、帰国後に就職してからの給与については通常通り日本の所得税の対象となります。帰国した年に就職している場合、年末調整の際に海外期間の扱いをどうするかが論点になることがあります。勤務先の経理担当や税理士と事前に確認しておくと安心です。帰国後のキャリア選択についてはワーホリ後のビザ切り替え完全ガイドも参考にしてください。

二重課税と租税条約の基本

租税条約とは何か

租税条約とは、二国間で税負担の重複(二重課税)を防ぐために締結された条約です。日本はオーストラリア・カナダをはじめ多くの国と租税条約を結んでおり、同じ所得に対して両国で二重に税金がかかることを防ぐための仕組みが設けられています。ただし条約の内容は国によって異なり、すべての税項目に適用されるわけではありません。

租税条約の詳細は国税庁の条約一覧ページや財務省の公式情報で確認できます。具体的な適用可否については税理士にご相談いただくのが確実です。

外国税額控除の概要

確定申告が必要なケースで、現地と日本の両方で課税される可能性がある場合、「外国税額控除」という制度を使って現地で払った税金分を日本の税額から差し引ける場合があります。適用条件や計算方法は状況により異なるため、詳細は国税庁の公式サイトまたは税理士にご確認ください。

主要国と日本の租税条約の締結状況

以下は代表的なワーホリ先と日本の租税条約・社会保障協定の有無を整理した参考表です。ただし条約の具体的な適用条件は変更される可能性があるため、最新情報は必ず財務省・国税庁の公式情報でご確認ください。

日本との租税条約

社会保障協定

主な確認先

オーストラリア

あり

あり

ATO(ato.gov.au)

カナダ

あり

あり

CRA(canada.ca/en/revenue-agency)

ニュージーランド

あり

なし(2026年現在)

IRD(ird.govt.nz)

その他

国により異なる

国により異なる

財務省・国税庁

帰国後のキャリア設計と並行してお金の全体戦略を見直したい方は、ワーホリ中に300万円貯める戦略もご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. タックスリターンはいつ申請すればいいですか?

申請できるのは現地の会計年度が終了した後、または出国前後が一般的です。国によって申告期限が設けられており、期限を過ぎると申請できなくなる可能性があります。オーストラリアの場合はATO(ato.gov.au)、カナダの場合はCRA(canada.ca/en/revenue-agency)の公式サイトで最新の申告期間を確認してください。帰国前の全体スケジュールについては帰国前チェックリストも参考にしてください。

Q2. 海外転出届は必ず出さなければいけませんか?

法律上は1年以上海外に滞在する場合に海外転出届の提出が求められています。ただし届出の有無で住民税・年金・健康保険の扱いが変わるため、メリット・デメリットを理解したうえで判断することが大切です。判断が難しい場合は出発前に居住地の市区町村窓口にご相談ください。

Q3. 帰国後、税金の手続きを忘れた場合はどうなりますか?

タックスリターン未申請の場合は還付を受ける機会を逃すことになります。住民税の場合は、申告義務がある年度に申告しないと後から追加納税や延滞税が発生するリスクがあります。期限を過ぎてしまった場合でも申告・納税できる場合があるため、まず管轄の税務署または税理士に相談することをお勧めします。

Q4. 現地の収入を日本の税務署に申告した場合、両方に税金を払わなければいけませんか?

租税条約や外国税額控除の仕組みにより、二重課税にならないよう調整できる場合があります。ただし適用条件は個人の状況・国・年度によって異なります。「必ず二重にならない」とも「必ず控除が受けられる」とも断言できないため、具体的なケースについては税理士または税務署にご相談ください。最新情報は国税庁の公式サイト(nta.go.jp)でも確認できます。

まとめ

ワーホリの税金は「現地(タックスリターン・退職年金返還)」と「日本(住民票・年金・確定申告)」の両方をセットで把握しておくことが大切です。手続きを把握しないまま帰国すると、受け取れたはずの還付を逃したり、帰国後に想定外の出費が発生したりすることがあります。まずは「どんな手続きがあるか」を知ることが、最初のステップです。

この記事で紹介した主な手続きを以下に整理します。

タイミング

手続きの種類

主な確認先

渡航前

海外転出届・国民年金の任意加入・国民健康保険の脱退

市区町村窓口・年金事務所

現地就労時

税番号(TFN/SIN等)の取得・給与明細の保管

現地税務当局

会計年度終了後/出国前後

タックスリターン申請

ATO / CRA等

帰国後

退職年金(DASP等)の返還申請・日本の転入届・健康保険加入

ATO / 市区町村窓口

翌年2〜3月

日本での確定申告(必要な場合)

国税庁・税務署

税率・控除額・申告要否は国・年・個人の状況によって異なります。この記事はあくまで全体像を示す概要であり、具体的な税務判断については現地の税務当局(ATO・CRAなど)、国税庁・税務署・税理士に最新情報をご確認ください。帰国前後の全体的な準備についてはワーホリ帰国前の15項目チェックリストもあわせてご活用ください。

帰国時には所持金はほぼゼロでしたが、心はこれ以上ないほど満たされていました。

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ワーホリ全体の費用感を把握したい場合はワーホリ1年の費用内訳2026年版を、帰国後のキャリア設計についてはワーホリ後のビザ切り替え完全ガイドもご参照ください。

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