2026年10月17日

留学前の英語勉強は何から?残り期間別の計画と必要な英語力の目安

留学前の英語の勉強を、何から・どの順番で・どれだけやればよいかで整理しました。語学留学・交換留学・海外の大学で違う必要な英語力、英検やTOEICとCEFRの対応表、出発までの残り期間ごとの学習計画、入国審査や語学学校の初日に使う英語の準備も分かります。

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留学前の英語勉強は何から?残り期間別の計画と必要な英語力の目安

「留学前に英語の勉強をしておきたいけれど、何から手をつければいいのか」。出発日が決まると、単語なのか会話なのか、残りの期間でどこまでできるのか、不安が先に立つ方は多いのではないでしょうか。せっかく費用をかけて行くのに、現地で話せずに時間が過ぎてしまうのは避けたいという迷いも重なります。

そこで本記事では、留学の種類ごとに必要な英語力を確かめたうえで、出発までの残り期間に合わせて何をどの順番で勉強するかを整理しました。1段階上がるのにかかる時間を物差しにするので、自分の計画が足りているかを数字で判断できるはずです。

あわせて、入国審査や語学学校の初日など、到着してすぐ英語を使う場面の準備も同じ流れで紹介します。

留学の種類で出発前に必要な英語力は違う

語学留学は多くの国で英語の試験の点数がなくても行けますが、交換留学や海外の大学への進学は、出願の時点で点数が必要です。自分の留学がどちらに当たるかで、出発前の勉強のゴールが変わります。

語学留学は多くの国で試験の点数が要らない

語学学校の英語コースだけに通うなら、ビザの手続きで試験の点数を求めない国が多くあります。オーストラリアは、英語コースだけで学生ビザを申請する人に試験結果の提出を求めていません。

イギリスも、6か月を超え11か月以内の英語コース向けのビザに英語力の証明を求めていません。カナダは、6か月以下のプログラムなら学生許可そのものが不要です。

学校側も、一般英語のコースは初心者から受け入れ、入学時のレベルテストでクラスを決めるところが多くあります。そのため、出発前に準備した分だけ、上のクラスから始めやすくなるはずです。トロントで1年過ごした人は、体験談にこう書いています。

オンライン英会話で基礎を固めてから渡航したため、現地のクラス分けでは上位に入ることができ、より意識の高い多国籍な友人と出会えたのが大きかったです。

この人の話は体験談のページで読めます。ビザの条件は2026年10月時点のもので、最新は各国の公式サイトでご確認ください。

交換留学は出願の時点で点数が要る

大学の交換留学は、学内の選考に申し込む時点で英語の試験の点数が必要です。慶應義塾大学の2027年度の募集要項は、英語で学ぶ協定校への出願にTOEFL iBTの旧スコア72点以上(新スコア4.0以上)か、IELTS 5.5以上を求めています。英検とTOEICは証明に使えません。大学は、学内の締め切りの3か月前までに受験するよう強く勧めています。

九州大学の2027年度の募集要項の条件は、IELTS 5.0以上やTOEFL iBTの旧スコア65点以上などです。ただし、学内の条件を超えても、留学先の大学の条件に届かないことがあります。たとえばメルボルン大学は、交換留学生にも学部入学と同じIELTS 6.5(各技能6.0)を求めています。

目標の点数は、学内の最低ラインではなく、行きたい大学の条件から逆算して決めるのが確実です。慶應義塾大学の例では出願が出発のおよそ1年前なので、試験の勉強は早めに始めましょう。

海外の大学はIELTS6.5前後が入学の目安

英語圏の大学の学部に正規に入学するなら、IELTS 6.5前後が最低ラインの目安です。トロント大学はIELTS 6.5以上(どの技能も6.0以上)、メルボルン大学も多くの学部でIELTS 6.5(各技能6.0)が条件です。

IELTS 6.5は、英語力の国際的な物差しであるCEFRで、上から3番目のB2に当たります。学部や学科によって条件は上がるため、志望校の公式の募集要項で必ず確かめてください。

TOEFL iBTは2026年1月21日から1〜6点の新しい点数に変わったので、大学の条件が新旧どちらの点数で書かれているかも確かめましょう。

留学前に今の英語力と目標の差を確かめる

今の英語力と目標の差は、CEFRという共通の段階に置き換えると比べられます。1段階上がるのに約200時間かかるという目安を使えば、出発までに埋められる差かどうかの判断もつくでしょう。

試験の点数はCEFRの段階に置き換えて比べる

手元に英検やTOEICの結果があるなら、CEFRの段階に置き換えると、留学先の条件との差が分かります。CEFRは欧州評議会が定めた外国語の力の物差しで、下からA1・A2・B1・B2・C1・C2の6段階です。

CEFR

英検

TOEIC L&R

IELTS

TOEFL iBT

C1

1級

L490・R455

7.0〜8.0

5〜5.5

B2

準1級

L400・R385

5.5〜6.5

4〜4.5

B1

2級

L275・R275

4.0〜5.0

3〜3.5

A2

準2級

L110・R115

—

2〜2.5

A1

3級

L60・R60

—

1〜1.5

表は、英検協会・IIBC・IELTS・ETSの各試験団体の公表と、文部科学省の資料(IELTSのB1)をもとにまとめた目安です。TOEICはリスニングとリーディングそれぞれの最低点を示し、TOEFL iBTは2026年1月21日からの新しい点数で載せました。

文部科学省の令和7年度の調査では、公立高校の3年生でA2以上の生徒は52.4%、B1以上は23.9%でした。この割合には、試験を受けていない生徒を先生が判断した分も含まれます。半数近くはA2に届いていないため、海外の大学が求めるB2までは2〜3段階の差がある人も少なくありません。

試験を受けていなければできることで測る

試験を受けていない人は、場面ごとに「できること」を確かめると、今の段階のおおよその位置が分かります。欧州評議会は、聞く・読む・やりとり・発表・書くの5つに分けた自己評価表を公開しています。そのうち、出発前の確認に使いやすいA2とB1の目安を要約すると次のとおりです。

  • A2:身近な話題の短いやりとりができる
  • A2:家族や仕事を簡単な言葉で説明できる
  • B1:旅行中のたいていの場面に対応できる
  • B1:経験や予定を理由も添えて話せる

A2の項目に自信がなければ、出発前は中学レベルの文法と単語の土台づくりから始めるのが近道です。B1の項目まで言えそうなら、話す練習と、留学先で使う場面の準備に時間を回せます。

英語力が1段階上がるには約200時間かかる

ケンブリッジ大学英語検定機構によると、CEFRの1段階上がるには、指導を受けながらの学習で約200時間が必要です。出発までの残り期間に毎日続けた場合の学習時間を計算すると、次のようになります。

残り期間

1日30分

1日1時間

1日2時間

2週間

7時間

14時間

28時間

1か月

15時間

30時間

60時間

3か月

45時間

90時間

180時間

6か月

90時間

180時間

360時間

1段階分の約200時間に近づくのは、6か月なら1日1時間、3か月なら1日2時間を続けた場合で、どちらも約180時間です。この時間は学習歴や英語に触れる量で変わる目安で、独学の1時間と同じとは限りません。

英検協会のデータでも、準2級の合格者が2級に合格するまでに2年近くかかっています。残り期間が短い人ほど、段階を上げることより、留学先で使う場面に絞って準備するほうが現実的です。

留学前の英語勉強は土台から話す練習の順に

出発前の英語の勉強は、中学レベルの文法とよく使う単語の土台を固め、聞く練習、話す練習の順に進めるのが基本です。大学で授業を受ける人は、そこに英語で読む・書く練習を加えます。

土台は中学の文法とよく使う単語

最初に固めたいのは、中学で習う文法と、毎日の会話でよく使う単語です。現在・過去・未来の言い分けや疑問文の作り方があやふやなままだと、授業で聞いた英語の理解にも、言いたいことの組み立てにも時間がかかってしまいます。

アメリカの学生がロシア語を学んだ研究では、出発前の文法の力が高い学生ほど、留学中に会話の力が伸びやすい傾向が見られました。スペイン語を学んだ別の研究では、単語の意味がすぐに分かる速さなど、基礎の力が伸びと関係していたそうです。どちらも英語を学ぶ日本人の研究ではないものの、土台が現地の時間の使い方を左右するという考え方は参考になるはずです。メルボルンで1年過ごした人も、体験談で次のように振り返っています。

現地に行ってから文法書を開くのはもったいないので、現地は「日本で蓄えた知識をアウトプットしてブラッシュアップする場所」と割り切ると、成長速度が何倍も違います。

メルボルンの語学学校に通った人の体験談です(体験談を読む)。単語は、見て意味が分かるだけでなく、すぐに口から出る状態を目指しましょう。

聞く練習は音のつながりまで意識する

聞く練習では、意味だけでなく、英語のリズムや単語どうしのつながり、弱く発音されて聞こえにくくなる音にも注意して聞くのがコツです。ブリティッシュ・カウンシルは、こうした聞き方とあわせて、覚えたフレーズをひとりのときに声に出して練習する方法を勧めています。

移動中や家事の間に英語を聞き、全部が分からなくても普通だと考えるのも、同じ機関がすすめる続け方です。素材は、少し頑張れば内容をつかめるものを選ぶと続けやすいでしょう。

話す練習はひとりごとと会話に分ける

話す練習は、ひとりでできる練習と、相手が必要な練習に分けて考えると無駄がありません。CEFRでも、ひとりで話す「発表」と、相手と言葉を交わす「やりとり」は別の力として扱われています。

ひとりでできるのは、家で英語でひとりごとを言う練習や、自分の話す声を録音して聞き直し、間違いや発音の課題を見つける練習です。一方で、質問に合わせて答える、聞き取れなかったときに聞き返す、言葉に詰まったときに助けを求めるといった練習には、話し相手が欠かせません。

アメリカ国務省は、ビザの審査官向けのマニュアルで、TOEFLやIELTSで良い点を取っていても対面の面接では英語につまずく学生が多いと書いています。試験の勉強だけで終わらせず、人と話す時間を出発前に作っておきましょう。

進学する人は読む・書く練習も要る

交換留学や海外の大学への進学では、会話に加えて、英語の文献を読み、課題を英語で書く力が必要になります。トロント大学やメルボルン大学はIELTSの点数を技能ごとに「6.0以上」と求めているため、書く力だけが低いと、全体の点が届いていても条件を満たせません。

慶應義塾大学の理工学部の留学準備の案内でも、試験の基準点は最低限で、実際にはそれ以上の力が要るという留学経験者の声が紹介されています。点数を取ったあとも、英語の記事を読んで自分の意見を短く書く練習を続けると、授業の準備として役立つでしょう。

出発までの残り期間で変わる勉強の計画

出発までに6か月あれば英語力を1段階上げること、3か月なら土台と話す量を増やすこと、1か月以下なら到着直後の場面に慣れることを目指すと、無理のない計画になります。残り期間ごとの目安を表にまとめました。

残り期間

目標の目安

主にやること

後回しにすること

6か月以上

1段階上を目指す

土台・聞く・話すを順に

教材を増やすこと

3か月

土台を固める

文法の総復習と話す練習

難しい単語の暗記

1か月以下

場面に慣れる

自己紹介と聞き返し

新しい文法書

1日1時間を毎日続けた場合の目安です。6か月でも約180時間と、1段階の目安の200時間には少し届かないため、休日に時間を足すと確実です。交換留学や大学への進学で試験の点数が必要な人は、どの期間でも、出願に使う試験の対策を先に組み込んでください。

6か月あれば1段階上を目指せる

出発まで6か月あり、1日1時間を続けられるなら、約180時間になり、CEFRの1段階分に近い学習量です。日本学生支援機構も、語学留学なら約半年前から留学の準備を始めるよう勧めています。

前半の3か月は文法と単語の土台、後半の3か月は聞く練習と話す練習に重心を移すと、順番どおりに積み上げられます。試験の点数が必要な人は、出願の締め切りから逆算して受験日を先に決め、その対策を前半に入れましょう。

3か月なら土台を固めて話す量を増やす

残りが3か月なら、1日1時間で約90時間です。段階を1つ上げるには足りないため、中学レベルの文法の総復習と、話す練習の量を増やすことに集中しましょう。

新しい単語帳を何冊も買うより、1冊の文法の本と、毎日の会話でよく使う表現を繰り返すほうが、現地ですぐに使える力につながりやすいはずです。週に数回は人と英語で話す時間を作り、聞き返しや言い直しに慣れておきましょう。

1か月以下なら到着直後の場面に絞る

残りが1か月を切っているなら、英語力の段階を上げるより、到着してすぐ使う場面の英語に絞って準備するほうが現実的です。1日1時間でも30時間ほどで、1段階に必要な約200時間には届きません。

日本学生支援機構の2024年度の調査では、日本の大学などに在籍する学生の留学のうち66.2%が1か月未満でした。オーストラリアでは、学生ビザで通う英語コースの授業は週20時間以上と国の基準で決まっていますが、その場合でも4週間で80時間ほどです。短い留学ほど、出発前の準備と帰国後の学習まで含めて英語力を伸ばす計画を立てましょう。大学生の短期留学の組み方は、夏休みの短期留学の選び方にまとめています。

この期間は、自己紹介、聞き取れなかったときの聞き返し、入国審査や学校の初日のやりとりを声に出して練習するのがおすすめです。具体的な場面は次の章で紹介します。

到着してすぐ英語を使う3つの場面

到着してすぐ英語を使うのは、入国審査、語学学校の初日、体調不良などの緊急時の3つの場面です。どれも聞かれることや伝えることがほぼ決まっているため、出発前に声に出して練習できます。

Study Work Hub の実態調査で、2026年10月時点の留学・ワーホリ経験者の体験談94件の「大変だった点」を集計すると、66件(70%)が英語や言葉の壁に触れていました。英語の壁は多くの人がぶつかるため、せめて最初の数日に使う英語は準備しておくと安心です。

入国審査では渡航の目的を英語で答える

入国審査では、渡航の目的や滞在の期間、滞在先を英語で聞かれることがあります。イギリス政府の案内によると、EU・スイスなど以外から来た人は、ふつう「なぜイギリスに来たのか」を聞かれるとのことです。ただし日本のパスポートは、条件を満たせば自動ゲートを使えるため、質問されずに入国できる場合もあります。アメリカ政府の留学生向けサイトは、入国審査官が渡航の理由を質問することがあるとしています。

答えは短い一文で十分です。次のような文を、自分の学校名や期間に置き換えて言えるようにしておきましょう。

  • I'm here to study English.
  • I'll stay for four weeks.
  • I'm staying with a host family.

オーストラリアでは、入国カードを英語で書き、滞在先の住所も記入します。入学許可書や滞在先の住所は、すぐに見せられるよう手荷物に入れておくと安心です。手続きは国ごとに違うため、最新は各国政府の公式サイトでご確認ください。

語学学校の初日はレベルテストから始まる

語学学校の初日は、受付の手続きのあとにレベルテストを受け、その結果でクラスが決まるのが一般的です。カプランの日本語のよくある質問では、初日に文法・ライティング・リスニング・スピーキングの試験があり、2日目からのクラス編成が決まると説明しています。

スピーキングのテストに備えて、名前や出身、英語を学ぶ目的、趣味を英語で30秒ほど話せるようにしておきましょう。準備した自己紹介があれば、緊張していても今の力を出しやすくなります。到着前にオンラインのレベルテストを受けられる学校もあるので、案内が届いたら早めに済ませておくと初日の授業にすぐ入れます。

緊急時は場所と必要な助けを伝える

体調を崩したときや事故に遭ったときは、いる場所と、どんな助けが必要かを伝えられることが何より大切です。オーストラリア政府は、緊急通報の000に電話したら、警察・消防・救急のどれが必要かと、来てほしい場所を伝えるよう案内しています。

緊急通報の番号は国ごとに違い、カナダやアメリカは911です。出発前に、留学先の国の番号と、滞在先の住所を英語で言えるか確かめておきましょう。熱がある、お腹が痛いなど、よくある体調の伝え方を数個覚えておくと、病院でも学校でも役に立ちます。

よくある質問

留学前の英語の勉強について、よく出る4つの質問への答えです。

英語がほとんど話せなくても語学留学できますか?

できます。一般英語のコースは初心者から受け入れ、入学時のレベルテストでクラスを決める学校が多いからです。Study Work Hub が2026年10月時点で集計した留学・ワーホリ経験者の回答では、渡航前後の語学レベルを自分で記入した60人のうち44人(73%)が、レベルが上がったと答えています。裏を返せば4人に1人は上がっていないので、中学レベルの文法と自己紹介だけでも準備しておきましょう。

TOEICの点数は留学の準備に使えますか?

今の力を知る目安としてなら使えるでしょう。ただしTOEIC L&Rは聞く力と読む力だけを測る試験で、慶應義塾大学の交換留学のように、英語力の証明として認めない大学もあります。出願に使うなら、志望先が指定するTOEFL iBTやIELTSなどの試験を受けましょう。試験の点数の代わりに認められる方法は、IELTS・TOEFLの免除条件のガイドで紹介しています。

独学だけで出発前の準備は足りますか?

文法と単語、聞く練習、ひとりで話す練習は独学で進められます。一方で、質問に答える、聞き返すといったやりとりには相手が必要です。週に数回でも人と英語で話す時間を作り、オンラインの英会話を使うなら、自分のレベルと目的に合うかで選びましょう。続けられる回数から始めると無理がありません。

ワーホリ前の英語の準備も同じですか?

土台から話す練習へ進む順番は同じです。ワーキングホリデーは現地で仕事を探すため、接客や面接で使う英語の準備も加わります。語学学校に通える期間も国ごとに決まりがあるので、行き先の条件と合わせて計画を立てましょう。月ごとの進め方は、ワーホリ前の英語準備6か月のロードマップで紹介しています。

まとめ

留学前の英語の勉強は、まず自分の留学に点数が要るかを確かめ、今の力と目標の差をCEFRの段階で比べるところから始めるのが基本です。1段階上がるのに約200時間かかるため、残り期間が短いほど、土台と到着直後の場面に絞って準備しましょう。

今日できる一歩は、出発日までの日数と1日に使える時間を掛けて、自分の学習時間を出してみることです。行き先や学校がまだ決まっていない人は、語学学校の一覧で国や費用から候補を探せます。

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