2026年10月10日

ワーホリを途中で帰るか迷ったら|判断基準と帰国前後の手続き

ワーホリを途中で帰るか迷ったときの判断基準と、帰国前後の手続きをまとめました。オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリスで取り戻せるスーパーや税金、日本に戻って14日以内の転入届・保険・年金、帰国後の面接での伝え方と、もう一度挑戦する道も紹介します。

共有:
ワーホリを途中で帰るか迷ったら|判断基準と帰国前後の手続き

「ワーホリを途中で帰ったら、失敗だと思われるだろうか」。つらさを抱えながらも、帰る手続きやお金のこと、帰国後の就職を考えると、決めきれずに何日も迷う方は多いはずです。

そこで本記事では、帰るか続けるかを決める判断基準と、帰国前後の手続き・お金を、オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリスに分けて整理します。うっかり取りこぼしやすい年金の積み立てや税金の払い戻しも、出国前に落ち着いて確かめられるでしょう。

同じ流れで、日本に戻って14日以内にする手続きや、帰国後の面接での伝え方、同じ国や別の国でもう一度挑戦する道についてもまとめています。

ワーホリの途中帰国は制度の想定内

ワーホリのビザの期間は「最長でここまで」という上限で、期限の途中で日本に帰ることも制度の上で認められています。途中で帰ったからといって、それだけで失敗になるわけではありません。

ビザの期間は最長で途中で帰ってよい

オーストラリアのワーホリビザは、初めて入国した日から最長12か月滞在でき、その間は何度でも出国・再入国できます(豪州内務省)。ニュージーランドもビザが切れるまで何度でも出入りでき、イギリスのユース・モビリティ・スキームも滞在中いつでも出国して戻れると案内しています(ニュージーランド移民局・英国政府)。

カナダも出国後に戻れますが、入国のたびに国境の職員が改めて入国を認めるかを判断します(カナダ移民局)。4か国とも期限内の出国を認めているので、途中で帰ること自体を心配しすぎる必要はないでしょう。最新は公式サイトでご確認ください。

途中帰国と一時帰国の違い

途中帰国はそこでワーホリを終えて日本に戻ること、一時帰国はビザの期限を残したまま日本に戻り、期限内にまた現地へ戻ることです。今すぐ決めきれないなら、一時帰国という中間の選択肢もあります。

ただし、オーストラリアは日本にいる間も12か月の期限が進み、出国していた期間があっても延びません。カナダは滞在期間中ずっと健康保険に入っていることが条件で、戻るときの入国審査で保険の証明を求められることがあるため、一時帰国のつもりなら保険を解約しないようにしましょう(カナダ移民局の参加条件)。最新は公式サイトでご確認ください。

帰国を失敗と感じるのは自分だけではない

外務省が委託する相談窓口の2025年度の報告書には、複数の相談をもとに加工した20代の声として「帰国=失敗と感じます」「諦める自分に失望を感じる」が載っています(相談窓口の報告書)。この窓口への海外からの相談は1年で3,582件あり、年代別では20代が全体の27%でした。

外務省の2023年の調査でも、海外に住む日本人で孤独を「しばしばある・常にある」と答えた割合は、20代が11.0%と最も高くなっていました(外務省の調査結果のポイント)。帰るか迷うほどつらいと感じるのは、決して自分だけではありません。

帰るか続けるかを決める判断基準

心の不調のサインが2週間以上続くときは、まず専門家や外務省の24時間のチャット相談に相談し、帰国も選択肢に入れましょう。身の安全が脅かされているなら身を守ることを優先し、そうでなければ、同じ国にもう一度行けるかを確かめて、期限を決めて続けるか一時帰国するかを選ぶ方法もあります。

心の不調のサインが2週間以上続いている

厚生労働省の若者向けサイトは、憂うつな気分が一日中続く、好きだったことに興味がわかないなど9つの項目のうち、最初の2つのどちらかを含む5つ以上が2週間以上続いていたら専門家に相談するよう勧めています(厚生労働省「こころもメンテしよう」)。うつ病は怠けや気の持ちようではないとも説明しています。

慣れない環境で体調を崩したり、最初の数ヶ月は孤独を感じることもありましたが、その経験があったからこそ精神的にも強くなれました。

シドニーで11か月ワーホリをした27歳の人の振り返りです(体験談を読む)。乗り越えた人もいますが、不調が続くなら無理をせず、帰国も含めて考えてください。海外からは、外務省が委託する24時間の日本語のチャット相談も使えます(外務省の案内)。

身の安全が脅かされている

在メルボルン日本国総領事館は、下見の前に送金させる賃貸の詐欺、シェアハウスのボンド(敷金)が返ってこないトラブル、性被害、最低賃金未満で働かされる労働搾取などが報告されているとして、注意を呼びかけています(在メルボルン日本国総領事館)。

被害にあったときは、警察や州の相談機関、公正労働オンブズマンに相談するよう案内されています。安全が脅かされているなら、続けるかどうかを考える前に、まず自分の身を守ることを優先しましょう。

同じ国にもう一度行けるかを確かめる

帰る前に確かめたいのは、同じ国にもう一度ワーホリで行けるかです。ニュージーランドとイギリスは1回だけで、オーストラリアの1回目もやり直しはできません(ニュージーランド移民局・英国政府・豪州内務省の条件)。

カナダは、到着して就労許可を受け取った時点で1回に数えますが、日本人は2回まで参加できるため、年齢などの条件を満たせばもう1回の道が残ります(カナダ移民局の参加条件)。オーストラリアは、1回目のビザで指定の仕事を88日以上していれば2回目を申請できます。同じ国で続ける機会は戻らないことが多いので、迷うならこの点も判断に入れておきましょう。最新は公式サイトでご確認ください。

期限を決めて続けるか一時帰国する

今すぐ帰るほどではないなら、「あと1か月」「貯金がいくらを切ったら」のように、続ける期限を自分で決めておく方法があります。Study Work Hubが留学・ワーホリ経験者の体験談とアンケートを集計した「ワーホリ・留学実態調査2026」(2026年6月更新)では、88人が答えた月の生活費の中央値は18.0万円でした。収入がない場合は、残高を自分の月の生活費(目安はこの中央値)で割ると、あと何か月続けられるかが分かります。

結局、日本人のコネクションや現地の求人サイトを毎日欠かさずチェックし、粘り強くアプローチし続けることで、ようやくローカルのレストランで働く機会を得ることができましたが、それまでの数ヶ月間は貯金が減っていく不安との戦いでした。

ブリスベンで11か月ワーホリをした24歳の人の体験です(体験談を読む)。迷いの原因が毎日の飽きなら、ワーホリに飽きたときの立て直し方も参考にしてください。

帰国前に現地で済ませるお金の手続き

帰ると決めたら、現地で働いた分の税金や年金の積み立てを取りこぼさないよう、出国前に手続きを確かめましょう。取り戻せるお金と手続きの時期は国によって違います。

国

取り戻せる可能性があるお金

主な手続き

オーストラリア

スーパー・払いすぎた税金

DASPと確定申告

カナダ

払いすぎた税金

翌年4月30日までの確定申告

ニュージーランド

払いすぎた税金

年度末の計算で還付

イギリス

払いすぎた所得税

P85で還付を請求

イギリスで払った移民保健料は、ビザが終わる前に帰っても返ってこないので注意しましょう(英国政府の返金の案内)。

オーストラリアはスーパーと税金を確かめる

雇用主が積み立てるスーパー(年金)は、出国後にDASPという手続きで払い戻しを受けられ、ワーホリで積み立てた分が含まれる場合、課税部分には一律65%の税金がかかります(豪州国税庁のDASPの案内)。申請できるのはビザの効力が切れた後で、豪州内務省はワーホリビザの国外からの取消しの依頼は受け付けないとしているため、途中で帰った人は初めての入国から12か月たってからの申請になると考えられます(豪州内務省)。

豪州国税庁は、出国前に情報をそろえて申請を始めておくよう勧めており、DASPを受け取っても将来のビザ申請には影響しないとしています。税金は、ワーホリ雇用主のもとで年45,000豪ドルまで15%で引かれていれば、確定申告をしなくてよい場合があります(豪州国税庁)。未登録の雇用主に高い税率で引かれていた場合などは、申告で精算すると戻ることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。

カナダ・NZ・イギリスは税金の還付を確かめる

カナダは、税金を払う必要があるときや還付を受けたいときに、出国した年の分を申告し、出国日をカナダ歳入庁に知らせます(カナダ歳入庁)。期限はほとんどの人が翌年4月30日で、源泉徴収された税が払うべき額より多ければ還付を受けられる可能性があります(申告期限の案内)。

ニュージーランドは多くの場合、給料からの源泉徴収で税が完了し(内国歳入庁の訪問者向けの案内)、年度末(3月31日締め)の計算で還付があれば登録した口座に振り込まれます(還付の案内)。イギリスは、退職時にもらうP45を使い、P85という手続きで払いすぎた所得税の還付を請求できます(英国歳入関税庁)。最新は公式サイトでご確認ください。

保険の解約と現地の口座は最後に

海外旅行保険は途中で解約すると、残りの期間に応じて保険料が返されることがあります。ただし保険会社の経費が差し引かれる場合があり、全額が返るとは限らないため、約款と保険会社の案内で確かめてください(日本損害保険協会)。

現地の銀行口座は、還付や払い戻しを受け取るまで残しておくと安心です。豪州国税庁はDASPの受け取りに豪州の口座を残すことを検討するよう案内し、英国歳入関税庁は両替や海外送金の手数料を負担しないとしています。最新は公式サイトでご確認ください。

日本に戻って14日以内にする手続き

日本に戻って住み始めたら、14日以内に転入届と国民健康保険の手続きを済ませ、国民年金の加入も同じ時期に手続きします。届け出が遅れると、医療費や保険料で損をすることがあります。

手続き

時期の目安

窓口

転入届

住み始めて14日以内

市区町村

国民健康保険

転入から14日以内

市区町村

国民年金

転入と同じ時期

市区町村

帰国・転出届

帰国が決まったら

外務省のORRネット

転入届と国民健康保険

出国前に海外転出届を出した人は、日本に住み始めてから14日以内に市区町村へ転入届を出します(住民基本台帳法)。目黒区の例では、パスポートに入国のスタンプがない場合は、帰国便の航空券の控えなど入国日が分かるものが必要なので、捨てずに残しておきましょう(目黒区の案内)。

国民健康保険も14日以内の届け出が必要で、名古屋市は期限を過ぎると原則として届け出の日からしか保険が使えず、保険料はさかのぼって納めることになると案内しています(名古屋市)。住民票を日本に残していた人は、保険や年金の手続きを住んでいる市区町村に確かめてください。最新は公式サイトでご確認ください。

国民年金と保険料の免除

日本に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金に入る義務があり、市区町村の窓口で手続きします(日本年金機構のパンフレット)。海外転出届を出して住民票を抜き、国民年金に任意加入しなかった20歳以上60歳未満の期間は、年金を受け取る資格の期間には数えても年金額には反映されない「合算対象期間」になります(日本年金機構の用語集・厚生労働省の資料)。任意加入して納めた期間は納付済みの期間になり、住民票を残していた人は加入が続いていたので、納めていない月は未納になります。

帰国してすぐ収入がなく保険料を納めるのが難しいときは、申請して承認されれば免除や納付猶予を受けられます。失業などの事実が確認できる場合は、失業した本人の前年の所得にかかわらず受けられる特例もあるので、記録の確認とあわせて窓口で相談しましょう(日本年金機構の免除制度)。最新は公式サイトでご確認ください。

マイナンバーカードと在留届の帰国届

出国のときにマイナンバーカードの継続利用の手続きをした人は、転入届のときにカードを持って行き、継続利用の手続きをします。返納した人や継続利用の手続きをしなかった人のカードは失効しているので、手続きを窓口で確かめましょう(目黒区の案内)。

在留届を出していた人は、外務省のORRネットで「帰国・転出届」を出します(外務省のORRネット)。住民税はその年の1月1日に日本に住所がある人にかかるため、1月1日に住民票が日本に無かった年度はかからず、帰国した翌年度から日本での所得に応じてかかります。通知の内容が分からなければ市区町村に問い合わせてください(総務省の個人住民税の案内)。最新は公式サイトでご確認ください。

帰国後の説明と再挑戦の道

帰国後の面接では、帰った理由と現地で得たものを短く話せるように準備しておきましょう。同じ国にもう一度行ける国や、年齢の条件の範囲で別の国に挑戦する道もあります。

面接では帰った理由と得たものを短く話す

途中で帰った理由は、体調や家族の事情、目的を果たしたなど事実を短く伝え、そのうえで現地で身についたことや次にやりたいことを話すと、話の筋が通りやすくなります。言い訳を長く重ねるより、帰る判断をした理由をはっきり伝えることを意識しましょう。

履歴書の書き方や面接が不安なら、厚生労働省の「わかものハローワーク」で、正社員を目指すおおむね35歳未満の人が担当者制の職業相談や履歴書・面接の対策を無料で受けられます(厚生労働省の案内)。

生涯2回の国や別の国でもう一度行く

2026年10月時点で、日本人はカナダ・スロバキア・韓国・台湾で生涯2回ワーホリに参加できます(外務省のワーキング・ホリデー制度のページ)。同じ国にもう行けなくても、申請するときの年齢の条件を満たせば、ほかの協定国でもう一度挑戦する道があります。

協定を結ぶ国・地域は2026年に32まで増えました。日本国籍の人はオーストラリアとカナダとも申請時18〜30歳が対象で、韓国は原則25歳まで(事情により30歳まで)など、条件は国ごとに違います(豪州内務省・カナダ移民局)。最新は公式サイトでご確認ください。

豪州の2回目は指定の仕事88日が条件

オーストラリアで2回目のワーホリを考えるなら、1回目のビザで指定された仕事を3か月、つまり最低88暦日終えていることが条件です(豪州内務省の指定の仕事の案内)。週5日のフルタイムなら、雇われている期間の中の休みも含めて88暦日で、1つの雇用主でまとめて働く必要もありません。週5日より少ない日数で働いた場合は、フルタイムと同じ勤務日数になるまで期間を延ばす必要があります。

途中で帰る前に、指定の仕事がフルタイム換算で条件に届いているかを確かめておくと、2回目の道を残せます。豪州内務省は申請の審査に平均で約3か月かかる見込みとしているので、戻る時期にも余裕を持ちましょう(豪州内務省のお知らせ)。最新は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

ワーホリを途中で帰ることについて、4つの質問に短く答えます。

ワーホリを途中で帰っても問題ありませんか?

オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・イギリスは、どれもビザの期限内なら出国してよいと公式に案内しています。ただし、途中で帰ると同じ国にもう一度行けなくなる場合があるので、帰る前に確かめておきましょう。最新は公式サイトでご確認ください。

途中で帰ってもスーパーは戻ってきますか?

出国後にDASPという手続きで払い戻しを申請でき、受け取っても将来のビザには影響しません。ただし申請できるのはビザの効力が切れた後で、ワーホリで積み立てた分が含まれる場合、課税部分には一律65%の税金がかかります。最新は公式サイトでご確認ください。

すぐ帰国したらもう一度ワーホリに行けますか?

国によって違います。ニュージーランドとイギリスは1回だけで、オーストラリアの1回目もやり直せません。ただしオーストラリアは指定の仕事を88日以上していれば2回目を申請でき、カナダ・スロバキア・韓国・台湾は生涯2回参加でき、年齢の条件の範囲で別の国という道もあります。最新は公式サイトでご確認ください。

途中帰国は就職に不利になりますか?

帰った理由を事実で短く伝え、現地で得たことを具体的に話せるように準備し、不安ならわかものハローワークで面接の対策を受けてみましょう。

まとめ

ワーホリのビザの期間は上限で、途中で帰るのは制度の想定内です。心の不調のサインが続くならまず相談し、身の安全の問題があれば身を守ることを優先して帰国も考えましょう。年齢などの条件を満たせば、別の国や2回目という次の挑戦の道も残っています。

帰ると決めたら、まずスーパーや税金の手続きと、日本で14日以内にする手続きを書き出し、出国前に済ませられるものから片付けてみてください。迷いの原因が毎日の飽きなら、飽きたときの立て直し方も参考になります。

この記事の出典

体験談を投稿口コミを投稿